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「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」のように「よろしかったでしょうか」と使う場面は多く見かけます。一見丁寧な表現として取ることができますが「違和感を感じてしまう」という声も聞かれます。
今回は「よろしかったでしょうか」について「正しい表現なのか」「確認の表現として使う言葉には他にどのようなものがあるのか」などについて進めてみたいと思います。
よろしかったでしょうかは正しい敬語?
確認の意味で使われる「よろしかったでしょうか」。まずはこの言葉を細かく分けて見たいと思います。
「よい」の丁寧な表現として「よろしい」が使われます。この「よろしい」を過去形にしたかたちが「よろしかった」となります。そして、「よろしかった」かどうかの確認を相手に求める意味で「よろしかったでしょうか」と使われているのですが、こうしてみますと文法上間違いではないことになります。
文法上間違いではないのですが、この言葉に強く拒否反応を示してしまう人も多いでしょう。何が原因なのかというと、さほど過去の出来事でもないのに「よろしかった」と使われてしまうところに問題があるようです。
このように普段生活をしていて「相手は丁寧な意味を込めて使っているのだろうな」とは一定の理解はできるものの、人によっては違和感を感じてしまう言葉はいろいろあります。その代表的な言葉としていわゆる「バイト敬語」があります。
バイト敬語についての説明
バイト敬語とは、コンビニやファーストフード店など比較的アルバイトの多い職場で使われる、ほぼマニュアル化された接客用語のことです。なんとなく丁寧な表現として受け取ることもできますが、「日本語としての使い方が間違っている」や「言葉を受け取る側に不快感を与えてしまう」など賛否両論あるようです。
例としては「~の方」「~から」「~になります」などが挙げられます。
「~の方」は「メニューの方をお持ちしました」のように接客用語として耳にすることもあります。丁寧な言い回しのような気がしますが、「~の方」は「こちらの方」のように方角を示しているとも取れますので、受け取り方によっては誤解を生んでしまうこともあります。
「~から」という表現は、例えば三千円の商品に対して一万円を出してお釣りを七千円もらう場面で「一万円からお預かりします」のように使われる言葉です。気持ちとしては「(今からお釣りを渡しますが)一万円から(代金三千円分を)お預かりします」とも取れますが、やはり「~から」という表現には不快感を示してしまう人も多いようです。
最後に「~になります」ですが、注文した商品を持ってきた際に「こちらがAセットになります」のように使われる表現です。本来「なります」は「形を変えて違うものになります」との意味合いを含みますので、例のような使い方をすると「目の前に出されたAセットが形を変えてさらにAセットになるのか?」との理由でこの言葉に対して拒否反応を示してしまう人も多いでしょう。
使う場面さえ合っていれば良いのですが、そこに敬語の意味は含まれていません。どんな場面でもマニュアル化されたかのように上記のような言葉が使われてしまうということが「バイト敬語」の特徴と言えます。
よろしかったでしょうかを言い換えると?
「よろしかったでしょうか」も「バイト敬語」として使われる言葉の一つなのですが、相手に確認をしたいときには他にどのような表現があるのでしょうか。
代表的なものとしては「よろしいですか」「よろしいでしょうか」などが挙げられます。どちらも相手に確認を求める際に使うことのできる丁寧な言い回しとなりますので、例えビジネスの場で使ったとしても問題のない言葉です。
過去の出来事に対してよろしかったでしょうかを使うことは問題ない
「よろしかったでしょうか」に対して不快感を示してしまう原因は、そこまで過去のことではないのに「よろしかった」と過去形を使っている点にあることは前述のとおりです。したがって過去の出来事に対して「よろしかったでしょうか」と使う分には全く問題はありません。
例えば、事前に○月○日に会う約束をした事に対し、改めてそのことを確認したい場合は「お約束は○月○日でよろしかったでしょうか」と使っても不適切にはなりません。
「よろしかったでしょうか」は現在起こっていることに対して過去形を使ってしまうと不快感を持たれてしまう可能性があります。この言葉自体を使うのは文法上全く問題がなく、そこには丁寧な表現も含まれています。
よろしいでしょうか?よろしかったでしょうか?の例文
④、⑤はそれぞれ過去にしてしまったことに対しての確認となるため間違った使い方とは一概には言えません。「よろしかったでしょうか」の言葉自体に抵抗がある場合は「~よろしいですか」「~よろしいでしょうか」とおきかえましょう。
よろしかったでしょうか?の間違った使用例
例えば①、②を「よろしかったでしょうか」と使ってしまうと、今現在することに対して過去形で確認を取っているということになりますので、この場合は間違った使い方となってしまいます。
ただし③の場合はプロジェクトの方針を決めたのは過去の出来事ととらえることができますので、この例ではどちらでも間違いとは言えません。
まとめ
「よろしかったでしょうか」は文法上正しくないという訳ではないのですが、明らかに過去の事柄に対しての確認として使われないと受け取り方によっては不快感を与えてしまう可能性のある言葉とも言えます。
「よろしかったでしょうか」と使ったほうが丁寧な気持ちを表しているのではと思ってしまいそうですが、丁寧な表現としては「よろしいですか」「よろしいでしょうか」と言いかえても全く問題はありません。
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