千載一遇の正しい意味とは?|読み方や使い方、類語や英語表現も解説

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この記事では、「千載一遇」の意味や使い方、類語、英語表現について考察します。

「千載一遇のチャンス」と言われたら、どう思いますか?なんとなく「最高のチャンス」の意味だと理解しているかもしれません。でも、その意味を正しく言えるでしょうか?

「千載一遇」はビジネスでも日常でも使う表現です。この記事を通して、「千載一遇」の正しい意味や使い方をマスターし、社会人としてのスキルアップにつなげてください。

「千載一遇」の読み方・意味・使い方

渾身
「千載一遇」は、「滅多に出会えないようなすばらしい状態」の意味で「せんざいいちぐう」と読みます。「せんさいいちぐう」は誤りですので、注意しましょう。

「千載一遇」の言葉の由来

「千載一遇」は、中国の東晋(317年から420年)の袁宏(えんこう)による「三国名臣序賛」が由来と言われています。これは「三国志」に登場する名臣について述べたもので、魏(ぎ)の荀文若(じゅんぶんじゃく)讃えた文面に「千載一遇」が登場します。

この中で、名君や名臣との出会いは非常に難しいことをたとえ、「千載の一遇は賢智の嘉会なり」と述べています。「千載」の「載」は「歳」と同様で「1年」の意味です。つまり「千載」は、「千年」になります。そして、「一遇」の「遇」は「出会い」です。つまり、「千載一遇」は、「千年に一度の出会い」という意味になります。

ちなみに「いちぐう」だけを変換すると「一隅」となる場合があり、「千載一隅」と誤記することがあります。「偶然」と解釈すれば、「千年に一度の偶然」という、なんとなく意味が通じるように思えますね。

しかし、「ぐう」は「遭遇(そうぐう)」の「遇」で「出会い」の意味です。正しい意味を理解して、誤記がないようにしましょう。

「千載一遇」は悪い意味では使わない

「千載一遇」は、「千年に一度に出会うこと」ことですが、あくまでも「良い出会い」の意味です。悪い意味としては使わないので、以下のような使い方は誤用になります。

・こんな千載一遇の大事故に巻き込まれるなんて、つくづく運のない男ですね。
・この町はかつて千載一遇の災害に見舞われ、まるで戦後の焼け野原のような状態でした。

「千載一遇」は、めったにない「良い出会い」の意味ですから、このように「事故」「災害」などの悪い状況に使うのは誤りです。

「千載一遇の出会い」は誤用?

「千載一遇」の「一遇」は、由来にもあるように「出会い」の意味があります。ですから、「千載一遇の出会い」は、厳密に解釈すれば、誤用になるかもしれません。しかし、現在における「千載一遇」の解釈は、「滅多に出会えないようなすばらしい状態」です。

「出会い」を形容する表現として、「千載一遇の出会い」は誤用とは断言できないのが現実です。

・こんな千載一遇の出会いはないから、彼を手放してはダメですよ。

このような文を読んでも、違和感がある人はまずいないでしょう。つまり、「千載一遇」は、「滅多にないこと」という広範囲な意味で使われることが一般的になっています。

・プロ歌手を目指す彼女にとって、今回のオーディションは千載一遇の機会と言えます。
・こんな千載一遇の好機を見逃すなんて、お金に興味はないと言ってもあんまりです。

言葉の由来を厳密に解釈すれば、「一遇」は、「機会」や「チャンス」と同じととらえることも可能です。しかし、前述したように「千載一遇」は「千載一遇の○○」というように形容詞的に使われるのが一般的で、昔の小説などでも以下のように使われています。

・「相沢様が御墨付を受取りに行った時、千載一遇の思いだったろう。
銭形平次捕物控 / 野村胡堂(著)
・ここの千載一遇の大事と思えば、新九郎の五体はおのずからブルッとえてやまぬ。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)

「千載一遇」のビジネス上での使い方

リフレクション
「千載一遇」は、ビジネスでもよく使われる表現です。しっかり意味を理解して正しく使うことが大切です。

ビジネスで使う場合に多いのが、「千載一遇のチャンス」です。「ビジネスチャンス」は、ビジネスを成功へ導く重要な要素。「千載一遇のチャンス」を逃すことは、まさに会社の命運を左右することにつながりますね。

・今回の受注は、まさに千載一遇のチャンスですから、全社一丸となって頑張りましょう。
・地道な努力があってこそ、千載一遇のチャンスに恵まれるものです。

また、「千載一遇の機会」や「千載一遇のこと」などの表現も見られます。

・プロジェクトのリーダーに任命されたことは、彼にとってまさに千載一遇の機会でした。
・こんな千載一遇のことがおこるとは、今でも信じられません。

「千載一遇」の類義語と例文

MBA
「千載一遇」の類語には、「空前絶後」「一世一代」「またとない」があります。

空前絶後(くうぜんぜつご)
これまでに例がなく、これからもおこりそうもないこと。ごくまれなこと。

例文
・今回の新商品は、まさに空前絶後の伸びを示しています。

一世一代(いっせいいちだい)
一生でたった一回のこと。

例文
・東京タワーの建設は、彼にとってまさに一世一代の大仕事でした。

またとない
二度と同じことはおこらないこと。

例文
・事故で降板した主役の代役に選ばれるなんて、またとないチャンスです。

「一期一会」との違いは

「千載一遇」に似た四字熟語に「一期一会」がありますが、類語にはなるのでしょうか?

「一期一会(いちごいちえ)」は、「生涯に一度だけの出会いこと」の意味です。その語源は「どの茶会でも生涯に一度しかない出会いであると心得て、主客ともに誠意をつくすべき」という茶会の心得に由来しています。つまり、「一期一会」は、「生涯に一度の出会いを大切にする」という意味合いがあります。

「千載一遇」には、このような大切にするという意味合いはありません。あくまでも、一生に一度の「チャンス」です。逆に「一期一会」には、「チャンス」というニュアンスがなく、「一期一会のチャンス」という表現はしません。「千載一遇」の類語としてはNGです。

このような観点から、「一期一会」は、「千載一遇」の類語には入らないと判断できます。

「千載一遇」の英語表現

転職 確定申告
「千載一遇」の英語表現には、「a golden opportunity」「the chance of a lifetime」「one in a million chance」などがあります。

・Now you have a rare golden opportunity to show your skill.
 君の技量を示す千載一遇のチャンスです。
・He missed the chance of a lifetime.
 彼は千載一遇のチャンスを逃してしまいました。
・At last, a chance in a million arrived.
 ついに、千載一遇のチャンスが訪れました。

まとめ この記事のおさらい

・「千載一遇(せんざいいちぐう)」は、「滅多に出会えないようなすばらしい状態」の意味。
・由来は、中国の袁宏による「三国名臣序賛」の中の「千載の一遇は賢智の嘉会なり」。
・「千載一遇の出会い」は厳密な解釈では誤用ですが、一般的に使われているので誤用とは断言できません。
・「千載一遇」は、「良い出会い」の意味で、悪い状況には使いません。
・「千載一遇」の類語は、「空前絶後」「一世一代」「またとない」。
・「一期一会」は、「出会いを大切にする」意味があるので、類語としてはNG.
・「千載一遇」の英語表現は、「a golden opportunity」「the chance of a lifetime」「one in a million chance」など。