この記事では、「力士」の内容、なり方、年収、勤務体系、将来性などについて考察します。

日本の伝統的な国技である「相撲」。力士同士の激しいぶつかり合いや小柄な力士が大きな力士を投げ飛ばす爽快感は、相撲ならの醍醐味です。子どもたちが参加する相撲大会は、今でも今でも地域の風物詩になっていますね。

相撲の魅力にはまって、「力士」を目指す方もいるでしょう。今回は、「力士」の仕事内容やなり方、将来性などについて解説します。職業選択や基本的な知識としてお役立てください。

力士とは


「力士(りきし)」は、日本相撲協会に所属する競技者のことで、主に相撲興行において相撲を取ります。一般的には、「お相撲さん」や「相撲取り」とも呼ばれ、「心技体」を理想として、日々相撲の稽古に精進しています。

力士の歴史は非常に古く、古墳時代の地層から「力士埴輪(ちからひとはにわ)」という出土品が発見。平安時代では、天皇が観覧する「相撲節(すまいのせち)」がおこなわれていました。力士(りきし)」という呼称は、江戸時代の中ごろに定着したようです。

現在の相撲興行は、この江戸時代中期に基礎が築かれたと言われています。

力士の仕事内容

力士は、必ずどこかの「相撲部屋(すもうべや)」に所属しています。相撲部屋は、一般的に「親方(おやかた)」と呼ばれている「年寄(としより)」が経営する力士の養成所。本場所や巡業以外は、この相撲部屋で稽古に励むのが力士の主な仕事になります。

では、ここで相撲部屋での力士の1日を紹介しましょう。関取と幕下以下で時間に違いがあるのが、相撲部屋の特徴。平均的なスケジュールは以下のようになります。

力士の平均的な1日のスケジュール  
5時~6時 起床(幕下以下)
6時~ 稽古
股割りや四股などの基礎運動で足腰を鍛えます。
7時~ 関取が起床
8時~11時 関取の稽古スタート
幕下以下の力士は、関取に稽古をつけてもらいながら、関取の身の回りの世話もおこないます。
11時~13時 風呂・昼ちゃんこ
番付の低い力士から入浴。ちゃんこ番は風呂を後回しにして食事の準備をします。
ちゃんこは、親方や関取からの順番で、新弟子は13時すぎになることもあります。
14時~16時 昼寝・自由時間
力士にとって昼寝も大切な稽古。30分ほど昼寝をして、あとは自由に過ごします。
16時~18時 雑用・夜ちゃんこの準備
幕下以下の力士は、稽古場の掃除や部屋の片づけをします。
18時~ 夜ちゃんこ
夜ちゃんこも、しきたりに従って親方や関取が先になります。
19時~ 自由時間
食事の後片付けが終われば、関取の付け人以外は自由に時間を使えます。外出もできますが、門眼がある部屋では時間厳守です。
23時~ 就寝
関取は自分の部屋がありますが、幕下以下の力士は同部屋です。翌日の稽古のために、23時ぐらいには消灯するのが一般的。


取り組みが終了したら、順次部屋や宿泊場所に戻り、後は自由時間です。但し、関取の付き人は支度のために部屋にいることが多いようです。また、ゲン担ぎで同じ食事やお店を利用するなど場所中ならではの行動も多く見られます。
本場所がある場合は、13時30分~14時ぐらいまで相撲場所にいます。起床時間は、通常よりも遅く、稽古は30分から1時間ぐらいで身体を慣らす程度の軽いものになります。地方場所では、宿泊兼稽古場としてお寺や公民館などの施設利用することが多いようです。

力士になるには

千載一遇
力士になるためには、さまざまな条件がありますが、まずは相撲部屋の親方に認められなければなりません。そのためには、相撲大会で実績を積むことが重要になります。そして、親方からスカウトされるか、自ら親方に志願します。

しかし、親方に認められても力士になれるわけではありません。力士になるためには「新弟子検査」という関門が存在します。

新弟子検査に合格する

新弟子検査を受けるためは、23歳未満で義務教育を終了した健康な男子で、所定の身長および体重を満たすことが必要です。但し、相撲協会が認めた社会人や大学の大会で実績を残した選手は、年齢制限が25歳未満になります。

そして、所属したい部屋の親方は、以下のような新弟子検査に必要な書類を相撲協会へ提出します。

  • 親権者の承諾書
  • 戸籍謄本または妙本
  • 健康診断書
  • 住民票
  • 中学卒業(見込)証明書
  • スポーツ履歴
  • 力士検査届

新弟子検査で、話題になるのが身長・体重測定です。新弟子検査に合格するためには、「身長167センチ以上」「体重67キロ以上」の条件をクリアしなければなりません。身長の足らない人は、少し背伸びをしたり、髪を高く盛ったり、あれこれ策を講じるようです。

これらの条件を満たしたら、力士として認定されます。しかし、力士になっても、すぐに土俵に立てるわけではありません。

相撲教習所で相撲の実技や歴史を学ぶ

新弟子に求められるものは、体力だけではありません。日本古来の伝統でもある相撲のしきたりや力士としての礼儀作法を身につけることが必要です。それを、教えてくれるのが国技館の中にある「相撲教習所」です。

相撲教習所では、実技と教養の2つを学びます。実技では、主に基礎体力の強化や四股や鉄砲、すり足など相撲動作を学びます。本場所中には、主に新弟子による「前相撲」がおこなわれますが、これも相撲教習所の実技として認定されます。

教養では、「相撲史」「国語(書道)」「一般社会」「相撲甚句・修行心得」「運動医学・スポーツ生理学」など力士としての必要な知識を学びます。相撲教習所の授業は、朝7時からスタートします。前半が実技で後半が教養で、昼頃には終了します。

月曜日から金曜日までの週5日、6か月間受講すれば終了です。学生や社会人相撲で優秀な成績をおさめた人には特別に前相撲をとらない「幕下付出(まくしたつけだし)」という地位が与えられる場合があります。

階級は一番下の「序の口」からスタート

相撲には「番付(ばんづけ)」と呼ばれる階級があります。階級は、大きく上から順に「幕内(横綱・大関・関脇・小結・前頭)」「十両」「幕下」「三段目」「序二段」「序の口」に分かれます。力士の中で「関取」と呼ばれるのは、この幕内と十両だけです。

こまかな番付や特徴は以下のようになっています。

力士の階級  
横綱 ・大銀杏が結え、紋付の羽織と袴、
白い足袋に雪駄が履ける。
・土俵入りで化粧まわしが付けられる。
・給与がもらえる。
大関
関脇
小結
前頭(最大東西十六枚目まで)
十両(東西十三枚目) ・髪はちょんまげ。
・着物と羽織、幕下は黒い足袋に雪駄、三段目からは素足。
・序の口は羽織なし。
幕下(東西六十枚目)
三段目(東西百枚目まで)
序二段(約300名)
序の口(約100名)

新弟子は、このような厳しい番付の最下位である「序の口」からスタートします。但し、相撲教習所で学んでいる期間は、「前相撲」にしか出られないので、番付に名前が載ることはありません。

力士に向いている人


力士はプロの世界で相撲を職業とする人です。相撲のしきたりや相撲部屋での生活、厳しい階級世界で生き抜いていかなければなりません。相撲が強いだけでは通用しない世界なのです。では、どのような人が力士に向いているのでしょうか?

集団生活が苦にならない

関取になれば個室がもらえますが、幕下以下は大部屋で寝泊まりしなければなりません。他人といびきや寝言などを気にしていては、身体が休まらないので、相撲にも悪い影響を与えてしまいます。

また、風呂も数人で一緒に入り、付き人になれば関取の背中を流したりします。ちゃんこの順番などしきたりに合わせた集団生活の中が苦になっては、稽古もしっかりできませんね。

忍耐力と向上心がある

相撲の世界は階級世界です。在籍年数や年齢には関係なく、番付が上の人が優遇されます。関取にもさまざまな人がいて、中には付き人に理不尽な要求をすることも少なくありません。このような状況も乗り越えられる強い忍耐力も力士には求められます。

さらに、自分の相撲に対する向上心も必要。1つでも勝ち星をとるために、相撲を研究し技術を磨く努力をしてこそ、番付をあげられるのです。そして、最大のモチベーションは、「横綱になる」です。特に、新弟子にはそのぐらいの意気込みが欲しいですね。

力士の・年収


力士の給料は、階級によってことなりますが、幕下以下は関取ではなく、「養成員」と呼ばれ、給料はありません。但し、年間6回の本場所では手当が支給されます。手当は、階級ごとに以下のようになっています。

場所手当(1回)  
幕下 16万5千円
三段目 11万円
序二段 8万8千円
序の口 7万7千円


一方、関取に昇進すると階級ごとに以下のような金額の毎月給料が支給されるようになります。
この場所手当が、年間6回支給されるので、幕下以下の年収は、幕下「99万円」、三段目「66万円」、序二段「52万8千円」、序の口「46万2千円」です。一般の社会人と比較するとかなり低い金額ですが、幕下以下の力士は相撲部屋で暮らしているので、生活費はゼロです。

関取の月給  
横綱 300万円
大関 250万円
関脇 180万円
小結 180万円
前頭 140万円
十両 110万円


このように、関取になれば、月100万円以上の給料を手にできるのです。年収に換算すると、横綱「3600万円」、大関「3000万円」、関脇・小結「2160万円」、前頭「1680万円」、十両「1320万円」になります。

また、優勝者にはそれぞれ賞金が贈られます。幕内優勝は「1000万円」、十両「200万円」、幕下「50万円」、三段目「30万円」、序二段「20万円」、序の口「10万円」で、さらに、殊勲・敢闘・技能の三賞では「200万円」を手にすることができます。

力士の勤務体系と休日

雇用形態
力士の勤務は、あくまでも稽古と本場所のスケジュールに準じています。休日は部屋によって異なりますが、基本的には日曜日は休日になります。しかし、本場所前は、日曜日も返上し稽古に励むことが少なくありません。

力士にとって、もっとも長い休日は本場所後の1週間。年末年始は、31日~2日ぐらいしか休みがないので、この本場所後に帰省する力士も多いようです。

相撲も、他のプロスポーツと同じように実力の世界です。少しでも上を目指して努力しなければ、良い結果は得られません。一般の社会人のような勤務体系や休日を期待するには無理がありますね。

力士の将来性

黄昏
相撲は、日本相撲協会が主催する日本の国技ですから、民間企業のように倒産したり解散したりすることはありません。また、現役を引退しても関取以上で「年寄名跡」を襲名できれば親方として部屋を持つことができます。

十両や幕下力士でも認められれば、日本相撲協会の仕事に従事することもできます。その他、マネージャーとして部屋に残る力士やちゃんこ料理屋の開業など、さまざまな第二の人生を選択しています。

相撲人気の低迷やさまざまな不祥事、新弟子の減少など、厳しい状況が続く相撲界ですが、世界的にも人気のある日本の伝統は守り続けたいものですね。

まとめ この記事のおさらい

  • 「力士(りきし)」は、日本相撲協会に所属する競技者のこと。
  • 力士の仕事は部屋での稽古と本場所での競技ですが、幕下以下の力士にはちゃんこ番や掃除などの雑用もあります。
  • 力士になるには、新弟子検査に合格し、相撲教習所で6か月間学ばなければなりません。
  • 新弟子は、番付の最下位である「序の口」からスタートします。
  • 力士には、集団生活が苦にならない人や忍耐力・向上心がある人が向いています。
  • 幕下以下の力士に月給はありませんが、場所ごとに手当が支給されます。
  • 関取になれば、100万円以上の月給が支給され、横綱は月給300万円で年収3600万円。
  • 力士の休日は、基本的には本場所がないときの日曜日と本場所後の1週間。
  • 引退後、関取であれば「年寄名跡」を襲名すれば親方に。
  • 幕下でも認められれば相撲協会の仕事に従事することができます。

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