今回は「了解しました」という言葉について解説します。

ビジネスシーンでしばしば用いられている「了解しました」という言葉。敬語と認識されることもありますが、敬語ではなく丁寧語です。気づかずに使っていると、失礼に当たることもあります。

本記事では、「了解しました」の意味や使い方を、類義語と比較しながらの解説と、英語表現についての解説をしていきます。これらを押さえることで、仕事上のコミュニケーションが円滑になることが期待できます。

「了解しました」の意味と使い方

「了解」とは、「理解」と同じく、「ものごとの意味や事情がわかる」という意味を持つ言葉です。

「了」という漢字にも「解」という漢字にも「わかる」という意味があります。また、かつては「了」ではなく「諒」という漢字が使われていましたが、現在では「了」を使うのが一般的です

もともとは軍隊や警察で使われていた言葉でしたが、しだいに一般化していきました。何かを頼まれたときや指示・命令、連絡を受けたときにその旨を理解したことを伝えるために使います。

  • 「明日からの出張の件、了解しました。」
  • 「資料を20部コピーするんですね?了解しました。」

「了解しました」は敬語ではなく丁寧語

「了解しました」は敬語ではありません。「了解」という熟語に丁寧語の「しました」をくっつけたものです。「わかりました」に比べて少々改まった表現というだけで、同僚や部下などの、同等以下の立場の人を相手にしたカジュアルな丁寧語といえます。

「了解しました」と「了承しました」の違い

「了解しました」と似た言葉に、「了承しました」というものがあります。どちらも同じ意味のように思えますが、両者は少しニュアンスが異なります。

まず、「了承」という言葉の意味は、「相手の事情をよくわかった上で、依頼や申し出を聞き入れること」です。よく企業などからのメールや契約書などに「ご了承ください」「何卒ご了承の程、よろしくお願い申し上げます」などと表記されていますが、これは「こちらの事情について納得してほしい」とお願いをする場合に使う表現です。

その了承に「了解しました」と同様、「しました」という丁寧語をくっつけて「了承しました」となります。こちらも敬語ではありません。

また、「了解しました」というのは、相手から言われた内容を理解しただけなのに対し、「了承しました」には、「承る(うけたまわる)」という文字からもわかるように、依頼などを理解するだけでなく「受け入れる」というニュアンスも加わります。

「了解しました」のビジネス上での使い方

ビジネスシーンでは、「了解しました」という言葉が頻繁に使われています。同僚や部下から業務の手伝いなどを頼まれたときや、会議や商談などで日時と場所を指定する連絡があったときに、「了解しました」と返します。

ただし、誰に対しても使っていいというわけではありません。先述のとおり、「了解しました」は自分と同等以下の人に対して使うものなので、目上の人に使うと「失礼だ」と思われてしまうおそれがあります。

ビジネスでは失礼にあたる場合も

目上の人に「了解しました」というのはNGです。なぜなら、目上の人には謙譲語を使うのが基本で、「了解しました」のような丁寧語では敬意を示すには不十分だからです。「わかりました」と言っているのとあまり変わりません。

「了解しました」を目上の人に使用する場合は、「しました」の部分を「謙譲語」に変換する必要があります。「しました」の謙譲語は「いたしました」なので、「了解いたしました」となります。

「承知しました」では改まりすぎるものの、「了解しました」では軽すぎる、と感じるような相手に対して「了解いたしました」を使うことはできます。ただ、判断が難しい場合が多いかと思いますので、「了解」という言葉は使わないほうが無難です。

「了解しました」の類義語と例文

「了承しました」以外にも「了解しました」の類義語はあります。ここでは「承知しました」「かしこまりました」の2つについて解説します。共通点だけでなく、相違点もありますので、例文を混じえて説明していきたいと思います。

承知しました

「承知」は、先ほど解説した「了承」と同じく「承る」の文字が入っているので、「事情を知った上で引き受ける」という意味を持っています。

「しました」というと、こちらも丁寧語なのではないかと思ってしまいますが、少し違います。「承知しました」は「わかりました」の謙譲語なので、これだけで目上の人への敬意を示すことができるのです。また、「承知いたしました」とすると、より強い敬意のこもった丁寧な表現になります。

  • 「資料送付の件、承知しました。本日中に発送いたします。」

かしこまりました

「かしこまりました」は「相手に敬意を示した上で承知する」という意味を持っています。「畏(かしこ)まる」という動詞にはもともと「畏れ入ってつつしみのある態度をとる」という意味があります。最初は紙や精霊に対する畏怖の念を表すための言葉でした。やがてそれが人に対しても使われるようになり、「かしこまりました」と目上の人からの命令や依頼をつつしんで受け入れる際に使います。

「かしこまりました」は飲食店などの接客業務で使うイメージが強いですが、実はそれ以外のビジネスシーンで使っても問題はありません。むしろ「浅学非才の未熟な身ではございますが、精一杯務めさせていただきます」という最大限にへりくだるニュアンスがあるため、「承知しました」よりも強い敬意を示すことができます。

  • (資料を8月31日までに送付するよう依頼を受けて)「かしこまりました。それでは8月31日までに資料を20部送付いたします。」

「了解しました」の英語表現

「了解しました」と英語で言いたい場合は、「OK」や「No problem」でも十分です。

しかし、ビジネスシーンで使うのは流石に気が引ける人も多いかと思いますので、よりフォーマルな表現も網羅します。

聞き慣れたものでいえば、「Certainly」がフォーマルな単語なので、ビジネス上で使うことができます。

他にも「Welcome」「Absolutely」「With pleasure」などが「了解しました」というのに適しています。それぞれのフレーズの間に「承知しました」や「かしこまりました」との違いのようなものはなく、フォーマルに使えるフレーズならば何を使っても問題はありません。

まとめ この記事のおさらい

  • 「了解しました」は相手からの指示や連絡の内容を理解したことを伝えるための言葉である
  • 「了解しました」は敬語ではなく丁寧語なので、目上の人には使えない
  • 「了承しました」は「了解しました」に比べて受け入れるニュアンスが強い
  • 「承知しました」と「かしこまりました」はどちらも目上の人に使えるが、「かしこまりました」のほうが強い敬意を示せる

「了解しました」についての解説は以上です。

「了解しました」とその類義語の間にはニュアンスや敬意の程度などの微妙な違いがあります。気軽に使える便利な言葉ですが、目上の人には使えません。一方、「承知しました」や「かしこまりました」は目上の人に使えますが、同等以下の人に対して使うと硬すぎる印象を与えてしまいます。立場以外にも、相手との距離感というのも敬意の示し方に影響するので、考慮する必要があります。

それらを勘案しつつ、どのフレーズを使うのかを判断できるようにしておくことで、周囲からの印象が良いものになっていくことでしょう。