企業スローガンとは何か 作り方のポイントと大企業のスローガン例

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テレビや新聞などの企業広告でよく見かける、短いキャッチコピーは、企業の理念や考え方が短い言葉で書かれたものであると、「企業スローガン」と呼ばれます。

スローガンひとつで、企業に対する世間の印象も大きく変わります。スローガンは企業を飛躍させるためにも不可欠なものといえるでしょう。ここでは企業スローガンとはなにか、の作り方のポイントと、参考になる大企業スローガン例について解説します。

そもそもスローガンとはなにか?

スローガンはスコットランド人が危急の際にあげた「ときの声」が語源といわれています。

政治の世界では、政党や団体の呼びかけや訴えの言葉をスローガンと呼び、企業スローガンは、企業理念など、消費者に伝えたいことをキャッチコピーにしたものです。

企業の本質が理解できる「会社の顔」ともいえます。企業がどのような考え方で商品やサービスを提供しているのかという姿勢を伝える事が、企業スローガンの役割です。スローガンが明確でないと、消費者や取引先だけでなく、社員にもアピールできません。

目標の定まった効果的な企業スローガンを作り上げることが重要です。

企業スローガン作りのポイント

消費者や取引先、社員の心に響く効果的な企業スローガンを作るためのポイントは3つあります。

スローガン作りではターゲットを明確にする事がポイント

商品やサービスを提供する上で、ターゲットを意識することはもっとも重要なポイントです。世間に必要とされていない目標をかかげても「暖簾(のれん)に腕押し」となってしまいます。

企業スローガンを作る上でもターゲットを明確にすることは不可欠です。ターゲットが消費者の場合、男性なのか女性なのか、年齢は、仕事は、というように、具体的にターゲットを絞り込んでいきます。特定の個人をイメージしても構いません。

まずは、明確なターゲット像をイメージすることが大切です。

スローガン作りではターゲットの立場になる事がポイント

商品開発力に自信のある企業が、ターゲットとなる主婦に「最高の商品を提供します」とアピールしたとしても、主婦にとっては何が「最高の商品」かピントきません。

一歩間違えれば、企業の開発力の自慢と感じる人もいるかもしれません。主婦にとって開発力よりも、主婦の生活にどのようなメリットを与えてくれるのかが重要です。例えば「あったらいいな、を形にする」は芳香剤や医薬品メーカーの小林製薬株式会社のブランドスローガンです。まさに主婦の立場になったキャッチコピーとえるでしょう。

ターゲットの立場になって企業を見直し、ターゲットに対して何ができるのかを考えてスローガンを作りましょう。

スローガン作りでは未来につながるイメージがポイント

企業スローガンはターゲットとなる層だけでなく社員のモチベーションともなる重要なものです。

末永く消費者や取引先に愛される企業になるというイメージをスローガンに込めることも大切です。先程の「あったらいいな、を形にする」はまさに、未来永劫「あったらいいな」を作り続ける企業の姿が明確に伝わるスローガンといえるでしょう。

ターゲットだけでなく社員のモチベーションをアップさせるような、企業の未来につながるスローガン作りが大切です。

 

四文字熟語とスローガン

新年の抱負や座右の銘などによく使われるのが「四文字熟語」です。四文字熟語は会社の方針や目標などに使われます。スローガンとして使用できそうな四字熟語は以下の通りです。

一致団結
目標や方針などによく使われる四文字熟語です
切磋琢磨(せっさたくま)
社員が一丸となって目標に向かう気持を鼓舞することは、企業が成長する上で不可欠な要素といえるでしょう。
不撓不屈(ふとうふくつ)
小さなことを積み上げて大きな目標を達成する意味で使います。辛いことにも耐えて乗り越えていく強い精神力を持つことは、営業職などには重要な心得ともいえます。「七転八起」も同様な意味で使われます。
温故知新(おんこちしん)
これまでの経験や知識を顧みて、新しいことにチャレンジすることは会社の発展には必要なことです。

この他にも、「臥薪嘗胆」「一球入魂」「勇猛果敢」「誠心誠意」などスローガンになりそうな四文字熟語が多くあります。

しかし、実際に四文字熟語を企業スローガンにしている企業は、ほとんどありません。理由は、四文字熟語だけでは企業の個性が表現できないからです。社内の部署の方針などには向いていますが、企業イメージを伝えるスローガンにはオススメできません。

企業スローガンを作る上での注意点

企業スローガンを作る上で注意したいポイントは、いくつかあります。

抽象的すぎない
「人々の幸福のために」「社会に貢献する」などの抽象的な言葉では、企業の具体的な姿勢が伝わりずらくなります。ターゲットが理解できるようなキャッチコピーが必要です。
日本語と英語を混在させない
音楽の歌詞などでは、日本語と英語が混在しているものは多くありますが、リズムとしての意味合いも大きく、スローガンのように明快にイメージを伝えるものではありません。ターゲットに違和感なく伝えるためには、日本語と英語が混在した不自然な表現は避けた方がよいでしょう。
極端な造語は使わない
ドリンク剤の「タフマン」や洗剤の「マイペット」などような造語は商品には多く見かけられます。造語はイメージを訴求するには効果的ですが、作り方次第ともいえるでしょう。スローガンでは、誰にでも伝わる分かりやすさが必要です。極端な造語は失敗の元になるので使わないのがベストです。
聞こえのよい単語は使わない
「想像」「価値」「挑戦」「貢献」などの単語は、聞こえはよいですが抽象的であることが難点です。抽象的な単語を使ったスローガンは、見せ掛けのイメージが強くなり、「ブラック企業では?」という憶測を生む可能性があります。

大手企業のスローガン例

最後に大手企業のスローガンの例は以下の通りです。

お口の恋人
誰もが知っているロッテのスローガンです。ロッテの社名が「若きウェルテルの悩み」のヒロインの名前が由来で、人々の「永遠の恋人」になれるようにという願いから、生まれたスローガンです。
一瞬も 一生も 美しく
化粧品メーカーの資生堂のスローガンです。女性の「その一瞬も一生も美しくありたい」という願いを見事に表現したスローガンといえるでしょう。
今日を愛する
人の人生は今日という日々の積み重ねで、充実した今日を生きることが幸せの本質であるという、150年の歴史を積み重ねたライオン株式会社ならではのスローガンです。
Inspire the Next
「新しい息吹を吹き込む」という日立のスローガンで、将来に向けての力強い言葉です。
Think different
アップル社の創業者スティーブ・ジョブスの言葉が、そのまま企業のスローガンになったものです。固定観念に縛られずに発想を変えてこそ、ナンバーワンになれるという企業姿勢は、数々のヒット商品を生み出しました。

スローガンについてのまとめ

  • スローガンは会社のイメージを伝える重要なキャッチコピーです。ターゲットを明確にしてターゲットの立場になって作ることが大切です。そして、ターゲットだけでなく社員への未来につながるメッセージとしての役割もスローガンにはあります。
  • 抽象的なものや日本語と英語が混在したもの、「貢献」「挑戦」などの聞こえの良い言葉、分かりにくい造語などは避けるようにしましょう。
  • スローガンは、企業が飛躍するエネルギーにもなります。紹介した企業のスローガン以外にも参考となるスローガンは数多くあります。色々検討して、企業に合った素晴らしいスローガンを作成して下さい。