きな臭い|意味・使い方・胡散臭いとの違い・英語表現などを解説

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この記事では「きな臭い」の読み方や意味について解説いたします。

あらゆる場面で見聞きすることがある言葉ですが、その意味や使い方についてはよく分からないという人もいるかもしれません。

そこで今回は「きな臭い」の語源やビジネス上の使い方、類義語や英語表現についてもピックアップしました。

この記事の中で一つでも参考になるような情報があれば幸いです。

「きな臭い」の読み方・意味・使い方

「きな臭い」は「きなくさい」と読み、「紙や布が焦げる」や「戦争や事件が起こりそうな気配がする」、「なんとなく怪しい」といった意味を持つ言葉です。

3つも意味があり、それぞれが別のことを表しているので珍しい言葉だといえるかもしれません。

「紙や布が焦げる」という意味では、例えば「書類を焼却しているからか、あの辺りはきな臭い」のように使います。

また「戦争や事件が起こりそうな気配がする」の意味だと「治安が悪い地域に滞在すると、些細なことでもきな臭いと感じてしまう」といった使い方が考えられるでしょう。

そして最もよく使われるのは「なんとなく怪しい」という意味です。

・彼は言うことが頻りに二転三転するので、どうにもきな臭い。

例えば上記のように、言っていることがころころと変わる人はなんとなく怪しいと感じてしまうものです。

その為そのような場合に「きな臭い」という表現を使うことがあります。

「戦争や事件が起こりそうな気配がする」とニュアンスが近いと感じるかもしれませんが、その場合は「国や場所ではなく人や物事などに使用する」と考えると分かりやすいかもしれません。

「きな臭い」の語源

「きな臭い」の語源は「衣臭い(または布臭い)=きぬくさい」で、後に「木の臭い=きのくさい」に言葉が変り、現行の「きな臭い」となったとされています。

また火薬の臭いで連想される「戦争」や「物騒なものごと」が起こる前触れや気配を示す言葉としても広く使われるようになりました。

さらに焦げた臭いに用いられていた言葉の意味が成長し、どことなく怪しく胡散臭いことに対しても使われるようになっていったといわれています。

ちなみに「きな臭い」は「紙」や「布」、「綿」が燃えて焦げた時に使われる言葉です。

その為、例えば食べ物が焦げて臭くなった時に「きな臭い」という表現は使われません。

「きな臭い話」とは

「きな臭い」の使い方でもう一つ知っておきたいのは、「きな臭い話」という熟語表現です。

意味は「疑わしい話」や「信用できない話」、「不審な話」などで、怪しい内容の話そのものを指しています。

怪しい内容の話に乗り気になると痛い目に遭う場合も少なからずあるので、このような話とは距離を置いた方が無難だといえるでしょう。

「きな臭い」と「胡散臭い」の違い

「きな臭い」の「なんとなく怪しい」という意味と似た意味を持つ言葉として、「胡散臭い」が挙げられます。

「胡散臭い」は「うさんくさい」と読み、「なんとなく疑わしい」や「なんとなく怪しい」という意味です。

この点だけ見ると「きな臭い」と同じように思われるかもしれませんが、「きな臭い」の方が緊迫した様子で使われます。

一方の「胡散臭い」は「インチキ臭い」や「詐欺臭い」といったニュアンスで使われることが多いです。

例えば「彼の話は胡散臭いものばかりだ」や「少しでも胡散臭いと感じるものには近づかない方が賢明だ」のように使います。

「きな臭い」のビジネス上での使い方

「きな臭い」はビジネス上でも使われることがある言葉です。

例えば次のような使い方が挙げられるでしょう。

・少しでもきな臭いと感じるならば、今回の取引は見合わせた方が良いだろう。

ビジネス拡大の為に新規の取引先と契約をしたり取引を交わすことはよくあることです。

しかし、これまで取引したことがない相手の中には「なんとなく怪しい」と感じる場合があるかもしれません。

この例では、そのような違和感を覚えるところがあるならば取引を見合わせた方が良いということを示しています。

・きな臭いことばかりして得た繁栄は、そう長く続かないものだ。

触法行為や不正によって得た利益は、いずれ露見してより大きな損失となって返ってくるものです。

例えば不正が発覚した企業は株価が暴落したり、消費者が離れてしまい倒産に至るというのも珍しいケースではありません。

この例だと、きな臭いことばかりして繁栄することができたとしても、上記のような理由から長続きはしないということを表しています。

「きな臭い」の類義語と例文

この項目では、「きな臭い」の類義語をそれぞれの意味毎にご紹介します。

1.「紙や布が焦げる」の意味の類義語

・鼻をつく(強烈な臭いに鼻が刺激を感じること)

・紙子臭い(紙などが焦げる臭いがすること)

例えば「鼻をつく」だと、「どこかから漂ってきた不快な臭いが鼻をついた」のように使います。

2.「戦争や事件が起こりそうな気配がする」の意味の類義語

・不穏な(何か起こりそうな雰囲気が漂う)

・殺伐とした(余裕がなく息が詰まってしまうような状態)

「不穏な」を使った例文では、「あの事件の犯人はまだ見つかっておらず、辺りには依然不穏な空気が漂っている」といったものが考えられます。

3.「なんとなく怪しい」の意味の類義語

・如何わしい(本当かどうか信用していいか疑わしい)

・疑わしい(不確実、信じがたいさま)

「疑わしい」を使うと、例えば「行動が伴っていない人の言うことは疑わしいと感じるものだ」のような例文を作ることができるでしょう。

「きな臭い」の英語表現

「きな臭い」の中でもよく使われる「なんとなく怪しい」の意味を持つ英語表現には、以下のようなものがあります。

・suspicious(胡散臭い、怪しい)

・fishy(怪しい、如何わしい)

その他には「funny」や「shady」等も該当するといえるでしょう。

また上記の英語表現を使うと、次のような例文を作ることができます。

・He looks very suspicious.(彼はとても怪しい。)

何かしらやましいところがある人は、言動に不審な点が少なからず出てしまうものです。

そうすると周りから見ても怪しく見えてしまうでしょう。

今回の例でも、何か挙動不審なところが出てしまっていたのかもしれません。

・There’s something fishy about her testimony.(彼女の証言には怪しいところがある。)

嘘や矛盾が含まれていると、証言は途端に信用できないものになってしまいます。

また一度そういう疑念を持たれると、今後の発言内容も厳しく疑われることでしょう。

この例だと、証言の中に怪しいと思われるところがあったということです。

まとめ この記事のおさらい

・「きな臭い」は「きなくさい」と読み、「紙や布が焦げる」や「戦争や事件が起こりそうな気配がする」、「なんとなく怪しい」といった意味がある

・「きな臭い」の語源は「衣臭い(または布臭い)=きぬくさい」で、後に「木の臭い=きのくさい」に言葉が変り、現行の「きな臭い」となったとされている

・「きな臭い」はより緊迫した場面で使われるのに対し、「胡散臭い」は「インチキ臭い」や「詐欺臭い」といったニュアンスで使われることが多い

・「きな臭い」の類義語は「鼻をつく」や「不穏な」、「如何わしい」といったものがある

・「きな臭い」の英語表現は「suspicious」や「fishy」等が該当する