ビジネスにおける「お許しください」の正しい使い方とその解説

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相手に対して失礼があった時、ビジネスシーンでも使われるフレーズが「お許しください」です。ところが、適切な所で使用しないと、許しを請うばかりか逆効果となってしまう事もあります。ここでは、ビジネスシーンでの正しい「お許しください」の使い方や類義語、例文について触れていますので、読めば適切に使用できるようになります。

「お許しください」の意味と基本的な使い方

 

「お許しください」とは、相手に許しを請う時に使う表現である「許してください」を、さらに丁寧に言った形です。

主に、相手に対して行ってしまった無礼や失敗、あやまちを詫びて、許しを請う時に使用されます。

「お許しください」をビジネス上で使用する場面

本来電話で伝えるべきことをメールで伝える場合

ビジネス上で「お許しください」を使用する時には、本来するべき行動や対応が、何らかの理由によってできない時に、その代わりの行動で許してほしい時にも使用します。例えば、本来電話で使えるべきことをメールで伝える場合には、「本来ならばお電話で伝えるべきですが、諸事情によりメールでのご連絡をお許しください」などと使用します。

休日や忙しい時間帯にメールを送る場合

メールは24時間いつでも送受信ができる便利な連絡ツールですが、休日や営業時間外、忙しい時間帯にメールを送るのは失礼とされています。もしも、何かの事情があって上記の時間帯に相手へメールを送らなければいけない時には、「お忙しい時間にご連絡する無礼をお許しください」「休日にメールを送る失礼をお許しください」と表現し、あらかじめ相手に許しを請いた上で、メールを送ります。

「お許しください」をビジネス上で使用してはいけない場面

相手に対して失礼な行動をした際に謝罪をする場合

相手に対して失礼な行動をした際の謝罪として「お許しください」は使用できません。自分が相手に対して失礼な行動をして、相手が不快に思っている事に対して「お許しください」は不適切です。
この場合には、許しを請うのではなく、自分の失礼な行動を認めた上で「誠に申し訳ありません」などの謝罪が必要になります。

相手の怒りを鎮める場合

失礼な行動をしてしまった時の謝罪と同じく、相手が怒っている時にも「お許しください」は逆効果です。相手が怒るほどの失礼や不手際をしてしまった時には、「弁解のしようがございません」「お詫びのしようもございません」などの、最大級のお詫びの言葉が必要になります。

「お許しください」の類似表現と言い換え

失礼いたします

「失礼いたします」とは、こちらの非礼や無礼を相手に詫びる表現です。電話で連絡する代わりにメールで連絡する時、「お許しください」の代わりに「本来ならば電話で連絡する所、メールでの連絡にて失礼いたします」と言い換える事ができます。
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ご容赦ください

「容赦(ようしゃ)」とは、相手のあやまちや失敗などを許すことです。「お許しください」よりもさらに丁寧な表現となります。例えば、お得意様に対して、何かの理由でいつもと違う書式での請求書や見積書を送る時に「今回のみ、通常と違う書式にて請求書を送付いたします事を、あらかじめご容赦ください」などと表現します。

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ご寛恕(かんじょ)ください

「寛恕(かんじょ)」とは、心が広く思いやりがある様を指します。相手の失敗などをとがめずに許すことを「寛恕する」と言います。「お許しください」の敬語表現のひとつで、上司ではなく役員クラスの上司や、大切なお客様に使う言葉となります。「ご寛恕いただきたく存じます」などと表現しますが、口語ではなく書き言葉で使われる事が多い表現です。

ご海容(かいよう)ください

「海容(かいよう)」とは、字の通り海のような広く寛容な心を持っている様です。「お許しください」の敬語表現として、「ご寛恕ください」と同じように使われる事が多いですが、「ご海容ください」も格式のある言葉ですので、通常のビジネスシーンではあまり使われる事はありません。

お許しくださいを使用した例文

本来すべき行動をせず、代わりの行動をする時
「本来ならば直接お伺いする所を、やむを得ずお電話での連絡となりました事をお許しください」
「本来納品すべき商品の出荷が間に合わず、今回のみ他のメーカーでの代替品となりました事をお許しください」
本来すべきでない時間にメールの送信をする時
「休日にメールを送る失礼をお許しください」
「弊社が明日より夏季休暇に入ります為、本日以降のメール送信ができなくなります。貴社の営業時間外にメールを送る失礼をお許しください」

 

まとめ

・「お許しください」とは、相手に許しを請う時に使うフレーズ。
・ビジネスシーンでは、電話の代わりにメールなど、本来の行動ではなく代わりの行動をする時や、メールを時間外に送信する時などに使用する。
・「お許しください」の敬語として「ご容赦ください」「ご寛恕ください」「ご海容ください」があるが、いずれも格式ばった言い方の為、口語には向かず、主に文書で使用される。
・「お許しください」は相手が怒っている時など、相手が不快な思いをしている時には逆効果になるので使えない。
・「お許しください」は「電話でご連絡する所をメールでのご連絡となった事をお許しください」「休日にメールを送る失礼をお許しください」などと使用する。