この記事では、「玉石混淆」の意味や注意点、類語、英語表現について解説します。

「玉石混淆」という言葉は聞いたことがあっても、その意味を正しく言えるでしょうか?

ビジネスにおいても「玉石混淆」は使う言葉です。この記事を通して、「玉石混淆」の正しい意味と使い方を理解して、ご自身のスキルアップにつなげてください。

玉石混淆の読み方・意味・使い方

「玉石混淆」は、「良いものと悪いもの、優れたものと劣ったものが入り混じっていること」の意味で、「ぎょくせきこんこう」と読みます。

玉石混淆の言葉の由来

「玉石混淆」は、古代中国の王朝、晋の道教研究家である葛洪(かつこう)の著書「抱朴子(ほうぼくし)」に由来。「抱朴子」は、全体で70篇から構成され、その後の道教に大きく影響を及ぼしたと言われています。
「抱朴子」の外編巻32「尚博」の中で、葛洪が語った「眞僞顚倒し、玉石混淆す」という言葉を語っています。
これは「本物と偽者を取り違え、玉と石を一緒くたにする」という意味で、良いものを評価できる人がいないことを嘆いたそうです。

また、「玉」には、「宝石」のように「美しいもの」「優れたもの」の意味があります。「石」は、普通の石で、「劣ったもの」という意味合いも含まれています。
このことから、「良いものと悪いもの、優れたものと劣ったものが入り混じっていること」の四文字熟語が生まれました。

「玉石混淆」の使い方には以下のようなものがあります。

・ネットショップの商品は玉石混淆ですから、しっかりと吟味する必要があります。
・今回の婚活パーティーは、男女とも玉石混淆でした。
・新型コロナウイルスに関する情報は玉石混淆で、真実を見つけるのが難しい状況です。

玉石混淆は、物にも人にも使いますが、意味合いとしてはマイナスのイメージがあるので、人に使う場合には注意が必要です。

この他にも、「玉石混淆」に関する注意点はいくつかあります。

玉石混淆に関する注意点

「玉石混淆」に似た表現は色々見られますが、表現自体が間違っていたり違う意味で使っていることも少なくありません。ここでは、「玉石混淆」に関する表現の注意点を紹介します。

「玉石混交」は常用漢字を使った表現

「ぎょくせきこんこう」を変換すると真っ先に「玉石混交」と変換されるかもしれません。
これは、「玉石混淆」の「淆」が常用漢字ではないからです。

では、「玉石混交」は間違った表現になるのでしょうか?

答えは「NO」です。これは、昭和27年に国語審議会が文部大臣宛に報告した「同音漢字による書き替え」の中で、当用漢字表以外の漢字を含む熟語などを当用漢字に書き換える方法を推奨しました。
この中で「混淆」は「混交」の書き換えとして紹介されています。

現在は「当用漢字表」に代わり、「常用漢字表」が使われていますが、「淆」は常用漢字ではないので、「混交」と書き換えることは間違えではありません。正確には「玉石混淆」ですが、一般的には「玉石混交」の方が多く使われているようです。

「玉石混合」「玉石混同」「珠玉混合」は誤用

一般的に使われる「玉石混交」を「ぎょくせきこんごう」や「ぎょくせきこんどう」と読み「玉石混合」「玉石混同」と書いてしまう人もいるようです。
意味的には、「混淆」も「混合」も「混同」も似ていますが、正しい四字熟語は「玉石混淆」です。
あくまでも古代中国の著書に記載されている「玉石混淆」が由来であることを理解してください。

また、「珠玉混合」という表現を目にすることがあります。「珠玉(しゅぎょく)」は「真珠や宝石」で、「尊いもの、美しいもの、賞すべきもの」の例えとして使われる言葉です。
つまり、「玉石」のように「良いものと悪いもの」のような対照的な意味がないので、「混合」しても「良いものだらけ」になります。一見、良い意味の四字熟語のような気がしますが、実在する四字熟語ではありません。
なぜなら、「混合」とは「異なった性質のものが混ざり合うこと」ですから、似た性質の「珠玉」に対して「混合」を使うのは日本語としても間違った使い方になります。

以上のように、「玉石混合」「玉石混同」「珠玉混合」は、「玉石混合」を誤用した表現ですので、注意してください。

玉石混淆のビジネス上での使い方

「玉石混淆」はマイナスの意味合いもあるので、特にビジネスシーンで人に対して使用する場合は注意が必要です。

例えば、「この部署は玉石混淆だな」と言われたら、「劣っている人材が多い」という意味にも解釈できるので、相手に対して失礼な表現になる場合があります。

ビジネス上では、「玉石混淆」を以下のように使います。

・玉石混淆と言われないためにも、製品づくりには細心の注意を払う必要があります。
・業者は玉石混淆ですから、価格だけで選別するのは危険です。
・玉石混淆の中から有能な人材を探し出すのは、まさに人事部の大切な仕事と言えます。

このように、「玉石混淆」には、「良いものと悪いものがごちゃごちゃに交じり合っている」というニュアンスが強くあるので、使う相手や状況を把握して使うことが大切です。

玉石混淆の類義語と例文

「玉石混淆」の類語としては、「玉石同架」「玉石同匱」「魚目混珠」などがあります。

玉石同架(ぎょくせきどうか)
同じ台に良いものと悪いものをのせるたとえ。

例文
・今回の新内閣はまさに玉石同架と言えるでしょう。

玉石同匱(ぎょくせきどうき)
すぐれているものも、劣っているものも同じように扱われること。

例文
・公立中学校は、玉石同匱だから優秀な子が集まる私立の中学校を受験するそうです。

魚目混珠(ぎょくもくこんしゅ)
価値あるものとないものが入り混ざっているたとえ。

例文
・骨董品は魚目混珠ですから、鑑定眼のない素人は手を出さない方が無難です。

玉石混淆の英語表現

「玉石混淆」の英語表現としては、「a mixture of wheat and chaff」があります。
「wheat」は「小麦」で、「chaff」は「もみ殻」で、つまり小麦ともみ殻が入り混じっている状態で、まさに「玉石混淆」と言えるでしょう。

・His work may a mixture of wheat and chaff.
 彼の作品は玉石混淆かもしれません。

また、「thread and thrum」もあります。「thread」は「糸」で、「thrum」は「糸くず」の意味ですが、古い表現で一般的にはあまり使われません。

自然な表現としては、「a mixture of good and bad」が一般的でしょう。

・Internet marketing information a mixture of good and bad.
 インターネットのマーケティング情報は玉石混淆です。

まとめ この記事のおさらい

・「玉石混淆(ぎょくせきこんこう)」は、「良いものと悪いもの、優れたものと劣ったものが入り混じっていること」の意味。
・「玉石混淆」は、古代中国の葛洪の著書「抱朴子」に記載されている「眞僞顚倒し、玉石混淆す」に由来。
・「玉石混交」は常用漢字にない「淆」を書き換えたもので間違いではありません。
・「玉石混合」「玉石混同」「珠玉混合」は、「玉石混合」を誤用した表現。
・「玉石混淆」の類語は、「玉石同架」「玉石同匱」「魚目混珠」などがあります。
・「玉石混淆」の英語表現としては、「a mixture of wheat and chaff」「a mixture of good and bad」があります。