以降とは|意味・使い方・範囲、起点は含むか否かや類語・対義語も解説

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この記事では、「以降」の意味や使い方、類語・対義語、英語表現について考察します。

「10日以降にお電話ください」と言われたら、10日に電話してもいいのか、それとも11日なのか迷い」ますね。

「以降」はビジネスでもよく使う表現です。この記事を読んで「以降」の意味を理解して正しく使ってください。

以降とは|意味・使い方・範囲

「以降(いこう)」とは、「それから後」の意味です。「以」は「台湾以南の熱帯地方」などのように範囲や方向の起点。「降」は、「おりる」「ふる」などの他に「その時から後」の意味があります。

以降の使い方は、大きく3つです。

  1. 「時間や日付」、「16時以降にお電話ください」「新装開店は9月以降になります」など。
  2. 「数字」、「2巻目以降が面白い」「勝負は3周目以降からです」など。
  3. 「出来事」について。「彼とは喧嘩して以降会っていません」「あの事件以降、彼女の所在はわかりません」などのように使います

「以降」は当日を含むか、含まないか

「以降」を使う場合に悩むのが、「以降」は当日を含むかどうかです。「以」は起点ですから、その日を含みます。「以」は、「○○を以て」のような使われ方をします。「10日を以て引退いたします」と言えば、10日からの意味になります。

また、「以降」は法令用語としても使われています。法令用語では、「以降」は「基準点を含めてそれより後」の意味になります。

○船員職業安定法
(船員派遣の期間)
第75条 船員派遣元事業主は、派遣先が当該船員派遣元事業主から船員派遣の役務の提供を受けたならば第81条第1項の規定に抵触することとなる場合には、当該抵触することとなる最初の日以降継続して船員派遣を行つてはならない。

「以降」と「以後」の違い

「以降」と同じような表現で「以後」がありますが、その違いはなんでしょうか?
「以後」には、以降と同じように「その時より後」の意味があります。

・5時以後は、表門は閉じられます。

また、「以後」には、「これから先」「今から」という意味があります。

・このような失敗がないよう、以後気を付けます。

「以後」は、「今からすぐ」という早い段階の意味で使われることが多いようです。

「以降」と「以来」の違い

もうひとつ「以降」と似た表現で「以来」があります。「以来」には「ある一定の時から今日まで」という意味があります。つまり、過去の出来事について使われ、「以降」のように未来の予定などに使われることはありません。

・7月10日以来、彼は会社に姿を見せていません。
・ソクラテス以来、さまざまな哲学者が誕生してきました。

「以降」は「過去・現在・未来」のこと全てが起点になりますが、「以来」は「過去」のことしか起点になりません。

「以降」のビジネス上での使い方

「以降」は、ビジネス上でもよく使われますので、その例を「時間や日付」「数字」「出来事」に分けて紹介します。

「時間や日付」の例文

・次回のミーティングは、来週以降にお願いします。
・18時以降は正面玄関からは入れません。社員通用口をご利用ください。
・新商品の予約受付は、9月1日以降になります。

「数字」の例文

・バージョン3以降の製品に不具合が報告されています。
・割引はご来店2回目以降から適用されます。ご注意ください。
・社長が会議に出席されるのは、次回以降になります。

「出来事」の例文

・前回のミーティング以降、仕事の効率がかなりアップしました。
・退社された以降、部長とは連絡を取っていません。
・謝罪会見以降、社内の雰囲気は大きく変わりました。

「以降」の類語後と例文

「以降」の類語には、先ほど紹介した「以後」「以来」の他に、「今後」「将来」「その後」「この方」「爾来」などがあります。

今後(こんご)
今からのち。以後。例文
・次回のミーティングでは、それぞれ今後の課題と目標を発表してください。
将来(しょうらい)
これからやってくる時。これから先。未来。前途。例文
・このようなずさんなチェック体制では、将来大きなトラブルにつながりかねません。
その後(そのご・そのあと)
ある出来事が起こってから後。それ以来。例文
・お忙しいとは存じますが、その後いかがでしょうか?
この方(このかた)
過去のある時点より今まで。以来。「生まれてこの方」という使い方が多いようです。例文
・このような屈辱は、生まれてこの方味わったことはありません。
爾来(じらい)
それ以来。それから後。例文
・こんな出会いはめったになく、爾来彼とは親しく付き合っています。

「以降」の対義語と例文

「以降」の対義語は「以前」ですが、対義語の類語としては「前に」「先立って」「かつて」「予め」などがあります。

以前(いぜん)
ある事柄よりも前。ずっと前。例文
・7月15日以前の面会記録が残っていないなんて、どうも不自然です。
前に(まえに)
前方を指す表現。過去の出来事、他と比較して早い時期のこと。例文
・彼とは前に会った気がします。
先立って(さきだって)
先日、この間。あらかじめ。例文
・先立ってはお忙しい中ご足労いただき、まことに有難うございます。
かつて
過去のある時期のこと。以前。今まで一度も。例文
・有能なキャリアウーマンの彼女は、かつて人気アイドルだったそうです。
予め(あらかじめ)
物事が始まる前に、ある事をするさま。前もって。例文
・後で不満が出ないために、あらかじめ結論を社員だけには知らせておきましょう。

「以降」の英語表現

「以降」の英語表現としては、「since」がありますが、「since」は「sience1996」のように過去が起点になります。「以来」の意味合いに近いので、「以降」に近い英語表現は、「after」や「from」になります。

但し、注意したいのは「after」の使い方です。例えば、「after April 1」の場合、「April 1」は含まれません。4月1日を含む場合は、「on and after April 1」と表現します。ビジネスで英語を使う際には注意が必要ですね。

一方、「from April 1」の場合、4月1日は含まれるのが一般的ですが、曖昧な部分もあるので契約などでは、「from April 1(inclusive)」などのように表現します。

・I haven’t eaten anything since 8 o’clock last night.
(昨夜の8時以降なにも食べていません。)
・Can I have you visit after 6:00 p.m. today?
(6時以降に来ていただけますか?)
・I’m free from the evening on weekdays.
(夕方以降は空いています。)

「after 6:00」の場合は、厳密には「6:01」からの意味になります。

まとめ この記事のおさらい

  • 「以降(いこう)」とは、「それから後」の意味です。
  • 「以降」の使い方には、「時間や日付」「数字」「出来事」の3つがあります。
  • 「以降」は当日を含む表現です。
  • 「以後」には「これから先」、「以来」には「ある一定の時から今日まで」という意味が。
  • 「以降」の類語には「以後」「以来」の他に、「今後」「将来」「その後」「この方」「爾来」などがあります。
  • 「以降」の対義語は「以前」の他に「前に」「先立って」「かつて」「予め」など。
  • 「以降」の英語表現には「since」「after」「from」などがありますが、「after」はその時間や期日を含まないので注意しましょう。