「図る」の意味とは?|「計る」「量る」「測る」との違いも解説

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この記事では「図る」の読み方や意味について解説いたします。

「測る」や「計る」のような同音異義語があることから、その使い分けが難しい言葉だといえるかもしれません。

そこで今回は「図る」の意味や使い方、「測る」や「計る」との違いや使い分け、ビジネス上での使い方や類義語なども含めて取り上げました。

それでは一つずつ確認していきましょう。

「図る」の読み方・意味・使い方

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「図る」は「はかる」と読み、「物事をしっかりと考えること」や「企てること」といった意味です。

何かをする前にじっくりと考えること、あるいはある物事を達成する為に計画することを表します。

「図」は「計画」や「はかりごと」を意味し、その意味で使われる「図」を用いた言葉としては「企図」や「意図」などが該当するでしょう。

その他には物事の何かを変えたいという場合や何かを成し遂げたい場合にも「図る」を使います。

実際の使い方については、以下の例文を交えて確認していきましょう。

問題解決を図る為、第三者を交えることにした。

誰かと言い争いなどをすると自分の主張ばかりになり、なかなか冷静な判断ができなくなるものです。

そんな際には、当事者の立場とは関係がない第三者に客観的な判断を仰ぐという手段があります。

どちらかに味方することなく、端から見てどちらの言い分に分があるのかを判断してもらうことができるというわけです。

この例では、当事者同士では問題解決が難しい為第三者を交えることにしたということでしょう。

今月は出費が多いので、家計の見直しを図る必要がある。

特定の月に出費が重なるのは珍しいことではありませんが、そのままにしておくとその月は赤字になってしまいます。

今回の例だと、そうならないように家計の見直しを企てる必要があるということです。

「図る」の語源

「図る」の語源にはいくつか説がありますが、その内の一つは仕事の進み具合や目当てを意味する「はか」に「る」がついて動詞になったというものです。

また「はりかぎる(張・限)」を語源とする説もあります。

これは親指と人差し指を張り広げる動作を何回も繰り返して、長さなどを限っていくという意味に由来するというものです。

なおこれは「図る」に限らず、後述する他の「はかる」にも共通する語源だとされています。

「図る」「計る」「量る」「測る」の違いと使い分け


「図る」の同音異義語には「計る」「量る」「測る」などが挙げられますが、その違いや使い分けがよく分からないという人も少なからず見受けられます。

そこでこの項目では、それぞれの「はかる」の意味と例文をまとめました。

「計る」の意味と例文

「計る」は「ものの量を数えてはかること」や「量の出入りをはかること」、あるいは「物事のよしあしを考えること」という意味です。

時間や数をはかったりアイディアを考えたりする場合には「計る」が用いられます。

「計る」を使った例文としては、以下のようなものが考えられるでしょう。

今日の体育では、体育係がタイムを計ることになっている。

100m走などでは誰かがストップウォッチは使ってタイムを記録する必要があります。

この例では、体育係がタイムを計測することになっているということです。

「量る」の意味と例文

「量る」は道具を使ってものの量や容積を調べる際に使います。

例えば、はかりや升を使って重量や容積をはかる時に用いられるのが「量る」です。

また「量る」を使うと、下記のような例文を作ることができます。

体重を量るのはいつも気が引ける。

体重を量ると正確な体重が数字として表れるので、体重計に乗りたくないという人は少なからずいるものです。

今回の例だと、上記のような事情もあり体重を調べるのは気が引けるということでしょう。

「測る」の意味と例文

「測る」はものさしやはかりを使って長さや深さ、高さや広さなどを調べる時に使います。

また「測る」を使った例文では、次のようなものが挙げられるでしょう。

家具を買い換えるにあたって、事前に高さや奥行きを測ることは不可欠だ。

気に入った家具を見つけたとしても、高さや奥行きが合わなければ設置することができません。

この例では、そのようなことがないよう買い換える前に家具の高さや奥行きを調べておくことが必要だということです。

「図る」のビジネス上での使い方

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「図る」はビジネス上でも使われることがある言葉です。

その使い方としては、例えば以下のようなものが考えられます。

A社に便宜を図る見返りとして、仕入れ価格を安くしてもらうことができた。

「便宜を図る」とは、「その人にとって利益になるような特別な計らいを行う」という意味です。

ここではA社の商品を優先的に購入することを条件に、仕入れ価格を安くしてもらえたということが読み取れます。

どんな仕事であっても、生産性の向上を図るのは望ましいことだ。

同じ仕事量をより少ない時間や労力で終わらせることができるようになれば、それは生産性が向上しているといえます。

この例では、仕事内容によらず生産性を上げようと企てるのは望ましいことだということです。

「図る」の例文集


「図る」の使い方を理解する上で、具体的な例があった方が分かりやすいでしょう。「図る」は例えば、次のように使います。

  • 息子の将来を図ると、本人のやりたいことを叶えてあげるのが最良だと思う。
  • 脱走を図ることがないよう、囚人の監視を徹底している。
  • 会社の将来を図る上で、株主の意見は重要だ。
  • 志望校合格を図るべく、早くから受験勉強に取り掛かっている。
  • 会社の将来を図る中で、様々な意見が社内から噴出した。

「図る」の類義語と例文

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「図る」の類義語は、下記のようなものが該当します。

  • 企てる
  • 謀る

またそれらを使った例文としては、次のようなものが考えられるでしょう。

経営者は先を見据えて経営戦略を企てることが求められる。

「企てる」は「くわだてる」と読み、「こういう事をしようと思いつき、計画を立てる」という意味です。

経営者は目先のことだけを考えていると、そう遠くない内に会社が立ち行かなくなる可能性があります。

そうした自体を未然に防ぐ為、経営者は先を見据えて経営戦略の計画を立てる必要があるということです。

悪事を謀ることはあっても、それを行動に写してはならない。

「謀る」の読み方は「はかる」で、意味は「よからぬ考えを巡らせる」や「相談してよからぬたくらみを企てる」です。

悪いことを考えてしまうことがあっても、犯罪になってしまうので実際に行ってはいけません。

「図る」の英語表現


「図る」を英語で表現すると、「plan」「project」などが適当でしょう。

また上記の英語表現を使うと、次のような例文を作ることができます。

He usually plans how to reduce his tasks.(彼は普段、タスクをいかに減らすか図っている。)

「plan」は「計画する」や「企てる」などの意味があり、上記のように動詞としてだけでなく名詞で使うことも可能です。

She projected to increase her salary.(彼女は給料を上げようと企んだ。)

がむしゃらに頑張るだけでは、給料を上げることはできません。

今回の例では、どうやったら給料を上げることができるか考えたということでしょう。

まとめ この記事のおさらい

  • 「図る」は「はかる」と読み、「物事をしっかりと考えること」や「企てること」といった意味がある
  • 「計る」は「ものの量を数えてはかること」や「量の出入りをはかること」、あるいは「物事のよしあしを考えること」ということを意味する
  • 「量る」は道具を使ってものの量や容積を調べる際に使う
  • 「測る」はものさしやはかりを使って長さや深さ、高さや広さなどを調べる時に使う
  • 「図る」の類義語は「企てる」や「謀る」が挙げられる
  • 「図る」の英語表現は「plan」や「project」などが適当