エゴとは|意味やビジネスでの使い方、関連用語や例文などを解説

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この記事では、「エゴ」の意味や使い方、類語、対義語、英語表現について解説します。

「エゴ」という言葉を聞いて、どんなイメージを持ちますか?「わがまま」「自分勝手」というような意味で受け取る人も多いでしょう。

「エゴ」にはさまざまな意味があります。この記事を通して、「エゴ」の意味や使い方を理解して、ご自身の知識の幅を広げてください。

「エゴ」の意味と使い方

大使館
「エゴ」には、「自己・自我」「自分本位の考え方や態度(利己主義)」「利己主義な人」などの意味があります。

「エゴ」の語源

「エゴ」の語源は、ラテン語の「私が」を意味する「ego」です。「エゴ」という言葉が一般的に知られるようになったのは、哲学および精神分析の概念として使われてからです。

精神分析学の父であるフロイトは、人間の心は、「イド」「エゴ」「スーパーエゴ」の3つ部分にわかれていると言っています。

「イド」は、生まれたての赤ん坊のようにお腹がすいたら泣き、満腹になれば眠るという本能的な欲望のことです。

「エゴ」は、本能的な欲望をコントロールしながら欲望をみたすために現実的な行動をするあり方です。例えば、グツグツ煮立ったおでんを想像してください。美味しそうな具を食べたいとそのまま手でつかんだら大やけどをするでしょう。
「イド」のまま行動すればそうなりますが、「エゴ」はやけどをしないように道具を使って取る行動をします。

「スーパーエゴ」は、自己の欲望を越えた、いわば「良心」のようなものです。テーブルに料理が並ぶ前に、おでんを食べることはしません。

「エゴ」は、「イド」と「スーパーエゴ」の中間で、バランスよく行動する状態と言えるでしょう。

精神分析学では、エゴは以上のような意味で解釈されていますが、一般的には「エゴイズム(利己主義)」の略として使われています。

「エゴ」を使った関連用語


「エゴ」を使った関連用語には、以下のようなものがあります。

「エゴイスト」

「利己主義者」と訳されているのが、「エゴイスト」です。○○主義というと少し学術的なニュアンスがありますが、一般的には「わがままな人」のような軽い感覚でも使われています。

・君がエゴイストでないなら、世の中の人はみんな天使ですよ。
・エゴイストとして悪名が高い彼は、徹底的に嫌いな人間を排除していきました。

「エゴサーチ」

最近よく耳にするのが、「エゴサーチ」という言葉です。
「エゴサーチ」とは、自分の本名やハンドル名、グループ名や会社名などでサイトやツイッターなどのSNSで、評判をチェックする検索行為のことです。

例えば、芸能人などでは、自分が世間にどう評価されているかなどを知る方法としてよく使われています。また、芸能人だけでなく、自分のお店や会社の商品などの評判をリサーチするにも利用されています。

・評判など気にしない感じの大物芸人が、どうやら毎日エゴサーチしているそうです。
・消費者のニーズをとらえるためにも、エゴサ―チは必要な方法です。

「エゴグラム」

「エゴグラム」は、カナダ出身の精神科医エリック・バーン博士の「交流分析」という理論をベースにした性格分析手法のことです。

「エゴグラム」では、自我の状態を「CP(厳しい親)」「NP(優しい親)」「A(合理的な大人)」「FC(自由奔放なこども)」「AC(従順なこども)」の5つに分類します。

この5つの状態が、どうようなバランスで構成されているのかを分析します。どの要素が多いから良いとか悪いとかではなく、自分がどのような自我の状態にいるのかを知ることが大切なのです。
それぞれの要素にはメリットもデメリットもあります。つまり、今の自分の状態を把握して、長所を生かし短所をカバーするを考えのことです。

この「エゴグラム」は、企業の社員教育や就職試験、能力開発などにも効果的な性格分析手法として利用されています。

・エゴグラムを活用して、職場の人間関係を構築していくことが求められています。

「エゴ」のビジネス上での使い方

股肱の臣
ビジネス上においても「エゴ」という表現を使うこともあります。この場合も、多くは「利己主義」というニュアンスになります。

・消費者の立場になって考えると、今回の規制は業界のエゴとしか思えません。
・会社の利益だけを追求するのではなく、社会貢献などエゴを捨てたところに成功はあるものです。
・経営者や管理職の熱い思いが時としてエゴとなり、会社を危うくすることがあります。

「エゴ」の類義語と例文

事案
「エゴ」の類語には、「主観」「主我」「自我」「自己中心的」「利己的」「自分勝手」などがあります。

主観(しゅかん)
その人だけの見方や考え方。

例文
・部長の判断はいつも主観的で、公平性に欠けています。

主我(しゅが)
自分の利益だけを考えて、他を顧みないこと。

例文
・主我の強い彼女に、だれもが閉口していました。

自己中心的(じこちゅうしんてき)
何事も自分を中心に考え、他人については考えが及ばないさま。

例文
・そんな自己中心的な考えでは、チーム全体をまとめることはできませんよ。

利己的(りこてき)
自分の利益だけを追求するさま。

・顧客を獲得するためには、極力利己的な理由を排除することが必要です。

自分勝手(じぶんかって)
他人のことは考えずに、自分の都合だけを考えること。

例文
・その老人の自分勝手なふるまいに、近隣の住民は困っています。

「エゴ」の対義語と例文

冥利に尽きる
「エゴ」の対義語には、「他我」「彼我」「非我」「利他的」「他人思い」などがあります。

他我(たが)
自我に対して、他人の中にも同じくあると考えられる我。

例文
・「他我はこの私である」という考え方は、デカルトの「我思う故に我あり」の思想にも潜在していました。

彼我(ひが)
あちらとこちら。相手と自分。

例文
・彼我の利害関係を調整することが、業界で生き残る秘訣と思われます。

非我(ひが)
自我から区別された外界・環境・自然。

例文
・仏教では、「無我」「非我」という言葉が使われますが、どちらも無心な心の状態を表しています。

利他的(りたてき)
自己の損失をかえりみず、他者の利益を図ろうとするさま。

例文
・その老僧侶は、自分の利益を度外視して、常に利他的に生きてきました。

他人思い(たにんおもい)
他人の身の上や心情に心を配るさま。思いやりのある人。

例文
・人生で成功を遂げた人には、無邪気で他人思いの人が多いようです。

「エゴ」の英語表現


「エゴ」の英語表現は、単純に「ego」です。

・That’s your ego speaking!
 それは、君のエゴだよ。

また、自己中心的という意味の英語では、「ego trip」という表現もあります。

・He is on a huge ego trip since the band started getting popular.
 バンドが人気になって以来、彼はかなり自己中心的になっています。

さらに、「わがまま」や「利己的」という英語には、「selfish」があります。

・He is by no means selfish.
 彼は決して利己的な人間ではありません。

まとめ この記事のおさらい

・「エゴ」は、「自己・自我」「自分本位の考え方や態度(利己主義)」「利己主義な人」などの意味。
・「エゴ」を使った関連用語には、「エゴイスト」「エゴサーチ」「エゴグラム」があります。
・「エゴ」の類語は、「主観」「主我」「自我」「自己中心的」「利己的」「自分勝手」など。
・「エゴ」の対義語には、「他我」「彼我」「非我」「利他的」「他人思い」など。
・「エゴ」の英語表現は、「ego」で、「自己中心的」の「ego trip」や「利己的」の「selfish」があります。