堂々としている人というと、キャリアを積んだベテランを想像するかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

経験の浅い新人であっても、堂々としている人はいますし、逆に、ベテランであっても当てはまらない人もいます。

ここでは、堂々としている人とはどのような人か、また、においてどういうメリットがあるのかについて解説いたします。

堂々とした性格の意味とは何か

まず、「堂々とした」という言葉は、「立派な様子」や、「物事を恐れずに行動する様子、こそこそせずに行うこと」を表す言葉です。
「威風堂々」「正々堂々」「堂々たる」「堂々と行う」といった使われ方をします。

ビジネスにおいては、「周りの人に対して自分の意見が言える人」「毅然とした対応ができる人」「大勢の前でもじもじせずに振舞える人」「隠し事をせずに仕事に向かう人」などを指して使われる言葉。

そもそも「堂々」の語源を見てみると、「堂」とは、来賓を迎えたり式を執り行ったりする、表御殿や正殿のこと。
そこから、態度や立ち振る舞いが立派である、威厳があることを指して、「堂々」と言われるようになりました。

関連して、「堂々」に「正々」がついた、「正々堂々」という言葉もよく用いられます。
「正々」は正しく整っている様子を表し、「堂々」は威厳があり立派な様子を表すため、
「正々堂々」とは、ごまかしや偽りなく、真正面から物事にあたることです。
この「正々堂々」の出典は、孫子の『軍争篇』といわれ、本来は「正正の旗、堂堂の陣」「旗の列が整い、士気の盛んな軍隊」を表しています。

堂々とした性格の英語表現

「堂々としている」を英語で表すなら、“dignified”や、“confident”を用いることができます。また、“magnific”も場合によっては意味が合うでしょう。

“dignified”は、「威厳のある、品位のある、高貴な」といった意味があり、“confident”は、「確信した、自信のある」といった意味をもつ形容詞です。ビジネスにおいて、「彼は、聴衆の前のスピーチにおいても堂々としている」といった意味で用いる場合は、“confident”が合うでしょう。

“magnific”は、「見事な」のほかに、「もったいぶった、尊大な」といった意味もあるため留意しておきましょう。

「堂々としている」がもつ意味を大きく二つに分けて、似た意味をもつ類語を見てみましょう。

まず一つ目は、「厳かな雰囲気がある様子」を表す場合について。
ビジネスにおいて言うならば、「部長は堂々とした人物だ」「彼女は、新入社員ながら、堂々としている」などと使う場合です。
この類語としては、「貫録のある、威厳がある」「品がある、風格がある、気高い」などが挙げられます。
仕事や実績で皆に一目置かれるような雰囲気があることを表現するならば、「重みがある、存在感がある」といった言葉もあります。
また、見かけだけでなく、その人柄や人気にまで言及する言葉としては、「人徳のある、徳の高い」、「押しも押されもせぬ」などもあります。

そして二つ目は、「作品などが見るものを圧倒するものであること」や「優れていること」を表す場合について。
ビジネスにおいて言うならば、「A社がプレゼンで発表した作品は、堂々としたもので、他社を圧倒した」などと使う場合です。
この類語としては、「力強い」「スケールの大きい」「立派な、大した、素晴らしい、天晴れな、見事な、偉大な、大いなる」などが挙げられます。

 

堂々としている人の特徴1:自分の信念や考え方をしっかり持っている

堂々としている人は、自分が何をしたいか、何をすべきかが明確に見えています。
それが、どんなときでも物事に動じない一貫した態度、悠然とした立ち振る舞いにつながっています。
周りからは、「ブレない人」などと言われることも多いでしょう。

経営者や役員の場合は、過去の実績が、堂々とした態度の根拠となります。
これまで、多くの人に接したり、大勢の人の前で意見を述べるといった場面も多く、
また、困難に際して自身で努力し、切り拓いていった経験値が高いため、それらがすべて態度や風格に現れるのです。
実際に自分が成し遂げてきた事実に裏打ちされているからこそ説得力があり、それが人としての「深み」となっているのです。

また、経験の浅い社員であっても、堂々としている人はいます。
たとえビジネスの経験は浅くても、目標や夢がしっかりしていれば、それが自信となり、発言にも自信と一貫性がうまれ、周りからの評価につながります。
自分が譲れないものは何か、大切にしているものがはっきり見えていれば、経験の浅さを補うことができると言えます。

堂々としている人の特徴2:周りとの関わり方が上手い

堂々としている人は、自分の中から湧いてくる目標や想いが強いだけではなく、同時に「周りとの関わりが上手い」という特徴があります。
自分がこうしたい、と強く主張するだけでは、周りから認められることは少ないでしょう。
やはり、自分の置かれている立場を理解して、その中で、どう立ち振る舞うかを心得ているからこそ周りからの評価が得られ、
その結果として、自然と自分の主張が通ることも増えていきます。

とくに、周りとの関わり方が試されるのが、困難や壁にぶつかったときです。
ビジネスにおいては、最初から最後まですべて順調で、とんとん拍子に事が運ぶことはほとんどありません。
自社の中での調整、他社への競争力を高めるための試行錯誤、予算やスケジュールの調整、上層部と現場との意見や意識のすり合わせなど、
クリアすべき課題は多いものです。
そんなとき、「自分はこう思う、こうしたい」と主張だけしても、通るわけではありません。
自分の信念は曲げないで、環境のなかで自分ができる努力を行い、周りと協働して解決していくことができるからこそ、評価が後からついてくるのです。

堂々としている人の特徴3:物事を俯瞰できる

堂々としている人は、目の前のことだけでなく、広い視野をもち、物事の全体像を俯瞰できるという特徴があります。
ビジネスにおいて言えば、たとえば若手社員であれば、たとえ任されているのが単純作業のようなものであっても、
目の前の作業に追われるのではなく、その作業が業務全体においてどういう位置づけ、役割を持つものなのかを理解しています。
そして、「全体の目標を達成するには、この作業の部分はこうしてもよいのは」といった前向きな提案を行うこともできるのです。

ベテラン社員になると、多くの経験を積み、人と接する機会も増え、問題を解決することも増えていきますから、
おのずと視野が広がり、全体を俯瞰できるようになることも多いでしょう。
一方、そういった経験を生かせず、いつまでも目の前のこと、自分のことだけを見つめて「やらされている感」だけが増えてしまうと、「堂々とした人」と周りから評されることはなく、むしろ「あきらめた人」と見られる可能性が高くなってしまうでしょう。

堂々としている人の特徴4:主体的に仕事に挑める

堂々としている人は、受け身の姿勢ではなく、自らが主体的に仕事に臨む特徴があります。
いわゆる「やらされている感」「イヤイヤ感」はなく、自ら主体的に、前のめりで取り組む姿勢になります。
ビジネスにおいて言えば、仕事の量に追われてあくせくするのではなく、自らの意志で、自ら仕事をハンドリングして行う、
必要ならば改善のために提言していく、という姿勢になります。

堂々とした姿勢で臨むと、おのずと言動も変わってきます。
「こんな仕事、やりたくない」「こんな仕事、早く終えてしまいたい」「くだらない、意味がない」といった言葉はまず出ないでしょう。
「業務の目標はこれで、自分はその目標を達成したいと思っている。そのために、この部分が必要だからこの作業を行っている」と納得して作業を進めていきます。
そういった前向きな態度は、上司や同僚、他部署の人であって、案外よく見ているもので、周りにも良い影響を与えるものです。
一人の言動で、皆の意識を前向きに変えることもでき、さらに評価が高まるでしょう。

堂々としている人の特徴5:媚びない

堂々としている人は、相手の肩書きや属している組織によって、態度を変えない、媚びないという特徴があります。
ビジネスにおいて言えば、相手が大企業である、社長である、有名な人である、といったことで、急に媚びた態度になるようなことはありません。
もちろん、目上の方にはのない態度をとりますが、いわゆる「ご機嫌取り」をすることはありません。
そういった態度は、周りの人にとって、堂々としていて尊敬できると思われるでしょう。

また、ビジネスの相手にとっても、魅力的にうつる場合があります。
例えば、社長や役員、取引先などに対して、心にもないお世辞を並べて気に入ってもらおうとするよりも、
堂々と語り、まっすぐ意見を述べる人のほうが、かえって信頼を得られるということもあるでしょう。

一つ注意点があるとすれば、そういった毅然とした態度が「愛想がない」と言われてしまう場合もあるということ。
「あいつは正しいけれど可愛げがない」などと言う人も、中にはいるものだからです。
ただし、媚びないけれど、笑顔でいる、はつらつとしている、という態度であれば、この問題はかなり避けられます。
堂々と意見を言う際に、こわばった表情であれば堅い印象、頑固なイメージを与えてしまいますが、
口角をあげて、たまにほほ笑み、まっすぐ相手の目を見て語る姿勢であれば、他人から文句を言われる隙はないでしょう。

堂々としている人との

堂々としている人が自分の上司や同僚だった場合は、よい刺激を受ける相手として見ておくとよいでしょう。
堂々とした人は意見をしっかり述べ、臆することなく前へ進むタイプですから、自分にとっても良い刺激になるはずです。
上司だった場合は、信頼でき、また、大きな指針を与えてくれ、困ったことについては相談できるので、とても恵まれた環境になるでしょう。

ただし、自分自身があいまいな態度やいい加減な態度をとるのは禁物。
たとえば、「なんとか手を抜いて楽をしたい」「自分で解決策を考えつかないから、上司に頼っちゃおう」などと考えてしまうと、そういった気持ちはすぐに見抜かれてしまいます。
堂々としている人は、まっすぐな意志を持つ人ですから、ずるい考えをもったまま接すると、思うようなアドバイスが得られないばかりか、
信頼関係を崩してしまうことにもなりかねません。

堂々としている人は、同僚や上司として頼れる相手だからこそ、こちらもしっかり心を定めて、接することが大切。
「自分でできることはする、ここの部分については、指針やアドバイスが欲しい」などと、明確に、前向きに接すると、功を奏するでしょう。