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この記事では「抽象的」という言葉について、意味や使い方、同義語と対義語、英語表現などを解説します。
「抽象的」という表現はビジネスシーンでもしばしば登場します。はっきりと意味を理解しないまま、なんとなく話を合わせている人もいるのではないでしょうか。この記事で意味や使い方をしっかり理解することで、社会人としての自信を深めましょう。
抽象的の読み方・意味
抽象的の読み方
「抽象的」は「ちゅうしょうてき」と読みます。「抽象」に「的」がついた単語です。
「抽」は音読みで「チュウ」、訓読みでは「ぬ(く)」「ひ(く)」と読みます。「抽」を使った他の単語には「抽出(ちゅうしゅつ)」「抽選(ちゅうせん)」、少し変わった読みをするものでは「抽斗(ひきだし)」があります。
「象」は音読みで「ショウ、ゾウ」、訓読みでは「かたち、かたど(る)」と読みます。「象」を使った他の単語には「象形(しょうけい)」「印象(いんしょう)」「気象(きしょう)」などかあります。また、動物のゾウを漢字で書く時も、この「象」の字を使います。
抽象的の意味
「抽象的」には次のような意味があります。
①いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま。
②頭の中だけで考えていて、具体性に欠けるさま。
①は「ものやことの特徴をおおまかにとらえて考える」ということです。
果物を例に考えてみると、「福岡県産いちご『あまおう』」「栃木県産いちご『あまおう』」というような分類は抽象的ではありません。
これを一般化していくと、
産地にこだわらず「国産いちご」
↓
国産にこだわらず「いちご」
↓
いちごは果物の一種なので「果物」
↓
果物は食べるものなので「食べ物」のようになります。
この考え方で一般化していくと、岡山県産マスカットも青森県産りんごも「食べ物」になり、「パン」「米」「肉」も食べ物に一般化されます。
このように、共通なものを抜き出して一般化して考えることを、「抽象的に捉える」「抽象的に考える」といいます。
②は意見や説明に具体性がなく、何について言っているのかがはっきり分かりにくいようなことをあらわしています。
例えば会議で次の企画のアイディアを出し合うとします。「おいしい店の特集にしようと思っています。」と発言したとしたら、これは抽象的な意見です。「おいしい」という表現は、ぼんやりとした印象を言っているだけで具体性がありません。
「口コミサイトの評価が4以上のラーメン屋を特集します。」と言えば、具体性があり抽象的ではない意見になります。
抽象的のビジネス上での使い方
「抽象的」はビジネスシーンでもよく使われます。①の意味、「いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま」に該当する使い方としては、「もう少し抽象的に捉えたほうが柔軟な考え方ができるのではないか」というような場面で使います。
分かりやすいように例を出して説明すると、例えば「ABCコンビニでツナマヨのおにぎりを買ってきて」と頼まれたとします。
これは具体的な表現で頼まれていますが、このままを捉えてしまうと、ABCコンビニでツナマヨのおにぎりが選り切れていた時に応用がききません。ABCコンビニをコンビニ、ツナマヨをマヨ味の具、と抽象的にとらえれば、別のコンビニでエビマヨを買っていくことができます。
もうひとつ、転職活動を例にあげます。紳士服の店で販売経験者を募集していたとします。抽象的に考えられない人は、「私はファーストフードでのアルバイト経験しかないから応募条件に一致しないな」と応募をあきらめてしまうでしょう。
しかし抽象的に捉えれば、どちらもお客様相手の接客というくくりになり、応募のチャンスが生まれます。
このように、具体的に考えすぎても行き詰まってしまうときには、抽象的思考が役に立つことがあります。
「②頭の中だけで考えていて、具体性に欠けるさま」に該当する使い方としては、発言に具体性がなくわかりにくいときに「抽象的にいわれてもわからないから、もっと具体的に説明してください」のように使われます。
例えばお店の内装を業者に依頼するとします。「爽やかな感じの素敵なお店にしたい」と抽象的にいわれても、その人の頭の中にイメージがあるだけでは受ける側には伝わりません。
「壁紙は〇〇店の看板のようなブルーで」と具体的に表現したり、サンプルを見せて具体的に話を進める必要があります。このようなときに「抽象的でわかりにくい」と指摘される表現で使われます。
抽象的の例文
抽象的は「ものごとを一般化して考えること」「具体性に欠けること」の意味で使われます。次に例文をいくつか紹介します。
抽象的の類義語・例文
「抽象的」と似たような意味を持つ言葉と例文を、次に紹介します。
形や内容などがはっきりしておらず具体的でないこと。
例文
あなたの反対意見には具体性がありません。
特定の分野や専門にこだわらず、おおまかに全体から見たさま。
例文
今日のところは概括的に把握しておけば問題ありません。
個別的な違いを捨て共通のものを残すことによって広く通じる概念・法則を作ること。
例文
一般化すれば、肉も野菜も食べ物であることに変わりはない。
抽象的の対義語と例文
「抽象的」の対義語は「具体的(ぐたいてき)」です。「具体的」は「一般的という意味での抽象的に対し、実体的・個別的なさま」の意味があります。
「具体的」を使った例文
抽象的の英語表現
「抽象的」を英語で表現するには「abstract」を使います。
この議論は抽象的すぎる。
私は抽象時に考えるのが得意ではありません。
また、「一般的な」を意味する「general」を使うこともできます。
あなたの話は抽象的すぎる。
抽象的についてのまとめ
- 「抽象的」の意味は「いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま」「頭の中だけで考えていて、具体性に欠けるさま」です。
- 「抽象的」はビジネスシーンででよく使われます。ものごとを広く大きく捉えてみる必要があるときなどに「もう少し抽象的に捉えてみよう」のように使ったり、話が具体的でないときに「抽象的すぎて分かりにくいので具体例を出してください」のように使います。
- 「抽象的」の類義語には「具体性がない」「概括的」「一般化」などがあります。
- 「抽象的」の対義語は「具体的」です。
- 「抽象的」は英語で「abstract」を使います。「general」を使って表現することもできます。