有用性とは?正しい意味や使い方、英語表現などを解説

有用性

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この記事では「有用性」という言葉について、意味や使い方、類義語、対義語、英語表現などを、例文を交えて解説します。

「有用性」は日常会話ではあまり馴染みのない言葉かも知れませんが、ニュース記事などで目にすることがあるでしょう。また、ビジネスシーンでも文書や会話中に登場することがあります。その場になって話に置いて行かれることがないように、この機会にしっかりと理解しておきましょう。

有用性の読み方・意味・使い方

有用性の読み方

「有用性」は「ゆうようせい」と読みます。「有用」という言葉に、人や物に備わる性質・傾向表わす「性」がついて成り立っています。

「有」は音読みで「ユウ・ウ」、訓読みでは「あ(る)」と読みます。「有」を使った他の単語には「有益(ゆうえき)」「有終の美(ゆうしゅうのび)」「有為転変(ういてんぺん)」などがあります。

「用」は音読みで「ヨウ」、訓読みでは「もち(いる)」と読みます。「用」を使った他の単語には「用途(ようと)」「天地無用(てんちむよう)」「意を用いる(いをもちいる)」などがあります。

「性」は人や物に備わる性質・傾向を表わすもので、「有用」につくことで、「有用な性質をもったもの、人」の意を示します。
「性」は音読みでは「セイ・ショウ」、訓読みでは「さが」と読みます。「性」を使った他の単語には「性質(せいしつ)」「性根(しょうね)」「性善説(せいぜんせつ)」などがあります。

有用性の意味

「有用性」の意味は「役に立つこと」です。人や物など、何かに対して役に立つことをさして、「有用性がある」といいます。

有用性の医学用語としての意味

医学用語としての「有用性」は、「臨床的有用性」と言う言葉で使われていて、有効性と安全性の両方を相対的に考慮した結果について用いられます。

例えば菌の殺傷力が抜群に強い薬が発明されても、それを使うことにより人体に命にかかわるような負担がかかるようでは、その薬は有用性があるとはいえません。効果と安全の両方を兼ね備えていることが「有用性」となります。

有用性の使い方

「有用性」は「何かの役に立つこと」です。よく使われる言い回しとしては次のようなものがあります。

  • 有用性がある
  • 有用性が高い
  • 有用性を発揮する
  • 有用性が明らかになる

このときにポイントになるのが、「何にとって役に立つのか」ということです。「有用性がある」と言った場合にはそこに必ず「~にとって」という意味が含まれています。例えば、殺虫剤は人間にとって有用性があるものですが、虫から見れば有用性があるとはいえません。

このように「有用性」はすべての人、すべての物に対して役に立つ様子を表わすものではなく、ある人(物)にとって役に立つという主観的な観点を含んでいます。

有用性のビジネス上での使い方

ビジネスでは、報告書などの文面やプレゼンなどで「有用性」ということばを用いる場面があるでしょう。

「モニターアンケートの結果から、この商品は30代の女性に対して有用性が高いと考えられます。」のように物に対して使ったり、「仕事の範囲を限定しないマルチプレイヤーは当社にとって有用性のある人物です。」のように人に対して使うこともできます。

有用性の例文

「有用性」は「人や物など何かに対して役に立つこと」です。例文をいくつか紹介します。

  • ラジオは災害時に有用性を発揮する。
  • どんな年代の人にとっても有用性の高い商品の開発が急がれる。
  • 先日の会議で、新薬の有用性が報告された。

次に、「有用性」を使った例文を文献から紹介します。

  • 解剖学教育の有用性は、結局その辺にあろうか、と常々考えている次第です。(養老孟司『ヒトの見方』)
  • もちろんファシリティのある人間の有用性については疑う余地がない。官僚などはその最たるものである。(渡部昇一『新常識主義のすすめ』)

有用性の類義語と例文

「有用性」と似たような意味を持つ言葉と例文をご紹介します。

「実用性(じつようせい)」
実用性は実際に使って役に立つこと。実際に使ってみて役に立つことを指し、基本的に人に対しては用いません。
例文:出産祝いには実用性のあるものが喜ばれる。
「有効性(ゆうこうせい)」
効きめがあること。役に立つこと。「効果」は「目的にかなった結果。ききめ。」の意味があるので、「有用性」よりピンポイントに、結果に対して「有効性」は使われます。
例文:この薬は風邪のひき始めに飲むと有効性が高い。
「利便性(りべんせい)」
便利なこと。都合のよいこと。
例文:利便性とデザインを両立させた使いやすいキッチンに仕上がった。
「役立つ」
役に立つ。使って効果がある。
例文:災害時には充電式のラジオが役立つ。
「便利(べんり)」
都合のよいこと。うまく役立つこと。
例文:荷物が多いときにはキャリーバックが便利だ。

有用性の対義語と例文

「有用性」と反対の意味を持つ言葉と例文を、次に紹介します。「~性」という言葉では該当がありませんが、「有用」が「役に立つ」という意味を持ちます。そのため「役に立たない」という意味を含む言葉をご紹介します。

「無用(むよう)」
「有用」の対義語は「無用」です。「役に立たないこと」の意味を持ちます。
例文:それは今の私にとっては無用なものだ。

「無用」を「必要がない」と言う意味で使った定型の言い回しとしては「心配無用」「他言無用」などがあります。また、「あってもかえって役に立たないもの」を表わす言葉として「無用の長物(むようのちょうぶつ)」という言い回しもあります。

「無用」以外に「有用性」の反対の意味をあらわす言葉としては次のようなものがあります。

「無益(むえき)」
利益にならないこと。無駄なこと。
例文:無益な争いは誰の特にもならない。
「役立たず」
役に立たないこと。また、そのような人や物。
例文:何度も遅刻や忘れ物を繰り返していては、役立たずと言われても仕方がないだろう。

有用性の英語表現

「有用性」は英語で「usefulness」です。

The usefulness of the advertisement is doubtful.
その広告の有用性は疑わしい。
The purpose of this research is to evaluate the usefulness of the new medicine.
この調査の目的は新薬の有用性を調べることです。

有用性についてのまとめ

  • 「有用性」は「ゆうようせい」と読みます。
  • 「有用性」の意味は「人や物など何かに対して役に立つこと」です。
  • 「有用性」の類義語には「実用性」「有効性」「利便性」などがあります。シンプルに「役立つ」「便利」と表現してもよいでしょう。
  • 「有用性」の対義語としては「無用」「無益」「役立たず」などがあげられます。
  • 「有用性」は英語で「usefulness」で表現します。