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この記事では、「瓢箪から駒」の意味や使い方、類語、対義語、英語表現について解説します。
「瓢箪から駒」という表現はよく使われますが、「駒」を将棋の駒と思われている人も多いのではないでしょうか?
ビジネスシーンにおいても「瓢箪から駒」は使う言葉です。この記事を通して、「瓢箪から駒」の正しい意味と使い方を理解して、ご自身のスキルアップにつなげてください。
「瓢箪から駒」の読み方・意味・使い方
「瓢箪から駒」は、「意外な所から意外の物が出ることのたとえ」の意味で、「ひょうたんからこま」と読みます。また、「瓢箪から駒が出る」という表現で使われる場合もあります。「瓢箪から駒」の「駒」は、将棋の「駒」ではありません。
「瓢箪」は、年配の方ならすぐにわかりますが、若い人には、具体的なものをイメージしづらいかもしれません。瓢箪はウリ科の植物で、果実は中間がくびれて上下がふくらんだ形をしています。その果実の中身を取り除いて器にしたものも「瓢箪」と呼びます。
瓢箪は、お酒や水を入れる器として利用されて、腰に結んで持ち運べるぐらいの大きさです。また、「駒」は「馬」の意味です。つまり、小さな瓢箪から大きな馬がでるというのが「瓢箪から駒」で、転じて「意外な所から意外のものが出る」というたとえになりました。
一般的な会話では、以下のように使われます。
・瓢箪から駒ということもあるから、東大を受験してみたらどうですか?
さらに、「瓢箪から駒」は、「冗談半分のことが事実になる」という意味でも使われます。
「瓢箪から駒」の由来
「瓢箪から駒」の由来は、中国の明代に4つの神魔小説を集成した「四遊記」にあります。「四遊記」は、「西遊記」、「東遊記」、「南遊記」、「北遊記」で構成され、「西遊記」は孫悟空で有名なお話ですね。
この「四遊記」の「東遊記」に登場する「張果」という仙人の逸話から、「瓢箪から駒」という言葉が生まれました。張果は、八仙人のひとりで、白い驢馬(ろば)に乗って1日に数万里を移動したと言われています。
張果は休憩するときに、腰につけていた瓢箪の中に白い驢馬を収め、出発する時は、瓢箪の水をこぼして白い驢馬を出現させたと語られています。このことから、「意外な所から意外の物が出る」という意味の「瓢箪から駒」という言葉が誕生したと言われています。
「瓢箪から駒」の由来は、この張果の伝説以外に、もうひとつあります。
鎌倉時代の説話集「宇治拾遺物語」の中に収録されている「腰折れ雀(こしおれすずめ)」に由来しているという説です。
心やさしいおばあさんが、腰が折れた雀を看病して助けてあげると、数日後雀は瓢箪のタネをお礼に持ってきます。そして、瓢箪が成長すると、その中からお米がたくさん出てきたのです。そのお陰で、おばあさんはお金持ちになったという逸話です。
この瓢箪からお米が出てきたことから、「瓢箪から駒」の語源が生まれたという解釈も存在しています。
ちなみに、この「腰折れ雀」では、隣に住む欲深いおばあさんが心やさしいおばあさんの話を聞いて、無理やり雀の腰を折って看病する話が続きます。雀が持ってきた瓢箪のタネを育てると、瓢箪の中から毒ヘビやムカデやハチなどが出てきたという怖い結末です。
「瓢箪から米」でなく、「瓢箪から駒」になった理由は、「馬」が瓢箪から出てくるよりも「米」が出る方がより意外性の大きいものになると考えたようです。
「瓢箪から駒」のビジネス上での使い方
「瓢箪から駒」はビジネス文書ではあまり使用しませんが、会話の中では以下のように使われる表現です。
・瓢箪から駒でもでない限り、彼の昇進はないね。
・ついでに作った商品が、こんなに売れるとは瓢箪から駒としか言いようがありません。
「瓢箪から駒」の類義語と例文
「瓢箪から駒」の類語としては、「嘘から出た実」「灰吹きから蛇が出る」「根も無い嘘から芽が生える」「冗談から駒」「偶然の産物」などがあります。
ウソのつもりで言ったことが、本当になってしまうこと。
例文
・適当に考えた企画書が決まるなんて、まさに嘘から出た実です。
ありえないことがおこること。ささいなことが大事になること。
例文
・余命3か月の宣言を受けていた祖父が、まさに灰吹きから蛇が出るで、3年経った今でも元気です。
はじめは嘘だったことが、だんだん本当になること。
例文
・傑作だと冗談で言った絵に、こんな高値がつくなんて、根も無い嘘から芽が生えることがあるのですね。
冗談でいったつもりが、ほんとうになること。「瓢箪から駒」のもじり。
例文
・あいつが人気芸人になるなんて、まさに冗談から駒です。
意図しないで偶然にうまれること。
例文
・ヒット商品の中には、偶然の産物であるものが少なくありません。
「瓢箪から駒」の対義語と例文
「瓢箪から駒」の対義語としては、「捕らぬ狸の皮算用」があります。
手に入るかもわからないものを期待して、あれこれ計画を考えること。
例文
来年の大河ドラマのロケ地に決まったから店を改装するなんて、捕らぬ狸の皮算用ですよ。
「瓢箪から駒」の英語表現
「瓢箪から駒」の英語表現としては、「Mows may come to earnest」があります。「mow」とは「草を刈る」という意味で、以下のようなジョークから生まれたようです。
貧乏で草を食べようとした男を見たお金持ちが、「うちで食べさせてあげると」家へ案内しました。男は喜んでついていきましたが、お金持ちは、自分の家の庭を指して、「ここなら遠慮なく食べていい」と言ったのです。
このことから、「冗談で言ってことが本当になる」という意味の慣用句になりました。
但し、「Mows may come to earnest」は、あまり一般的には使用しません。よく使う英語表現としては、「予想外のことがおきる」という意味の「Unexpected things happen」があります。
そんなことを言っていると、「瓢箪から駒」になりますよ。
・Apparently, something unexpected has happened to the company.
どうやら会社に予想外のことがおきたようです。
まとめ この記事のおさらい
・「瓢箪から駒」は、「意外な所から意外の物が出ることのたとえ」の意味。
・「瓢箪から駒」の由来は、中国の明代の「東遊記」と鎌倉時代の説話集「宇治拾遺物語」の2つの説があります。
・「瓢箪から駒」の類語は、「嘘から出た実」「灰吹きから蛇が出る」「根も無い嘘から芽が生える」「冗談から駒」「偶然の産物」など。
・「瓢箪から駒」の対義語としては、「捕らぬ狸の皮算用」があります。
・「瓢箪から駒」の英語表現としては、「Mows may come to earnest」や「Unexpected things happen」があります。