平均月収とは|手取りとの違い・定義についてと日本の年代・業種別平均月収

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社会人として過ごしていると、給料にまつわる単語が非常に多いことが分かります。月給や月収、手取りや額面等、それぞれ異なる意味がある為、混同してしまう人も見受けられます。

そこで今回は、平均月収を中心にお給料に関する言葉の定義等を確認していきます。

平均月収とは 定義について

まず月収の定義については諸説ありますが、年収を12で割り1ヶ月分に換算したものだと解釈されることが多いです。

また、年収は1年間で得られた総収入のことです。
年収は、後述する税金や社会保険料を引かれる前の金額をさしています。

例えば年収360万円の人の月収は、360万円を12で割った30万円です。このように、月収を算出する際はまず年収がいくらあるかを確認します。

そして平均月収は、ある区分内における月収の総和をその人数で割ったものです。
分かりやすくする為に、以下の具体例を見てみましょう。

A株式会社の従業員は全部で10人です。そして、この10人の月収を全て足し合わせると4000万円でした。

4000万円を10で割ると400万円なので、A株式会社の平均月収は400万円です。つまり、「A株式会社」という区分内における平均月収は400万円です。

月収と月給の違い

月収は「年収÷12」で計算できますが、月給は1ヶ月単位で算出します。

月給の計算方法はその月の「基本給+諸手当」です。

基本給は月給のベースになるもので、昇給等がなければ毎月一律です。また会社によってはボーナスのベースになる場合もあります。

それに対して諸手当は、基本給以外の諸費用として支払われる賃金のことです。手当には金額が固定されているものと、変動するものとがあります。

固定されているものは役職に応じた「役職手当」や定期代相当の「通勤手当」、特定の資格保持者に支給される「資格手当」等があります。

変動するものは毎月の残業時間によって計算される「残業手当」や深夜(22時〜翌朝5時)の労働に対して支給される「深夜手当」等が挙げられます。

月収と月給の違いを確認する為、以下の具体例で確認してみましょう。

Aさんの年収を360万円だとします。月収はそれを12で割るので30万円です。

続いてAさんの基本給を20万円、通勤手当は1万円だとします。そして今月の残業手当が2万円だとすると、Aさんの今月の月給は「20万円+(1万円+2万円)=23万円」です。

月給は変動する手当や、賞与(ボーナスともいいます)の関係で月収とは異なってくることが分かります。

源泉徴収とはなにか

「源泉徴収」とは「給与等の支払者が、それらを支払う際に所得税等の税金等を差し引いて国等に納付する制度」のことです。

源泉徴収は、従業員に給与を支払う会社や事業所であれば、必ず行わなければなりません。
また源泉徴収された税金は「源泉徴収税」といいます。

この源泉徴収があることで、従業員は確定申告をしなくても毎月の所得税を納めることができるのです。

源泉徴収の金額は扶養する家族の人数等によって変わってきますので、その年の明細が書かれた「源泉徴収票」で確認しましょう。ちなみに通勤手当は源泉徴収の対象外です。

手取りとはなにか

「手取り」とは、「その月の月給(手取りと対比して「額面」ということもあります)から、社会保険料や税金等を差し引いて実際に支払われる金額」のことです。

先程の源泉徴収があるので、手取りは月給よりも少なくなります。
なお社会保険料とは、一般的に「健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険」の4つをさしています。

例えばAさんの月給を30万円、社会保険料や税金等の総額を5万円とすると、Aさんの手取りは25万円です。
この為、月給が多くても引かれる金額も多ければ実際に入ってくる金額は少なくなるといえます。

サラリーマンの平均月収

「サラリーマン」という区分内での平均月収はどれくらいか確認してみましょう。

国税庁が発表した「平成27年分 民間給与実態統計調査」によると、サラリーマン全体の平均月収(推計)は約35万円です。
リーマンショックの影響で落ち込んだ年もありましたが、ここ10年間では大きな変化が見られません。

また昨今では人手不足が叫ばれて久しいことから給料を上げている会社も増えており、今後は平均月収も連動して上がっていくといわれています。

参考:平成27年分民間給与実態統計調査結果について

平均月収が高い業種と低い業種

続いて平均月収が高い業種と低い業種をそれぞれ確認してみましょう。

平均月収が高い業種は「電気・ガス・水道」等で、平均月収は59万円でトップです。生活に欠かせないライフラインを担っていることもあり、給料も高めに設定されています。

2位は「金融・保険」の約53万円、3位は「情報通信」の約48万円と続きます。

一方で平均月収が最も低い業種は「飲食・宿泊サービス」で、その平均月収は19.6万円です。トップの「電気・ガス・水道」等とは3倍近く開きがあり、収入面では非常に厳しいことが数字から見て取れます。

次いで「農林水産・鉱業」の約25.5万円、「サービス」の約28.7万円と続いていきます。

男女別の平均月収

サラリーマン全体の平均月収は約35万円ですが、男女では大きな差があります。

男性の平均月収は約43万円なのに対し、女性は約23万円です。
性別にっよって平均収入に大きな差が生まれる理由は、大きく3つあるといわれています。

・一般職の割合が高い
男性は年齢に応じて昇給していく総合職の割合が高いのに対し、女性は転勤がないものの給料が上がらない一般職の割合が高いです。

・結婚や出産を機に退職する
新卒での入社当時は、男女間での給与差はほとんどありません。それが20代後半にかけて少しずつ開いていき、30代になると10万円以上差が出てきます。

これは、20代後半から30代前半にかけて女性が結婚や出産を経て退職・あるいは時短勤務へ切り替える等するのが一因です。

・事務職や非正規の割合が高い
事務職は女性にとても人気の職種です。また非正規は時間の融通がききやすく、趣味や家事・子育て等に時間を使いたい場合うってつけの雇用形態といえます。

一般的に事務職や非正規は給与面で恵まれているとは言い難く、それが男女間の給与格差に影響していると考えられています。

年代別の平均月収

20代以降の年代別の平均月収は、国税庁の民間給与実態統計調査によると以下の通りです。

・20代:約25.4万円
・30代:約34.8万円
・40代:約39.7万円
・50代:約49.9万円

参考:民間給与実態統計調査 業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額をもとに算出

年齢が上がることに給料も上がっていく「年功序列制」の影響や、扶養家族がいる場合の手当等もあり、年齢が上がると給料も上がっています。

ただ最近では年功序列制を排し、成果によって給料が変動する成果主義を採用している会社も増えています。また今後の景気動向次第では、年代による平均月収差も変動していくかもしれません。

 

まとめ この記事のおさらい

・月収とは「年収を12で割り1ヶ月分に換算したもの」で、月給は「その月の基本給と諸手当を足したもの」

・平均月収とは「ある区分内における月収の総和をその人数で割ったもの」

・サラリーマンの平均月収は約35万円

・男女や年代によって月収には大きな差がある