命に関わる表現「亡くなる」の使い方と英語・類義語の解説

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「亡くなる」などの死にまつわる表現は、使う場面によっては無礼と捉えられかねません。ここでは、一般的な表現「亡くなる」の意味や概要、類語と例文、英語表現をまとめます。この記事を読むことで、状況に応じた表現ができるようになります。

亡くなる 意味と概要

「亡くなる」は、「死ぬ」の婉曲表現であり、もともとは身内に対してのみ使う言葉だったといわれています。
しかし、「亡くなる」には尊敬の意味合いもあるとして、今では身内だけでなく、他の人に対しても使う表現になりました。
中には、「亡くなる」は尊敬語ではないという意見もあるのを覚えておきましょう。

亡くなるの類語と意味、例文

「亡くなる」の類語をいくつかまとめます。「亡くなる」置き換えに使えるように、例文もあげます。

死去(しきょ)
亡くなったことを表す、ストレートな表現です。
「昨夜、死去されたとうかがいました。」
永眠(えいみん)
“長い眠りにつく”という婉曲表現です。
「母は80歳で永眠いたしました。」
他界(たかい)
死後の世界そのものを指す場合と死後の世界に行く=死ぬ意味もあります。
「父は昨年、他界しました。」
逝去(せいきょ)
人を敬って、その死を表現する時に使う言葉です。一般的には、家族や身内がなくなった時には使わない言葉です。取引先の方や親交のあった友人・知人に対しては使えます。かなり堅さがある言葉なので、正式な文章に使えます。
「○○様のご逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。」
崩御(ほうぎょ)
天皇・皇后・皇太后・太皇太后を敬って、亡くなったことを表現する言葉です。一般の人に対しては使いません。
「天皇が崩御されると、和暦が変わるのが日本の通例です。」

「亡くなられる」「お亡くなりになられました」

「亡くなる」は、敬語とされています。

「亡くなられる」だと、敬語の「亡くなる」と尊敬の助動詞「れる」が使われており、二重敬語になります。ゆえに、間違った表現とされています。

「お亡くなりになられました」という表現も耳にすることがありますが、「お亡くなりになる」と間違った表現の「亡くなられる」が混ざった表現でしょう。これも、二重敬語とみなされる間違った表現です。

「亡くなる」を丁寧に言いたいのであれば、「お亡くなりになる」が正しい表現です。

亡くなるの英語表現と例文

まず頭に浮かぶ英語表現は、“die”かと思われます。
“die”は、人の死だけでなく、動物や植物、また物の消滅やデータの消去などにも使う幅広い意味合いを持ちます。感情を込めずに、客観的に事実を伝える時に便利です。

Yesterday he died at the age of sixty.
昨日、彼は60歳で亡くなりました。
The man died after being hit by a car.
その男は車にはねられた後に死亡しました。


“pass away”
は、亡くなったことを柔らかいニュアンスで伝える時に使います。会話で亡くなったことを表現する時で、知人や友人の死であれば、これを使います。

The patient may pass away at any moment.
その患者はいつでも亡くなるかもしれない。
This letter looks as though it was written before my friend passed away.
この手紙は私の友人が亡くなる前に書いたようです。

“gone”は、完全に過ぎ去ったとか消え去ったとかのニュアンスがある言葉です。そこから、婉曲的な表現として会話で「死んでしまった」の意味合いでよく使います。どこかに行ってしまった意味でも”gone”を使うので、誤解しないように気をつけましょう。

I can not believe she is gone…
彼女が亡くなったなんて信じられないわ…。

亡くなるのまとめ

「亡くなる」は、「死ぬ」の婉曲表現で、一般的には尊敬語とされています。

「亡くなる」の類語には、死去、永眠、他界、逝去、崩御などがあります。逝去は、自分の家族や身内には使いません。崩御は、天皇・皇后などにのみ使う言葉です。

よく「亡くなられる」、「お亡くなりになられました」の表現も耳にしますが、これらは二重敬語で間違った使い方です。丁寧な表現は、「お亡くなりになる」です。

一般的な「亡くなる」の英語表現には、“die”、“pass away”、“gone”などがあります。