防衛大学校とは|学費や倍率は?各学科や入試制度も解説

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自衛隊の幹部を養成する施設である防衛大学校ですが、一般の人には仕組みや特徴を知る機会はほとんどないのではないでしょうか。

この記事では、防衛大学校の学部や学科、学生の立場や生活スタイルといった防衛大学校の特徴や、入試制度を中心に解説します。

自衛隊への入隊を考えている人に役立ててもらえるのはもちろんのこと、そうでない人も、この記事を通して防衛大学校について知ることで、社会人としての見聞を広めることにつながるでしょう。

防衛大学校とは


防衛大学校は、自衛隊のリーダーとなる陸・海・空の幹部自衛官を育てる日本で唯一の大学教育機関です。
一般の大学は文部科学省の管轄ですが、防衛大学校は防衛庁の機関で、そのため名称も大学ではなく「大学校」となっています。

防衛大学校の教育課程は、一般の大学と同じように教養教育・外国語・体育・専門基礎の科目と専門科目を学ぶとともに、防衛大学校ならではの防衛学を学びます。

防衛大学校の学部・学科

防衛大学校の学部は「人文・社会科学専攻」「理工学専攻」に分かれていて、人文・社会科学専攻は3つ、理工学専攻は11の専門学科があり、2学年進級時に、全14学科の中から本人の希望と成績に応じて学科が決められます。

また、卒業時には、人文・社会科学専攻は人文科学・社会科学いずれかの学士、理工学専攻は理学・工学いずれかの学士が授与されます。

スケジュールとしては、1学年では専門基礎と教養教育、外国語、体育および防衛学の一部を履修し、2~4学年で教養教育、外国語、体育、防衛学、専門科目を履修、4学年では卒業研究論文の作成も行います。

■人文・社会学科専攻の学科■
人間文化学科
多角的に異文化コミュニケーションを学びます。異文化コミュニケーションで人と人をつなぐ能力を育成することを目標としています。

公共政策学科
学際的な視点で国の政策を分析する学科です。スパイラルに絡み合う社会を、政策という視点から研究します。

国際関係学科
国際社会の動きと日本の関りを知る学科です。グローバルスタンダードの安全保障の専門教育を受けられます。

■理工学専攻の学科■
応用物理学科
科学技術の基礎知識と論理的思考力を養う学科です。科学技術の幅広い知識に基づいた論理的思考と応用力を身に着けた真のゼネラリストの育成を目指します。

応用化学科
科学を学び物質の持つ可能性を知る学科です。科学を総合的に学び、社会に貢献できる人材を育成します。

地球海洋学科
広大な視野で地球環境を学びます。総合的な視野で地球環境を理解できる人材を育成するための教育を行います。

電気電子工学科
21世紀を支えるエレクトロニクスを学ぶ学科です。エレクトロニクスの知識を応用して防衛システムの構築に貢献できる人材を育成します。

通信工学科
情報通信社会の基盤技術である通信を学びます。通信工学科を卒業すると、無線・通信関係の国家試験でさまざまな特典が得られます。

情報工学科
情報関連分野について基盤となる数学やアルゴリズム、プログラミングからロボットやネットワークの最新技術まで広範な学習ができます。

機能材料工学科
材料に何ができ、何が限界かを学び、さらに材料の持つ可能性を体得することを目的としています。

機械工学科
家電からロボットまで、広くもの創りを学ぶ学科です。基礎から先端技術までを体系的に学び、創造的かつ多元的な考えを持つ人材を育成します。

機械システム工学科
最先端の機械システムを学び、最新の装備を使いこなす知識と力を持った人材を育成します。

航空宇宙学科
空と宇宙を飛ぶための知識と技術を学ぶ学科です。航空機、飛翔体、ロケットなどを対象とした9つの学問分野を展開し、講義、実験、演習プログラムにより学びます。

建設環境工学科
種々の公共施設の計画・設計・管理を通じて、よりよい生活環境を実現するための「地球を造形する総合工学」を学びます。

防衛大学校の特徴


防衛大学校は自衛隊の幹部を養成する防衛庁管轄の機関であり、一般の大学とは違った特徴を持ち合わせています。

学生は「公務員」であり、給料やボーナスが支給される

防衛大学校の学生は、学生であるとともに特別職国家公務員です。国家公務員として職に就くための知識やスキルを身につけるための期間ですから、入学金、授業料の負担はありません

さらに、在学中は給与と期末手当(ボーナス)が支給されます

防衛大学校学生の給与と期末手当
 給与:117,000円/月
 期末賞与(ボーナス):約397,800円/年
 (令和2年4月現在)

防衛大学校の学生は在学中も国家公務員という立場ですから、アルバイトは禁じられています。また、将来は自衛官となるこが前提ですので、在学中に転職活動を行うことはできません。

充実した留学制度あり

防衛大学校では、留学生の派遣および受け入れを積極的に行っています。

主な派遣先としてはアメリカ・イタリア・シンガポール・タイ・中国・ブラジル・韓国などへの約1~3週間の短期派遣、アメリカ・フランス・ドイツ・オーストラリア・カタール・韓国の軍士官学校などへの約4か月間の長期派遣、韓国軍士官学校への約1年間の長期派遣があります。

また、インドネシア、韓国、カンボジアなど11か国の士官候補生を留学生として受け入れています。

4年間で合計約1,005時間の訓練が実施される

防衛大学校には、幹部自衛官を育成する目的のもとに独自の訓練課程があります。「共通訓練」と「要員訓練」に区分され、共通訓練は全学年全員が同じように受けるもの、要員訓練は2学年で陸・海・空の要員に指定された後に受けるものです。

訓練は毎週2時間程度実施される過程訓練と、年間を通じ1か月の訓練を1回、1週間の訓練を2回程度というように集中して行われる定期訓練があり、年間を通じた合計の訓練時間は約1,005時間に及びます。

女子学生の数は少ない

防衛大学校の在学生を男女比率で見ると、女性が非常に少なくなっています。
令和4年入稿の募集人員は、推薦、総合選抜、一般をあわせて480人で、そのうち女子の募集枠は約15%にあたる70名です。

防衛大学校の学生の生活

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防衛大学校学舎は神奈川県横須賀、三浦半島の先端にあります。敷地は東京ドーム約14個分に相当する広大なもので、実験棟、科学館、図書館、武道場、競技施設、食堂、学生舎などの設備が整っています。

学生舎居室(学生寮)で集団生活を送る

防衛大学校の学生は、全員が学生舎と呼ばれる寮で団体生活を送ります。学生舎の間取りは自習室と寝室の2部屋で、1学年~4学年まで2名ずつの8名で使用します。

学生舎には共同で使用するスペースとして、調理室、洗面所、シャワー室、洗濯室などが備わっています。

防衛大学校の学生は定められた制服等を着用しなければなりません。外出時には私服の着用が認められていますが、1学年は外出時にも私服を着ることは認められていません。

学生の休日スケジュール

防衛大学校は土日祝は授業がなく、外出も認められています(土曜日は8:00~23:20・日祝は8:00~22:00)。

外泊は2学年以上の学生に認められていますが回数に制限があり、年間に2学年は11回、3学年は16回、4学年は21回が上限です。1学年は特別な理由が認められない限り外泊はできません。

土日祝のほかにも、約3週間の夏季休暇、約1週間の冬期休暇と春期休暇があり、この休暇の間は帰省や海外旅行も認められています(ただし、校友会活動の合宿などが入るケースがあります)。

防衛大学校の入試制度

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防衛大学校の入試は「推薦」「総合選抜」「一般」に分かれます。
自衛官を養成する機関のため、身長・視力・聴力などが基準を満たしているかをはかる身体検査があるのが特徴といえるでしょう。

推薦採用試験

18歳以上21歳未満で、高等学校長、中等教育学校長または高等専門学校長の推薦が必要です。
試験内容は、学力試験、口述試験、身体検査です。

総合選抜採用試験

18歳以上21歳未満で、総合選抜試験の趣旨に合致している必要があります

(1)社会活動における指導的役割やスポーツ活動における高い活動実績等の実現・達成を通じて体得された、高い倫理観と豊かな人間性、強靱な体力、それらを公共善のために活かそうとする強い意志
(2)単なる記憶力ではない実践的な知恵や潜在的な知的能力
(3)将来のリーダーたり得る資質・適性

また、合格した場合には防衛大学校への入学を確約できることが求められます。
試験は1次と2次に分かれ、1次は学力試験、2次は適応能力試験、問題解決能力試験、基礎体力試験、口述試験、身体検査です。

一般採用試験

18歳以上21歳未満、現に自衛官である者は23歳未満の人が受験できます。
試験は1次と2次に分かれ、1次は学力試験、2次は口述試験、身体検査です。

防衛大学校の倍率・ 難易度はどれくらい?

防衛大学校、令和2年度採用試験の結果では、一般採用試験の倍率は9.2倍という結果でした。
各試験形態、男女別の倍率の詳細は次の通りです。

一般採用試験

編集
専攻 男女別 倍率
人文・社会科学 男子
女子
16.3
29.2
20.2
理工学 男子
女子
5.9
10.3
6.6
合計 男子
女子
7.7
16.6
9.2
推薦採用試験

編集
専攻 倍率 倍率
人文・社会科学 男子
女子
3.9
8.8
4.7
理工学 男子
女子
2.2
2.5
2.2
合計 男子
女子
2.5
3.7
2.7
総合選抜採用試験

編集
専攻 倍率 倍率
人文・社会科学 男子
女子
7.4
13.0
8.1
理工学 男子
女子
3.5
4.7
3.6
合計 男子
女子
4.4
8.0
4.7

参考: 防衛大学校過去採用試験結果(本科第69期採用試験合格状況)

男子に比べて女子の倍率が高くなっていますが、これは女子の募集人数が少ないことに起因していると考えられるでしょう。

まとめ この記事のおさらい

  • 防衛大学校は、自衛隊のリーダーとなる陸・海・空の幹部自衛官を育てる日本で唯一の大学教育機関です。
  • 防衛大学校の学部は「人文・社会科学専攻」「理工学専攻」に分かれ、人文・社会科学専攻は3つ、理工学専攻は11の専門学科があります。
  • 防衛大学校の学生は特別職の国家公務員で、在学中は給料とボーナスが支給されます。
  • 防衛大学校の学生は全員が学生舎での団体生活を行います。土日祝には外出、外泊(2学年以降・回数制限あり)が認められます。
  • 防衛大学校の入試は「推薦」「総合選抜」「一般」に分かれ、推薦入試は学校長の推薦が、総合選抜入試は総合選抜試験の趣旨に合致する活動実績が必要です。
  • 防衛大学校の令和2年度一般入試の倍率は9.2倍でした。募集人数の関係で女子の倍率がが高くなる傾向があります。