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この記事では「永久不滅」という四字熟語について解説しています。「永久不滅」は1974年に流行した言葉です。近年では同義語の「永遠不滅」とともにインターネット投稿や広告のキャッチコピーなどでよく用いられます。
そこでこの記事では「永久不滅」の読み方と意味、類義語・対義語や英語表現とともに、「永久不滅」と「永遠不滅」との意味の違いについても解説いたします。
「永久不滅」の読み方と意味
「永久不滅」は、「えいきゅうふめつ」と読みます。意味は文字どおり「永久に衰滅しないこと」。「永久」は「人間や自然が産み出した造形物の機能や状態が限りなく長いあいだ維持されること」をあらわします。
「不滅」の意味は「永久になくならないこと」。つまり「永久」と「不滅」は意味が類似する言葉を重ねることで意味を強調した熟語です。同じ意味の「永遠不滅」や「不朽不滅」「万世不易」も意味が重複する言葉で構成されています。
「永久不滅」が熟語として周知されるきっかけになったのは、1974年に野球選手の長嶋茂雄氏が引退した際に「巨人軍は永久に不滅です」とスピーチしたこと。この「永久に不滅です」という表現が当時の流行語となりました。
その後、株式会社クレディセゾンが運営するセゾンカードの無期限ポイントに「永久不滅ポイント」という名称を与えたことで再び脚光を浴びるようになりました。
近年では単に「不滅」の永続性を強調するだけでなく、「永久不滅の愛」「永遠不滅の映画音楽」のように「永久不滅」と「永遠不滅」が感情や魅力の永続性をあらわす意味でも使われるようになってきています。
「永久不滅」と「永遠不滅」の違い
前述したように「永久不滅」と「永遠不滅」は同じ意味で用いられます。両熟語の差は一目見てわかるように「永久」と「永遠」の違いです。
「永久」の意味はすでに述べたように「人間や自然が産み出した造形物の機能や状態が限りなく長いあいだ維持されること」。たとえば「永久磁石」は「電気がなくても磁力を保ち続ける磁石」という意味です。この場合、「永遠磁石」という呼び方はありません。
ほかに「永久」を含む熟語や名詞は「永久機関」「永久欠番」「永久差異」「永久歯」「永久失格」「永久年金」「永久不変」「永久保証」「永久保存」など。いずれも「永久」を「永遠」に置き換えた形の同義語はありません。
ちなみに「永久差異」とは会計用語で、課税所得の計算において永久に損金や益金に算入しないことをいいます。
一方、「永遠」の意味は「いつまでも続くこと」「いつまでも存在すること」など。「永遠」を含む熟語には「永遠偉大」「永遠無窮」などがありますが、数としては「永久」ほど多くありません。
「永遠」は熟語のパーツとして使用するよりも、助詞の「に」や「の」をつけて「永遠に~」「永遠の~」という表現で用いるほうが一般的です。
「永久不滅」と「永遠不滅」の意味に違いがあるとすれば、「永久不滅」が「不滅という状態が果てしなく続くこと」を意味するのに対し、「永遠不滅」は「物事や名声がいつまでも滅びることなく存続すること」を意味するものと解釈できます。
実際には「永久不滅」と「永遠不滅」を意味の違いによって使い分けることはまずありません。また「不滅」は物事の機能や状態を示す言葉ではないので、厳密には「永遠不滅」のほうが正しいとする意見もあります。
ちなみに日本の人気ロックバンド、サザンオールスターズの桑田佳祐氏は長嶋茂雄氏の引退試合に感動して彼をモデルにした「栄光の男」を作詞作曲しました。その歌詞では「永久に不滅」を「永遠に不滅」と言い換えています。
桑田氏が「永久」を「永遠」に変えたのは「そのほうが歌いやすいから」という歌手らしい理由から。そのことが、現在の「永久不滅」と「永遠不滅」の併用と共存につながった、とも考えられます。
「永久不滅」の使い方
「永久不滅」の使い方としては形容動詞としての用法と、名詞として助詞をつける用法のふたつがあります。形容動詞の用法では終止形で「○○は永久不滅だ(です)」とするか、連体形で「永久不滅な○○」と表現するのが基本です。
名詞としては助詞の「の」をつけて「永久不滅の○○」という表現が用いられます。
「永久不滅」の意味は前述したように「人間や自然が産み出した造形物の機能や状態が限りなく長いあいだ維持されること」。最近では「永久に価値を失わないほど素晴らしい」という最上級の賞賛や感情を示す意味でも使われます。
たとえば「黒澤明監督の映画は永久不滅だ」というように映画や小説、音楽など芸術作品の価値や魅力の高さを表現したり、「別れてから3年たったけど彼女への愛は永久不滅だ」のように特別な気持ちが長期間衰えないことを表現したりします。
「永久不滅」の類義語と例文
永久不滅の類義語としては前述の「永遠不滅」をはじめ「永久不変(えいきゅうふへん)」「永劫不滅(えいごうふめつ)」「千古不易(せんこふえき)」「千古不変(せんこふへん)」「万世不易(ばんせいふえき)」などがあります。
いずれも「永久不滅」と同じように「長い時間」を意味する2字熟語と、「変わらない」を意味する2字熟語を連結した4字熟語になります。基本的な意味や用法も「永久不滅」と同じです。
「千古不易」の例文
「永久不滅」の対義語と例文
「永久不滅」の対義語としては「諸行無常(しょぎょうむじょう)」「盛者必衰(じょうしゃひっすい)」「万物流転(ばんぶつるてん)」などをあげることができます。「諸行無常」は仏教用語で「この世に永久不変なものはない」という意味をあらわす言葉です。
「盛者必衰」は「どんなに勢いが盛んな者でもいつか必ず衰亡する」という意味をあらわします。「万物流転」は「この世に存在するものは絶え間なく移り変わり続ける」ということを意味する言葉です。
「盛者必衰」の例文
「永久不滅」の英語表現
「永遠不滅」の英語表現としては「everlasting」「eternal」「forever」「immortal」などの言葉をあげることができます。
「everlasting」は「永遠に」「絶え間なく」「いつまでも変わらない」などを意味する言葉です。定冠詞をつけて「the everlasting」とすると「永遠なる者」「神様」という意味になります。
「eternal」は「永遠の」「果てしない」「不滅の」という意味の言葉です。
「forever」は「永遠」を意味する最も一般的な言葉で、「永久不滅」と同じ意味の「forever and never die」という慣用句もあります。
「immortal」は「不死の」「不滅の」「名声が不朽の」などを意味します。
まとめ
- 「永久不滅」は「人間や自然が産み出した造形物の機能や状態が限りなく長いあいだ維持されること」を意味する言葉です。
- 「永久不滅」と「永遠不滅」は「永久に価値を失わないほど素晴らしい」という意味でも用いられます。
- 「永久不滅」の類義語には「永遠不滅」「永久不変」「永劫不滅」「千古不易」などがあります。
- 「永久不滅」の対義語には「諸行無常」「盛者必衰」「万物流転」などがあります。