合従連衡|読み方や意味、ビジネス上での使い方などを解説

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この記事では、「合従連衡」の意味や使い方、類語、対義語、英語表現について解説します。

最近経済紙などで「合従連衡」という言葉をよく目にします。政治や経済が複雑多様化する現在において、ビジネス戦略として使われることが多くなっている表現ですが、その正確な意味を理解している人は少ないかもしれません。

現在のビジネスにおいて「合従連衡」は重要な言葉です。この記事を通して、「合従連衡」の正しい意味と使い方を理解して、ご自身のスキルアップにつなげてください。

「合従連衡」の読み方・意味・使い方


「合従連衡」は、「その時の状況や利害に応じて、国や組織、企業が結びついたり離れたりすること」の意味で、「がっしょうれんこう」と読みます。また、そのような駆け引きや外交戦略の意味としても使われます。

グローバル化や急激な技術革新、流通形態の変化など、企業を取り囲む環境は大きく変わっています。その中で生き残るためには、時代に対応した戦略が不可欠です。今や「合従連衡」は企業にとって重要な課題になっています。

例えば、業界内でのM&Aも「合従連衡」の一例です。トップ企業に対抗するために中小同士が合併したり、トップの位置を維持するために中小と提携したりする動きが頻繁におきています。

米国では、娯楽・映画大手のウォルト・ディズニー社が米国3大ネットワークの1つABCを約1兆7,000億円もの巨額投資で買収し、放送や配給までトータルにできる巨大企業になっています。

また、「合従連衡」は異業種間でもおこなわれています。

自動車メーカーや建設機械メーカーが通信技術会社と「合従連衡」することで、自動運転技術をより確実なものにして、研究開発を推進しています。また、ヘルスケア企業が通信ネットワーク企業と提携してオンライン診断サービスを開始しました。

このような異業種間の「合従連衡」は、今後ますます増えることが予想されます。

また、外交においては、今はまさに「合従連衡」をどのように展開するかが重要な鍵になっています。一帯一路構想で勢力を広げている中国に対して、米国や日本、ASEAN加盟国の政策が注目されています。

「合従連衡」の使い方としては、以下のような表現があります。

例文
・中国と経済的に連携しながら、軍事戦略的には米国と協力していくのが、日本の現実的な合従連衡でしょう。

「合従連衡」の由来

「合従連衡」は、中国の戦国時代の同盟政策に由来しています。当時の中国には、強大な勢力の「秦」と「韓・魏・趙・斉・燕・楚」の6か国がありました。6か国は、秦の侵入に対して戦々恐々の日々を過ごしていました。

そんな中、戦国時代の政治家である蘇秦は、南北で連なる6か国で同盟する「合従」という外交政策を考え、6か国の王たちに説きました。その結果、この「合従」により6か国は同盟を結びました。

しかし、同盟政策を恐れた秦は、魏の張儀を各国に送りました。張儀は、各国がそれぞれ東西に単独で秦と同盟する「連衡」を提唱したのです。同盟国内で利害が異なっていたこともあり、「合従」は切り崩され、蘇秦は亡命の後に暗殺されました。

この「連衡」により、秦は中国の統一を果たすことができたのです。以来、「合従連衡」は、歴史のさまざまなシーンで外交政策として繰り返されてきました。

「合従連衡」のビジネス上での使い方


「合従連衡」は企業にとっても重要な課題で、将来を左右すると言っても過言ではありません。「合従」策を取るのか「連衡」策を取るのか、舵のとり方次第で会社の命運が決まると言えます。

「合従連衡」のビジネス上での使い方には、以下のような例文があります。

例文
・わが社のような中規模企業にとって、どのような合従連衡策をとるかが重要な課題になります。
・合従連衡と言っても、ある意味真逆な対応策ですから、より慎重な判断が必要です。
・合従連衡するのは、経済活動において自然な動きであると断言できます。

「合従連衡」の類義語と例文

建築士
「合従連衡」の類語としては、「集合離散」「提携」「同盟」「団結」「連立」「アライアンス」などがあります。

集合離散(しゅうごうりさん)
離れ離れになったり集まったりすること。共同したり反目したりすること。

例文
・最近の政党は集合離散を繰り返して、党名がコロコロ変わるので覚えにくくて困ります。

提携(ていけい)
互いに助け合うこと。共同して物事をおこなうこと。

例文
・あの会社と提携すれば、ウェブマーケティングにおいて大きな利益が見込めます。

同盟(どうめい)
国や組織、個人などが同じ目的のために協力を約束すること。

例文
・今回のストライキは労働者同士が率先して同盟を結び決行されました。

団結(だんけつ)
多くの人々が同じ目的のために一つにまとまること。

例文
・大手企業の暴走を防ぐためには、中小企業が団結して対抗する必要があります。

連立(れんりつ)
二つ以上のものが並び立つこと。

例文
・腐敗した政権を打倒するためには、しっかりとした野党同士の連立が重要です。

アライアンス
利益を生み出すために企業同士が協力し合うこと。

例文
・今回のアライアンスが実現すれば、わが社の利益は飛躍的に伸びることが期待されます。

「合従連衡」の対義語と例文

枕詞
「合従連衡」の対義語は特にありませんが、「合従連衡」が他の国や組織などを意識した表現であることから、相手に関係なく行動するという意味で「独立独歩」「我が道を行く」「アウトサイダー」などが考えられます。

独立独歩(どくりつどっぽ)
他人に頼らずに、自分の信じたとおりに行動すること。

例文
・消費者のニーズが目まぐるしく変化する時代だからこそ、独立独歩の姿勢が重要です。

我が道を行く(わがみちをいく)
他人の行動や周囲の雰囲気に影響されないさま

例文
・周囲ばかりを気にせずに、ひとりでも我が道を行くという気概が欲しいものです。

アウトサイダー
集団や組織の外部の人。社会常識にはまらない独自の思想の持ち主。

例文
・業界のアウトサイダーとして存在し続けることも会社を存続させる秘訣です。

「合従連衡」の英語表現


「合従連衡」の英語表現としては、「consolidation」や「alliances」があります。

・A large wave of consolidation in the wind power industry is therefore likely.
近い将来、風力電気業界に合従連衡の波が訪れるでしょう。
・As a result, semiconductor manufacturers are pursuing realignments and alliances in an effort to ensure ongoing viability.
そのような動きの中で、半導体各社は、生き残りをかけた「合従連衡」をおこなっています。

まとめ この記事のおさらい

・「合従連衡(がっしょうれんこう)」は、「その時の状況や利害に応じて、国や組織、企業が結びついたり離れたりすること」の意味。
・「合従連衡」は、中国の戦国時代の同盟政策に由来しています。
・「合従連衡」の類語は、「集合離散」「提携」「同盟」「団結」「連立」「アライアンス」など。
・「合従連衡」の対義語は、「独立独歩」「我が道を行く」「アウトサイダー」などが考えられます。
・「合従連衡」の英語表現としては、「consolidation」や「alliances」があります。