口語でも、書き言葉でも前述の理由を述べる時の接続詞として使用されている「なので」という表現があります。これをビジネスシーンで使う時の相応しい表現が分からず、困ってしまう方も多いのではないでしょうか。

ここでは、「なので」のビジネスシーンにおける正しい表現方法、「なので」を使用する時の注意点、実際にビジネスシーンで使う上での例文について解説しています。これを読めば、目上の人にも失礼のない表現が自然と出来るようになるでしょう。

「なので」はそもそも正しいのか

「なので」自体は間違いではない

「なので」自体は、正しい日本語です。品詞としては、前述の内容を踏まえて理由を述べる時に使用する接続詞です。「なので」は、もともと、断定の助動詞である「~だ」の連体形である「な」に、理由を表す接続助詞の「ので」がついた形となっています。

敬語として使用するには相応しくない

「なので」自体は、間違った表現ではありませんが、ビジネスシーンにおける敬語として使用するのは相応しくない言葉です。

「なので」を目上の人に使う時など、敬語として使用する時には、「な」の部分である断定の「だ」を、丁寧語である「です」に変えて、「ですので」と表現するのが正しいと言えます。

「なので」=「~だ」+「ので」→「~だ」を丁寧語「~です」に変える→「ですので」

「なので」は目上の人に使用してはいけない

「なので」は、敬語として使用するのは相応しくありませんので、当然目上の人に使用してはいけません。「なので」ではなく「ですので」を使用しましょう。

後輩や同僚に使用することは間違いではない

一方で、後輩や同僚など、自分と対等な立場や目下の人に対しては「なので」を使用するのは間違いではありません。「なので」自体は正しい日本語ですので、自分がへりくだる必要のない、同僚や後輩に対しては「なので」を使用できます。

「なので」を使用する際の注意点

文頭に使用してはいけない

「なので」は接続詞ですが、文頭では使用してはいけないと言う決まりになっています。ところが、近年では文頭に「なので」を使用する機会も多くなり、徐々に「なので」を文頭に使用する事も認められつつあります。

しかし、元々「なので」を文頭に使用してはいけませんので、ビジネスシーンでは文頭には他の接続詞を使用するようにしましょう。「なので」に代わって文頭にも置ける理由を表す接続詞は「したがって」「ですから」などがあります。

ビジネスの場では使用しない方がよい

「なので」自体は正しい表現ですので、同僚や後輩には使用しても問題ありません。しかし、同僚や後輩のみの場所でも、会議やプレゼンテーションなどの場では、「なので」の使用は控えた方が良いでしょう。

また、ビジネスシーンでは常日頃から「なので」を「ですので」や「したがって」などに言い換えて使用すれば、上司や取引先のお客様など、目上の人に対してうっかり「なので」を使用してしまう、といったミスも防げます。

書き言葉として文章に使うことは相応しくない

「なので」は、正しい表現とはいえ、他の接続詞と比較するとフランクな印象を与えやすい言葉です。これは、「なので」がビジネスシーンではなく日常的な会話で多く使用されている事、特に年齢層の若い年代に好まれる言葉である事が理由にあります。

以上を踏まえ、「なので」は書き言葉として文章に使う事は相応しくありません。文章で「なので」を使う代わりに「ですので」「ですから」「したがって」などに言い換えるようにしましょう。

「なので」の正しい使い方

例文

・私は今風邪をひいている。なので、今日の集まりには参加できそうにない。
・2歳の次男は今イヤイヤ期。なので、毎日の買い物も一苦労よ。
・僕は人前で話す事があまり得意ではない。なので、君に今度のスピーチを代わってもらいたいのだが、いかがだろうか?
・あの先生の授業は分かりにくいと評判だ。なので、今では受講する生徒の数も減ってしまっている。

「なので」の間違った使い方

例文

〇〇株式会社の社長が裏口にいらっしゃいました。なので、正面玄関まで私がご案内いたしました。
来月、〇〇社の新商品の発表会があります。なので、わが社も今後は、より多くの商品開発が求められていると言えます。

→ですので、ですからなどが正解

なので、この結果は間違っていると言える。
なので、私が彼の代わりに出席しました。

→文頭なので、したがって、ですので、その為などが正解

「なので」の類義表現と言い換え

目上の人に口語として使用する場合

「ですので」「ですから」

文頭に置く場合

「ですので」「したがって」「これらを踏まえて」「すると」「その為(この為)」

書き言葉として使用する場合

「ですので」「したがって」「その結果」「しからば」

「なので」の言い換え

例文

・私は今風邪をひいております。ですので、本日の集まりは参加できそうにありません。
・今期の決算では目標額を達成する事ができませんでした。したがって、私自身もより多くの営業努力をする必要があると考えております。
・課長の〇〇は諸事情によってこの書類を作成できませんでした。ですから、私が代わりに作成いたしました。
・台風が生産工場のある地域に上陸し、生産工程が遅れてしまいました。その為、今回ご希望通りの納品数を収める事ができなくなってしまい、先方に多大なご迷惑をおかけしてしまいました。申し訳ございません。

まとめ

・「なので」は日本語としては正しい表現である。断定の「だ」の連体形「な」に、接続助詞の「ので」がついた形で、順列を表す接続詞である。

・目上の人に対して使用する時には「なので」ではなく、丁寧語である「ですので」を使用する。

・正しい表現なので、同僚や後輩に対しては使用可能。けれども、ビジネスシーンでは日ごろから「ですので」を使用するようにした方が、目上の人へ間違って「なので」を使用してしまうなどのミスも防げる。

・「なので」は、文頭に置いてはいけない決まりがあるが、近年では徐々に「なので」を文頭に置くケースも増えてきている。

・「なので」は、若年層が好んで使用する言葉のため、どうしてもフランクな印象をあたえがちである。その為、書き言葉では「なので」の使用は控えた方が良い。

・「なので」の言い換えられる言葉として「ですので」の他にも「したがって」「ですから」「この為」「すると」などがある。