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この記事では「ニアミス」の意味や使い方について解説いたします。
「ニアミス」はプライベートでもビジネスでもよく使われるくらい身近な言葉です。
しかし、その語源や幅広い意味までも理解している人は多くないかもしれません。
なぜなら、私たちが日常的に使っている使い方以外に専門分野の用語として使われることがあるからです。
その点も踏まえて、「ニアミス」の意味や使い方について確認していきましょう。
ニアミスの意味と使い方
「ニアミス」には複数の意味があり、そのことを理解した上で使用しないと思わぬ誤解を生んでしまうかもしれません。
まずは本来の意味や日本での使われ方等について見てみましょう。
本来の意味は「航空機が異常に接近すること」
実は「ニアミス」は「航空機が異常に接近すること」を意味する専門用語でした。
「ニアミス」は英単語の「near」と「miss」が合わさったもので、それぞれの意味は以下の通りです。
・「near」
もう少しで起こりそうな、近い、近くの
・「miss」
失敗する、逃れる
そのまま訳すと、「near miss」は「もう少しで起こりそうな失敗」という意味だと解釈できます。
その為、航空機の場合だと「航空機同士が異常に接近することによりもう少しで衝突が起こりそうなくらい危険」という意味になるのです。
航空業界に勤めている人以外はあまり使うことがないかもしれませんが、以下のような使い方をします。
飛行訓練やたまたま近くの空路を飛んでいた航空機同士が、パイロットの操縦ミスにより異常接近してしまった例です。
ただし衝突までしたのなら「ニアミス」ではなく衝突という表現を用いる為、この例では衝突まではしなかったことが読み取れます。
この使い方に限ったことではありませんが、「ニアミス」は否定的な意味で使われることが多いです。
日本語では「惜しい」「接近」などの意味で使われる
元々は航空機の専門用語でしたが、私たちが使うのは「悔しい」や「接近」という意味が多いです。
「もう少しで起こりそうな失敗」から転じて「惜しくも失敗した」となり、それが更に「悔しい」という使い方になったのかもしれません。
また「接近」については航空機同士に限らず使われるようになったのでしょう。
この意味での使い方では以下のような例が挙げられます。
マークシート式のテストでは、四者択一等複数の選択肢から選択させる問題が多いです。
この例では自信がないままにマークしたものが全て外れてしまったことが読み取れます。
普段から仲の悪い二人がたまたま鉢合わせになってしまい、それを知った周りの人を巻き込む程険悪なムードになったことが分かります。
医療分野では「事故の一歩手前」を表す
「ニアミス」は医療分野でも使われることがある言葉です。
その場合「重大事故には至らなかったものの、その一歩手前」という意味で使われます。
患者に障害や健康被害自体はないものの、何かしらのミスはあったというニュアンスがあるのが特徴です。
また医療分野では次のような使い方をします。
先日の手術で何かしらミスがあったということが読み取れる例です。
「乳幼児突然死症候群(SIDS)」とは
「ニアミス」には「乳幼児突然死症候群(SIDS)」という医療用語としての意味もあります。
「乳幼児突然死症候群(SIDS)」は「睡眠中に乳幼児が突然死してしまう」ことです。例えば次のように使います。
「乳幼児突然死症候群(SIDS)」は乳幼児の健康状態に関わらず発症することがありますが、うつぶせ寝はその原因の一つといわれています。
ニアミスのビジネス上での使い方
「ニアミス」はビジネス上だと「人同士の接近」や「惜しい」といった意味で使われます。
例えば次のような例が挙げられるでしょう。
第三勢力に対抗したり業界の先行き不透明を打破する際に、競合している会社同士が接近することがあります。
この例ではライバル関係にある会社のトップ同士が接近したということです。
企業の危機管理の意味での「ニアミス」
航空業界や医療の分野で「ヒヤリハット(ヒヤリとした・ハッとした=被害はなかったが非常に危なかった)」と同じ意味を示す「ニアミス」。近年では一般企業でも危機管理用語として「ニアミス=重大事故の一歩手前」をあらわす用例が増えています。
危機管理の意味での「ニアミス」は、運良く被害は免れたものの一歩間違えると重大事故につながってもおかしくはなかった状況をあらわします。このような事例はいつ大事故につながるかわかりませんので、原因の調査と対策を徹底して、再発を防ぐことが重要です。
ニアミスの類義語と例文
「ニアミス」には類義語としては、次のようなものがあります。
・ニアピン
元々はゴルフ用語で「ピンの側にボールを寄せること」を意味しており、それから「惜しい」という意味でも使われます。
・ヒヤリハット
「重大事故にはならなかったものの、その一歩手前の事例」を意味しています。
・ケアレスミス
「うっかりミス」等という意味で使われます。
また以下の例文を作ることができます。
ニアピン賞は、主にショートホールでいかにニアピンができたかを競うものです。
事故を未然に防ぐ為に、ヒヤリハットをそれぞれ提案し共有することが重要だと読み取れる例です。
テストにおけるケアレスミスはちょっとした計算間違いや書き間違い、マークする場所を間違えていた等、細やかなミスが考えられます。
ニアミスの対義語と例文
まず「ニアミス」の対義語は次のようなものが考えられます。
・衝突
「ニアミス」はもう少しで衝突しそうな程の接近なので、その対義語は「衝突」です。
・遭遇
接近はしたがまだ会ってはいない状態だと解釈すると、その反対は「遭遇」でしょう。
これらを使うと以下のような例文を作ることができます。
交差点は自動車事故の中でも特に多い地点だといわれています。この例でもそれが関係していたのかもしれません。
「遭遇」は「思いがけず巡り会うこと」です。約束していたわけでもないのにばったり出会ったことが読み取れます。
ニアミスの英語表現
「ニアミス」を英語で表現するなら、例えば以下のような例が考えられるでしょう。
(どうやら私は昨日彼女と「ニアミス」したらしい。)
遭遇したのではなく「ニアミス」だった為、「思われる」という意味の「seem」を使っていることが分かります。
(私たちはその市で「ニアミス」した。)
「nearly miss」以外には「almost miss」も同じような意味で使われることがあります。
この例は過去の内容の為過去形の「missed」になっているというわけです。
まとめ この記事のおさらい
- 「ニアミス」は元々「航空機が異常に接近すること」を意味する専門用語だった。
- 「ニアミス」は「悔しい」や「惜しい」という意味で使われることも多い。
- 「ニアミス」は「重大事故には至らなかったものの何かしらのミスがあった」ことを意味する医療用語としても使われる。
- 「ニアミス」の類義語としては「ニアピン」や「ヒヤリハット」、「ケアレスミス」が挙げられる。