残暑見舞いはいつからいつまで?|時期・書き方・例文・返事のマナーを解説

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この記事では、「残暑見舞い」を送る時期や書き方、文例、返事のマナーについて考察します。

メールで何でも済ませてしまう時代、ハガキを送る習慣は薄れています。しかし、社会人としては、ハガキでのご挨拶は大切な習慣。年賀状だけでなく、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」も忘れずに送りたいものです。
そこで悩むのが「暑中見舞い」と「残暑見舞い」の違いです。

この記事を通して、「残暑見舞い」の意味や送る時期、相手に合わせた文例を学び、ビジネスパーソンとしてのスキルアップにつなげてください。

「残暑見舞い」とは

「残暑見舞い」と混同してしまうのが、「暑中見舞い」です。「あれ、どっちにすればいいのかな?」と戸惑う人も多いでしょう。
「残暑見舞い」も「暑中見舞い」も暑い時期に、お世話になった人々の健康などを気遣うあいさつ状です。

かつて、日本ではお盆の時期に里帰りする際に、品を持参して先祖の霊にささげるという風習がありました。
これが、江戸時代になるとお世話になった人々に贈答を持参して、あいさつ回りする習慣になったのです。また、あいさつに行けない遠方の人には、飛躍で贈り物や書状を届けたそうです。
明治時代になると郵便が発達して、わざわざでかけなくても手軽に挨拶状を送れるようになりました。これが、「暑中見舞い」の始まりです。
贈り物は、今でも「お中元」という習慣が残っていますが、お中元の時期を過ぎると「暑中見舞い」という形で送るのが一般的です。

では、「残暑見舞い」と「暑中見舞い」の違いはなんでしょうか?

「残暑見舞い」と「暑中見舞い」の違い

「残暑見舞い」と「暑中見舞い」の違いは、ハガキなどを出す時期の違いです。

「暑中見舞い」の「暑中」とは、「夏の暑さが厳しい期間」で、暦的には夏の土用(どよう)になります。夏の土用は、7月20日頃から8月6日頃の18日間です。
この頃に送るのが、「暑中見舞い」ですが、一般的には「小暑(7月7日)」から「立秋の前日(8月7日頃)」までが通例になっているようです。

この「暑中見舞い」を送る時期を過ぎたら、「残暑見舞い」になります。相手に届くのが8月7日頃を過ぎるようであれば、「残暑見舞い」にした方が良いでしょう。

残暑見舞いはがきを送る時期

「残暑見舞い」は、立秋(8月8日頃)から8月末までの時期に送るのがベストです。
しかし、あくまでも目安ですから、9月に入っても「残暑見舞い」を送ることは可能です。
但し、遅くとも「処暑(8月23日から9月7日)」までには届くようにしましょう。

残暑見舞いはがきの文例

「残暑見舞い」は、はがきで送るのが通例ですが、失礼のないように相手に合わせた書き方も大切です。
ここでは、出す相手に合わせたはがきの文例を紹介します。

一般的な内容

例文
・残暑お見舞い申し上げます。 まだまだ暑さが続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
その節は大変お世話になりました。良い思い出ができ子供たちも大変喜んでおります。
夏の疲れが出る頃ですから、どうぞご自愛の上お過ごしください。

上司
上司や目上の方に「残暑お見舞い」を送る場合、「残暑お見舞い申し上げます」でも構いませんが、厳密には「見舞う」方が優位的な立場になり、上司や目上の方に対しては失礼になります。
正式には、「残暑お伺い申し上げます」が正しい表現です。

例文
・残暑お伺い申し上げます。 初秋の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
部長には、日頃よりお世話になり、心より感謝申しあげます。
なお一層仕事に邁進する所存でございますので、よろしくお願いいたします。
まだ暑さが続きますので、くれぐれもご自愛くださいませ。

但し、「残暑お伺い申し上げます」は、あまり馴染みのない表現ですから、上下関係に厳格な人でなければ、「残暑お見舞い申し上げます」でも特に問題はありません。

取引先

例文
・残暑お見舞い申し上げます。 貴社におかれましては益々ご盛栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のお引き立てをあずかり、ありがとうございます。
皆様の期待に添えるよう努力してまいりますので、今後もご指導ご鞭撻のほど、
よろしくお願い申し上げます。
暑さ厳しき折ですが、皆さまくれぐれもご自愛ください。

恩師

例文
・残暑お見舞い申し上げます。 立秋とは名ばかりで、暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
まだまだ未熟な社会人ですが、先生の「石の上にも3年や」の言葉を言い聞かせて
頑張っております。
今年の正月には帰省しますので、成長した姿を見てください。
しばらくは暑さが続きますが、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。

「残暑見舞い」の返事のマナー

「残暑見舞い」をいただいたら、返事を送るのは社会人としての最低限のマナーですが、「残暑見舞い」の返事は、どう書いたら良いか迷う人もいるはずです。
ここでは、「残暑見舞い」の返事のマナーについて紹介します。

暑中見舞いと残暑見舞いの返事は「残暑見舞い」で返す

「残暑見舞い」の返事は、9月7日までに着くのであれば、「残暑見舞い」で送ります。
また、「暑中見舞い」の返事の場合は、「暑中見舞い」の時期が一般的に8月7日までですから、あきらかに8月初めまでに送れる以外は、「残暑見舞い」で返します。

残暑見舞いの時期に返事が間に合わない時は?

「残暑見舞い」が8月7日近くに届いたり、旅行などで見るのが遅れたりして、返事が「残暑見舞い」の時期を過ぎた場合は、一般的な時候の挨拶状で送るようにします。
但し、返事が遅れたことに対するお詫びは忘れずに書いてください。

残暑見舞いの返事の文例

「残暑見舞い」の返事も、送る相手に合わせて書くようにします。

一般的な内容

例文
・残暑お見舞い申し上げます。 夏の疲れが出る頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
この度は、残暑お見舞いをいただき、恐縮に存じます。
まだまだ暑さが続きますが、ご自愛のほどお祈り申し上げます。

上司

例文
・残暑お見舞い申し上げます。 残暑なお厳しいおり、ご清祥のことと存じます。
お忙しい中、お見舞い状を頂戴したいへん恐縮しております。
いつもお心遣いをいただき、心より感謝申し上げます。
季節の変わり目、風邪など召さないようくれぐれもご自愛ください。

取引先

例文
・残暑お見舞い申し上げます。 先日は、ご丁寧に暑中見舞い状をお送り頂きまして、誠にありがとうございます。
日頃よりお心遣いしていただき深く感謝いたしております。
今後も、変わらぬご愛顧・お付合いのほど宜しくお願い申し上げます。
夏の疲れが出やすい頃、くれぐれもご自愛ください。

恩師

例文
・残暑お見舞い申し上げます。 先日は暑中のお見舞い状をいただき、ありがとうございました。
連日暑さが続きますが、お変わりなくお過ごしの様子、なによりと存じます。
おかげさまで、私も社会人として元気に働いております。
まだまだ暑い折、お体にはお気をつけくださいますようお願い申し上げます。

まとめ この記事のおさらい

  • 「残暑見舞い」も「暑中見舞い」も暑い時期に、お世話になった人々の健康などを気遣うあいさつ状。
  • 「暑中見舞い」は7月20日頃から8月6日頃の18日間に出すのが一般的で、「残暑見舞い」は、立秋(8月8日頃から8月末)の時期。・「残暑見舞い」は、遅くても処暑(8月23日から9月7日)までには送りましょう。
  • 「残暑見舞い」は、上司や取引先、恩師などによって、書き方を工夫することが大切。
  • 上下関係に対して厳しい人に対しては、「残暑見舞い」ではなく「残暑伺い」がベスト。
  • 「暑中見舞い」も「残暑見舞い」も、返事を出す場合は「残暑見舞い」として送ります。
  • 何かの理由で、9月7日までに返事を送れない場合は、時候の挨拶状として送りますが、必ず「残暑見舞い」を頂戴したお礼は忘れずに書いてください。