ビジネスにおける敬語「お電話」は使い方 例文をまじえて解説

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電話対応の際、「お電話」という表現が敬語表現として正しいのか不安になったことがある人は多いのではないでしょうか。
この記事では、「お電話」という表現について、よく使われる敬語表現も併せて解説します。

お電話は敬語表現として正しいか

「お電話」は正しい敬語表現です。
敬語表現には5つの分類(尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ・丁寧語・美化語)があり、「お電話」は「美化語」に該当します。

美化語とは

美化語とは、ものごとを美化して述べる表現です。他の敬語表現と併せて使うことで、より品のある印象を与えることが出来ます。
美化語には、用語の頭に「お・ご」を付けたものと、用語そのものを言い換えたものがあります。

「お」を付けたもの

  • 電話→お電話
  • 酒→お酒
  • 店→お店

「ご」を付けたもの

  • 本→ご本
  • 挨拶→ご挨拶

用語を言い換えたもの

  • 腹→おなか
  • 水→おひや(おみず)

ただし、何でも「お・ご」を付ければ美化語になるわけではありません。
「おズボン」「おビール」などは時折耳にしますが、これは誤用です。外来語にこの表現は用いませんので注意してください。

お電話とともによく使われる敬語の解説と例文

「お電話」とともによく使われる敬語として、

「お(ご)電話…差し上げる」
「お(ご)電話…させていただく」
「お(ご)電話…いただく」

があります。
これらの使い方について詳しく解説します。

「お電話差し上げる」の解説と例文

「差し上げる」は「あげる、与える」の謙譲語で、謙譲語Ⅰに該当します。
自分から相手や第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べる表現です。

ただし、「こちらが立て込んでいるので、後ほどお電話差し上げます。」など、相手にとってメリットの無い場合は、自分本位で上から目線の表現に捉えられてしまうことがあります。
会議の日程について連絡を頼まれた時など、自分が電話をすることで相手にとってはメリットがある場合や、相手の予定を考慮する場合に用いるのが正解です。

例文
「会議の日程については、後ほどお電話差し上げます。」
「〇〇様はご不在とのことですので、明日改めてお電話差し上げます。」

関連 「ご連絡差し上げる」は正しい敬語?連絡の敬語表現の使い分け

「お電話させていただく」、「お電話いただく」の解説と例文

「させていただく」「いただく」と、一見よく似た表現ですが、それぞれの解説と例文をご紹介します。

・お電話させていただく

「させていただく」は、自分の行為に対して、次の条件を満たす時に用いるのが適切とされています。

ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い
イ)そのことで恩恵を 受けるという事実や気持ちのある場合に使われる
引用元: 文化庁「敬語の指針」

「お電話」と併せて用いる場合は、以下のような例があります。

例文
「〇時にお電話させていただきます。」
「詳細を確認し、こちらからお電話させていただきます。」

また、表現が冗長になってしまう時などは「お電話いたします。」に言い換えると良いでしょう。

・お電話いただく

「お(ご)…いただく」は謙譲語Ⅰに該当します。
「私はあなたに…(して)もらったことを(私の利益になることだと感じ)有り難く思う」という意味を持った敬語表現です。

「お電話」と併せて用いる場合は、以下のような例があります。

例文
「先日お電話いただいた件についてです。」
「何度もお電話いただきまして、恐縮です。」

また、似た表現としては、尊敬語で相手を立てる形の「お電話くださる」があります。
どちらも敬語表現としては正解ですが、「お電話いただく」よりも「お電話くださる」を使用するという企業もあるため、使い分けに注意しましょう。
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