準拠とは|意味・使い方、畏敬との違い、英語表現と類語・対義語を解説

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ここでは、「準拠」のビジネスシーンにおける正しい表現方法、「準拠」を使用するときの注意点、実際にビジネスシーンで使う上での例文について解説しています。

またこの記事を通して、「準拠」という言葉の類義語と対義語、また「準拠」の英語表現についても学ぶことができます。

準拠の読み方と意味、使い方

「準拠」は、「じゅんきょ」と読みます。

「準拠」という熟語に使われている「準」という漢字には、「なぞらえる」「のっとる」「よりどころにする」という意味があり、あるものを基準にしてそれにならう、またあるものと同様の資格で扱うという時に使用します。
また「拠」という漢字にも「準」と同じく「よりどころ」「たよる」という意味があり、ある事の成り立つ根拠となる事柄を示すときに使います。

そのため、「準拠」は、「あるものをよりどころとして、それに従う」という意味で、「既にある規格」や「基準」「標準」に従うことをあらわします。

また「準拠」という言葉は、「準拠します」や「準拠させる」のように使うのが一般的で、下記のように使用します。

  • 法律に準拠します。
  • プライバシーポリシーに準拠します。
  • 契約内容に準拠させます。

いずれも「法律」や「プライバシーポリシー」、「契約内容」をAとしたとき、「Aをよりどころとして従う」、「Aを標準として従う」という意味を持ちます。

準拠のビジネス上での使い方

「準拠」はビジネスシーンで多く使われる言葉です。
特に「法律」に関する文章で多く見られ、「準拠法」「JIS準拠」などの専門用語としても使用されます。

「準拠法(じゅんきょほう)」とは、国際取引で問題となる特約のことを示します。一般的な日本国内での取引では日本の法律が適用されますが、海外企業との国際取引の場合、どちらの国の法律に準拠するかを定める契約条項のことを表します。

「JIS準拠」とは、「日本工業規格(Japan Industrial Standards)」のことで、法律に基づいて制定された国家規格を示します。そのため製品に「JIS準拠」という記載がある時は、日本国内の統一規格に準拠した製品であるという意味となり、一定の品質が保持されている証明となります。

また「準拠」という言葉のビジネスシーンでの使い方としては、下記のものがあげられます。

  • 社内規定に準拠した資料を作成する。
  • 国際規格に準拠した製品作りを目指す。
  • 当規約は当社のプライバシーポリシーに準拠しています。
  • 本サービスは当社規約に準拠しています。
  • 指導要領に準拠したマニュアルブックを制作する。

準拠の類義語と例文

準拠の類義語には、「従う(したがう)」「則る(のっとる)」「標準(ひょうじゅん)」「遵守(じゅんしゅ)」「適合(てきごう)」「準用(じゅんよう)」「依拠(いきょ)」などが挙げられます。

「従う」の意味と例文

「従う」には、「後ろについていく」「後に続く」「沿う」「たどる」「他からの動きに順応する」「応じる」などの意味があります。

例文
・交通ルールに従い、車を運転してください。
・日本建築の様式に従い、建造を行う。

「則る」の意味と例文

「則る」には。「規準・規範として従う」という意味があります。

例文
・次回のコンペは、社内規定に則って行われる。
・スポーツマンシップに則り、戦うことを誓います。

「標準」の意味と例文

「標準」には、「判断のよりどころや行動の目安となるもの」「基準」という意味があります。

例文
・彼女の語学力は標準より劣っている。
・何を標準として判断したらよいかわからない。

「遵守」の意味と例文

「遵守」には、「守り従う」という意味が意味があります。

例文
・法令に遵守し、選挙活動を行う。
・国際法を遵守した製品開発を行う。

「適合」の意味と例文

「適合」には、「ある条件や事情にぴったり当てはまる」という意味があります。「準拠」と同じように規格に従っているという意味がありますが、「準拠」が「大きく外れていない」というニュアンスを持つのに対し「適合」は「ぴったり」という意味合いが強い言葉となります。

例文
・社会に適合するためには、コミュニケーション能力を身に着けることが重要だ。
・現代社会に適合した教育方法を実践する。

「準用」の意味と例文

「準用」には、「ある物事を標準として適用する」という意味があり、「適合」と同じように「ぴったり」というニュアンスを持つ言葉となります。

例文
・社員の就業規則を嘱託社員にも準用する。
・当ライセンス契約は、ライセンシーとサブライセンシー間の契約に準用している。

「依拠」の意味と例文

「依拠」には、「あるものに基づく」「よりどころとする」という意味があります。「依拠」という熟語にある「依」という漢字には「よる」という意味があり、「準拠」が「準ずる」=「大きく外れていない」というニュアンスを持つのに対し、「依拠」は「一致する」という意味合いが強い言葉になります。

例文
・どの法律に依拠するべきかわからない。
・この法律は、過去の判例に依拠し作られている。

 

準拠の英語表現

「準拠」の英語表現として「base on~」「conform to」があげられます。

「base on」の「base」には、「土台」「基礎」「台座」「底」「根拠」という意味があり、「on~」とつなげることで、「~に基づく」「~に準拠する」という意味を持つ動詞になります。

「base on」の例文

  • This film is based on a true story.
    (この映画は事実に基づいている)
  • Her theory is based on experience.
    (彼女の理論は、経験に基づいている)
  • The machines are based on the Electric Power Plant.
    (その機械は、発電装置に基づいている)

「conform to」の「conform」には、「従う」「守る」「一致する」「同じである」「同化・同調する」という意味があり、「to~」とつなげることで、「~に従わせる」「~に適合させる」という意味を持つ他動詞になります。「base on」が基づくという意味合いを持つのに対し「conform to」は「適合」「一致する」というニュアンスが強い言葉となります。

「conform to」の例文

  • We must conform to the customs on the country.
    (私たちはその国の習慣に従わなくてはならない)
  • The assemblies conform to the acceptance specifications.
    (この部品は受け入れ仕様に適合する)
  • He conform to the regulations to the new Act.
    (彼は規定を新しい法律に一致させた)

まとめ この記事のおさらい

  • 準拠には「なぞらえる」「のっとる」「よりどころにする」という意味がある。
  • 準拠はビジネスシーンで多く使われる言葉である。
  • 準拠には「従う」という意味があるが、「大きく外れていない」というニュアンスが強い言葉である。
  • 準拠は、「準拠法」「JIS準拠」というように専門用語として使用される言葉である。「準拠」の類義語には、「従う(したがう)」「則る(のっとる)」「標準(ひょうじゅん)」「遵守(じゅんしゅ)」「適合(てきごう)」「準用(じゅんよう)」「依拠(いきょ)」などがある。
  • 「準拠」の英語表現は、「base on~」「conform to~」である。