この記事では「阿る」の読み方や意味について解説いたします。

普段あまり見たり使ったりする機会も多くない為、読み方や意味がよく分からないという人も多いかもしれません。

そこで今回は「阿る」の使い方や類義語、英語表現も含めて取り上げました。

この記事の中で一つでも参考になるような情報があれば幸いです。

阿るの読み方・意味・使い方

「阿る」は「おもねる」と読み、「機嫌を取ってその人の気に入るようにする」や「へつらう」という意味があります。

平たく言うと「相手の機嫌を取る為の言動をすること」で、「媚びを売る」や「胡麻を擂る」という言葉と同様にネガティブなイメージで使われる言葉です。

「阿」という字は上記の他にも「丘」や「岸」、「角」や「曲がり角」など、様々な意味があります。

「阿」の字を「おもねる」や「へつらう」という意味で使う熟語としては、「阿諛(あゆ)」や「阿諛追従(あゆついしょう)」といったものが挙げられるでしょう。

「阿諛」は「おべっかをつかうこと」や「相手の機嫌を取ること」、「阿諛追従」は「相手の気に入るように、こびへつらうこと」という意味です。

どちらも日常的に見聞きすることは多くないかもしれませんが、この機会に合わせて覚えておくと良いかもしれません。

また「阿る」の使い方としては、以下のようなものが考えられます。

・彼は人に阿るのが得意なタイプだ。

人の機嫌を取って気に入られるのが得意な人というのはどこにでもいるものです。

そういった人は「長い物に巻かれろ」という言葉を体現するような強かさを感じさせる一方で、優れた処世術を持っているともいえます。

また人の機嫌を取る為にもその人のことをよく観察し、好き嫌いを敏感に察知する為の能力が不可欠です。

その為「阿る」ことが得意だというのは単なるおべっか使いというより、一つの個性や長所だとも言えるかもしれません。

この例では、彼は「阿る」のが得意なタイプだということを説明しています。

・彼女は損得勘定がとても強く、自分の得になると思った相手にのみ阿る人だ。

わざわざ「阿る」ような言動をする背景には、少なからず打算が働いていることが考えられます。

それは「阿る」ことによって、自分の得になるということです。

例えばそうすることによって昇進の対象として認知されたり、重要なポストに割り当ててもらえるようになったりすることが挙げられるでしょう。

この例だと、彼女はそういったメリットを享受させてもらえるような相手に対してだけ「阿る」ということです。

なお「阿る」は人に対してだけではなく、見えないものに対しても使うことがあります。

例えば「権力に阿る」や「時流に阿る」といった使い方です。

阿るの語源

「阿る」の語源は、「阿」という漢字の原義にあるとされています。

「阿」は「こざとへん(丘を表す阜の意味)」と「可」からできた形成文字で、「阜」は「大きな丘」、「可」は「鉤型(かぎがた)に曲がっている状態」という意味です。

このことから「阿」という漢字には「丘の曲がった部分」という意味がありますが、「四阿(あずまや)」という言葉があるように「屋根のある建造物」や「建物の軒(のき)・庇(ひさし)・棟(むね)」も意味するようになりました。

そこから転じて「建物に拠る」や「建造物に寄りかかる」という「阿」の意味が生まれ、「好かれたい相手におもねる、媚び諂う」という意味が生まれたと考えられています。

阿るのビジネス上での使い方

「阿る」はビジネス上でも使われることがある言葉です。

例えば下記のような使い方が挙げられるでしょう。

・彼はいつも上司に阿るような態度ばかりしている為、同期からはすっかり嫌われている。

同期入社だと最初は横一線でのスタートではあるものの、順調に出世できる人もいればいつまでも入社当初のままという人もいます。

そして出世する為の手段として、上司に気に入られることを選択するという人もいることでしょう。

ただしその手段は正々堂々というよりも、卑怯な方法だという解釈をされることが少なからずあります。

この例は、出世の為に上司に「阿る」ような態度を取ってばかりいることに対して同期からよく思われていないということです。

・阿るスキルを身につけるよりも、実力をつける方が重要だという人もいるだろう。

出世や昇進を狙う方法として、大きく2つに分けることができます。

一つは上司に気に入られる方法、そしてもう一つは実力をつけて出世や昇進に足る人物だと認めてもらう方法です。

その方法の優劣や良し悪しについては様々な意見や見解があるでしょう。

この例だと、「阿る」スキルよりも実力を認めてもらう方が重要だと考える人もいるということを説明しています。

阿るの類義語と例文

「阿る」の類義語としては、以下のようなものがあります。

・諂う

・媚びる

その他には「追従する」や「胡麻を擂る」といったものが挙げられるでしょう。

また上記の例文を使うと、下記のような例文を作ることができます。

・自分の利益の為とはいえ、あの人に諂うのはどうにも気が進まない。

「諂う」とは「気は進まないものの、無理に相手に気に入られるような言動をとること」です。

「阿る」は権力や時流といった目に見えないものに対しても使うことができるのに対し、「諂う」は人にしか使いません。

この例では、自分の利益と引き換えとして嫌いな人に気に入られようとすることが億劫だということを表しています。

・彼女は目上の人に媚びることが得意だ。

「媚びる」は「こびる」と読み、「相手に気に入られようとしてご機嫌を取る」という意味です。

この例だと、彼女は目上の人がどうしたら喜ぶかを考えた上での言動をするのが得意だということでしょう。

阿るの英語表現

「阿る」の英語表現としては、次のようなものが挙げられます。

・flatter(阿る)

・curry favor with(阿る)

また上記の英語表現を使った例文には以下のようなものがあります。

・He always flatters his boss.(彼はいつも上司に阿っている。)

「阿る」を表す単語としては「flatter」が最も分かりやすいかもしれません。

また「You flatter me.」のように「お世辞が上手ですね」という意味で使うこともあります。

・She curried favor with them.(彼女は彼らに阿った。)

立場上、様々な人に「阿る」必要があるという人もいることでしょう。

この例でも、そうした立場にある女性がその対象に「阿った」ということです。

まとめ この記事のおさらい

・「阿る」は「おもねる」と読み、「機嫌を取ってその人の気に入るようにする」や「へつらう」という意味がある

・「阿」の字を「おもねる」や「へつらう」という意味で使う熟語としては、「阿諛(あゆ)」や「阿諛追従(あゆついしょう)」といったものが挙げられる

・「阿る」の語源は、「阿」という漢字の原義にあるとされている

・「阿る」の類義語としては、「諂う」や「媚びる」、「追従する」や「胡麻を擂る」といったものが挙げられる

・「阿る」が「権力に阿る」や「時流に阿る」というように目に見えないものにも使うのに対して、「諂う」は人に対してしか使えない

・「阿る」の英語表現は、「flatter」や「curry favor with」といったものが考えられる