ここでは「汚名返上」について解説します。「汚名返上」はビジネスをはじめ様々なシーンでよく使われる言葉ですが、最近は「名誉挽回」とミックスされた「汚名挽回」という言い方も目立つようになってきています。

そこでここでは「汚名返上」の正しい意味や使い方をはじめ「汚名返上」と「名誉挽回」の違いについても解説していきます。どうぞ最後までお読みください。

「汚名返上」の読み方・意味・使い方

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「汚名返上」は「おめいへんじょう」と読みます。意味は「成功して良い評価を得ることで、過去の失敗で被った不名誉な評価を帳消しにすること」。「汚名」は「悪い評価」や「不名誉」のことをいいます。

また「返上」は「いただいたものを返すこと」「受け取らないこと」をへりくだってあらわす言葉です。

「汚名返上」の「返上」は「返す」というよりも「払拭する」に近い意味ですが、あえて謙譲のニュアンスがある「返上」ということで、「これまでの汚名はのしをつけてお返しする」という痛快なしっぺ返しのニュアンスを比喩的に表現しています。

「汚名返上」の語源

「汚名返上」は故事成語ではないので、語源となる古い文献や伝承はありません。一方で、一度失敗して信用も名声も失った者が次のチャンスに成功を収めて華々しく再評価される展開は万人に好かれる定番のサクセスストーリーと言えます。

「汚名返上」もそのような痛快無比の展開を表現するために「汚名」と「返上」を結びつけた四字熟語として広く世間に流布したものと考えられます。

「汚名返上」と「名誉挽回」の違い

「汚名返上」とよく混同される言葉に「名誉挽回」があります。意味は「傷ついたり失われたりした名誉を元どおりに回復すること」。つまり「汚名返上」の同義語となります。そのため両語が混同され、「汚名挽回」という合成語も普及しています。

「汚名挽回」は誤用?

「汚名挽回」は一般的には「汚名返上」と「名誉挽回」の混合で生まれた誤用とされています。一方で、「疲労回復」が疲労を回復する意味ではなく疲労から回復する意味になるように、「汚名挽回」も「汚名を受けた状態から挽回する」とも考えられます。

そのため「汚名挽回は、意味として間違っていない」とする説もあります。文化庁が発表した平成16年度の「国語に関する世論調査」では、すでに「汚名挽回」は「汚名返上」よりも使う人が多くなっているという結果が出ています。

その意味では、「汚名挽回」という言葉自体が汚名を挽回している、と言えるかもしれません。「汚名挽回」が正しいかどうかはなお議論の余地がありますが、一般的には「汚名」は「返上」。「名誉」は「挽回」とするのが正しい用法とされています。

「汚名返上」のビジネス上での使い方

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ビジネスには成功と失敗がつきものです。そのため「汚名返上」はビジネスシーンでもよく使われます。使用上の注意としては、「汚名返上」には「一度失敗して汚名を着せられた者が次に成功して失地回復を図る」という前提があることです。

たとえば汚名とは無縁の新人に「がんばって汚名返上しろ」とは言えません。「汚名返上」は「失敗により失われた名誉や信用、地位などを取り戻す」という意味になることを意識して使うようにしましょう。

また前述したように「汚名挽回」も広く使われてはいますが、現状では誤用とみなす人が少なくありません。ビジネスでは言葉の正確さが求められるので、「汚名挽回」は使わないようにしてください。正しくは「汚名返上」か「名誉挽回」と考えましょう。

「汚名返上」の類義語と例文

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「汚名返上」と同じ意味の類義語としては「リベンジ」「捲土重来(けんどちょうらい)」「起死回生」「名誉挽回」「失地回復」「再起を図る」などをあげることができます。

「リベンジ」は英語で「復讐(ふくしゅう)」「仕返し」「報復」などを意味する「revenge」が語源です。本来は「遺恨による敵討ち」を意味する言葉ですが、日本では「汚名返上」や「失地回復」とほぼ同じ意味で用いられています。

厳密には英語の「revenge」にも「スポーツやゲームで雪辱をはたす機会」という意味があります。それでも「revenge」というと「復讐」や「遺恨」のニュアンスが強く、「汚名返上」を「revenge」と英訳するのはおすすめできません。

次に「捲土重来」の「捲土」とは、戦や行進で土煙がもうもうと巻き上がること。転じて、勢いの激しさをあらわします。「捲土重来」は一度戦いに敗れた者が再び勢力を盛り返して反転攻勢に出ることのたとえです。

「捲土重来」という言葉は、古代中国の唐の時代に、牧之(ぼくし)という詩人が詠んだ「題鳥江亭」という詩の一説が由来とされています。日本でもよく使われる言葉で、「捲土重来を果たす」「捲土重来を期す」といったフレーズで使われます。

「失地回復」は「敵に奪われた領土を取り返す」という意味ですが、それが転じて「一度失った地位や名誉、勢力などを取り戻すこと」という意味でよく用いられる言葉です。

最後に「起死回生」は死にかかった人を生き返らせるという意味で、元は医術の高さを形容する言葉でしたが、現在では危機的な状況から一気に立ち直ることを意味する言葉となっています。

捲土重来の例文

経営のゴタゴタでシェアを大きく落とした会社が、捲土重来を期して画期的な新製品を開発した。

「汚名返上」の英語表現

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「汚名返上」の英語表現としては、「自分のミスで失ったものを取り戻す」という意味の「buy redemption」。「悪評を修正する」という意味の「fix (またはrepair) a bad reputation」。

「名誉挽回」を意味する「redeem one’s honor」などがあります。

「redemption」は「買い戻し」「質受け」「償還」「(キリストによる罪の贖(あがな)い」などを意味する言葉です。「buy redemption」は「罪の許しを得る」という意味で「汚名返上」に通じる英語表現になります。

ちなみにアメリカには「redemption」という銘柄のウイスキーがあります。そのため「buy redemption」は「許しを請う」と「酒を買う」のダブルミーニングになることから、ジョークのネタにされることもあります。

「reputation」は「評判」「風評」のこと。「reputation」には「高い評価や信用」「良い評判というニュアンスがあるので、「悪評を修正する」という意味で「fix (またはrepair) a bad reputation」と表現します。

ほかにも「get rid of a bad reputation」というフレーズもあります。

また「destigmatize」も「汚名を返上する」という意味の単語になります。

まとめ

  • 「汚名返上」は「成功して過去の失敗を帳消しにすること」を意味します。
  • 「汚名返上」と「名誉挽回」の混合で「汚名挽回」という言葉もあります。
  • 「汚名挽回」が言葉として正しいかどうかは諸説ありますが、一般には誤用とされています。
  • 「汚名返上」の類義語には「リベンジ」「捲土重来」「起死回生」などがあります。
  • 「汚名返上」の英語表現には「buy redemption」などがあります。