働くスタイルが多様化している今、働き方のひとつとして話題になっているのが裁量労働制でしょう。わかりにくい制度ではありますが、自分自身の働き方に関わってくることもある制度なので、しっかり把握しておきたいところです。

ここでは、裁量労働制とは、高度プロフェッショナル制度・フレックス制度などそれらとの違い、裁量労働制の種類、メリット・デメリット、裁量労働制における遅刻や残業の扱い方についてご紹介します。自分自身の将来のためにも、働き方についてはしっかり把握しておくことができます。

裁量労働制とは?

裁量労働制とは、みなし労働時間制のひとつで、仕事のやり方や時間配分などを労働者本人の裁量で決めることができる制度のことを指しています。

業務の性質上、業務の進め方を労働者に任せたほうがいい場合に適用されることが多いでしょう。

それゆえに、裁量労働制は、厚生労働大臣により労働基準法の中で適用される業種が定められています。デザイナーなどの専門職、企画、調査、分析の分野などが主になるでしょう。

労働時間制と異なる点

労働時間制との大きな違いは、時間外労働時間手当の扱いでしょう。

裁量労働制では、労働時間は契約主と労働者の間であらかじめ決められます。しかし、それ以上の時間労働したとしても、基本的には時間外労働手当は支払われません。

また、みなし労働時間を一日7時間とした場合には、たとえ労働時間が3時間であろうと10時間であろうと7時間とみなされるので、給料の支払いには影響しないでしょう。

ただし、裁量労働制でも、みなし労働時間が法定労働時間の休憩時間を除く8時間を超える場合には時間外労働手当が支払われます。また、夜10時から翌朝5時までの深夜勤務、法定休日の勤務に関しては、割増手当が支払われることになっています。

裁量労働制と似た制度とそれらとの違い

裁量労働制を他の制度との違いからも把握しておくと、よりわかりやすいでしょう。

高度プロフェッショナル制度の違い

高度プロフェッショナル制度は、「残業代ゼロ法案」、「脱時間給制度」や「ホワイトカラー・エグゼンプション」とも呼ばれていることがあるでしょう。

この制度は、年収1075万円以上、専門的な知識を必要とする業種の専門職を、労働基準法の残業代や労働時間の規制から外す制度です。

労働者が労働時間を決められる点では、裁量労働制と同じでしょう。

違いは、高度プロフェッショナル制度には、深夜と休日労働に関わる割増手当もないところです。また、高度プロフェッショナル制度は証券アナリストやコンサルタント、研究開発職などに限定され、裁量労働制よりも対象の業種が少ないとこも違いです。

事業場外みなし労働時間制の違い

事業場外みなし労働時間制とは、職場=事業場以外のところで、一部または全部の業務を行う業種に適用される制度です。会社の外で働き、使用者の指揮監督が行き届かないところでの業務なので、労働時間を管理するのが難しくなるでしょう。そこで、みなし労働時間を設定して働くことになります。

裁量労働制と、みなし労働制のひとつで、あらかじめ労働時間を取り決めるというところでは同じでしょう。

しかし、事業場外みなし労働の場合は時間制でもあるので、時間外労働、深夜労働、休日労働手当の対象になります。また、どんな業種でも採用できる制度でもあるのも、裁量労働制との違いでしょう。

みなし残業制度の違い

みなし残業制度は「固定残業代制度」ともいわれ、契約で先に残業時間を設定してしまう制度です。実際の労働に関わらず、取り決められた残業代は支払われることになります。

裁量労働制と同じく、時には働いていない労働時間分も支払われるところでは同じでしょう。
みなし残業制度は、法的に定められた制度ではありません。また、裁量労働制は所定の労働時間すべての範囲を取りきえますが、みなし残業制度の場合には残業分だけの時間の取り決めをする違いもあるでしょう。

フレックスタイム制度の違い

フレックスタイム制度とは、会社が決めたコアタイムを含んでいれば、出退勤の時間は自由に決められる制度のことをさしています。

例えば、所定の労働時間は8時間、コアタイムは13:00から16:00とします。休憩時間1時間を含む9時間の労働時間は、10:00から19:00でも9:00から17:00、13:00から22:00でもいいということになります。

フレックスタイム制は時間の範囲が狭いですが、裁量労働制と同じく時間を決められるというところでは同じでしょう。
しかし、裁量労働制と違い、フレックスタイム制にはみなし労働時間は含まれない違いがあります。

裁量労働制の種類

裁量労働制は、業種によって専門業務型と企画業務型の2種類があります。

厚生労働省の定めでは、専門業務型とは「業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として厚生労働省令及び厚生労働大臣告示によって定められた業務の中から、対象となる業務を労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度」とされています。
19業務に限り適用されるもので、研究開発や出版の取材・編集、SE、証券アナリストなどが適用されるでしょう。
専門業務型裁量労働制は、労使協定を結ぶことが適用の条件になります。

参考 厚生労働省労働基準局監督課:専門業務型裁量労働制

企画業務型は、「知識、技術や創造的な能力をいかし、仕事の進め方や時間配分に関し主体性をもって働きたいという意識が高まって」いる労働者が多いので、「事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などにおいて企画、立案、調査及び分析を行う労働者を対象」にされた制度です。

対象の労働者が制度に同意するのが導入の条件になります。

参考 厚生労働省労働基準局監督課:企画業務型裁量労働制

また、専門業務型と企画業務型とも導入条件に細かな決まりがあるので、漏れのないように注意が必要でしょう。

裁量労働制のメリット、デメリット

裁量労働制の会社側へのメリットは、人件費の予測・計算がしやすい、それゆえに労務管理の負担も減ることでしょう。
労働者にとってのメリットは、拘束時間が短縮されること、自分のペースで仕事ができることにあります。

対して、裁量労働制の会社側へのデメリットは、導入手続きに手間がかかることがあります。個人にとってのデメリットは、長時間労働になる可能性があることでしょう。それにより、疲労や残業代が支払われない労働が発生する可能性もあることです。また、裁量労働制についての知識が不足している労働者にとっては、法律違反して会社都合で裁量労働制を適用されてしまう可能性もあります。

裁量労働制の遅刻、残業の扱い方

裁量労働制は、基本的には出退勤時間は決まっていません。そのため、遅刻はないものです。

しかし、実際には必要な会議などで出勤が決められていることもあるでしょう。また、時間割で出退勤時間を取り決めていることもあります。裁量労働制で遅刻があるのは、本来の裁量労働制からかけ離れているといえるでしょう。

基本的には、残業手当のない裁量労働制ですが、法定労働時間の1週間40時間、1日8時間は尊守しなくてはなりません。

ですから、みなし労働時間が8時間以下の場合には問題ありませんが、それを超えた部分については割増賃金を計算に含めなくてはなりません。みなし労働時間の設定は、裁量労働制の導入をきめるために書面による労使協定が交わされているはずなので、それで確認できるでしょう。

さらに、22:00から5:00までの深夜勤務と休日労働に関しては、裁量労働制でも手当が支払われるので周囲しましょう。

裁量労働制のまとめ

  • 裁量労働制とは、仕事のやり方や時間配分などを労働者本人の裁量で決めることができる制度のことをさしています。
  • 労働時間制との大きな違いは、時間外労働時間手当の扱いでしょう。
  • 裁量労働制と高度プロフェッショナル制度の違いは、深夜と休日労働の割増手当もないところです。
  • 事業場外みなし労働時間制との違い、時間外労働、深夜労働、休日労働手当の対象、またどんな業種でも採用できる制度であるところでしょう。
  • みなし残業制度との違いでは、みなし残業制度の場合には残業分だけの時間の取り決めをする違いもあります。
  • フレックスタイム制度との違いでは、フレックスタイム制にはみなし労働時間は含まれないところでしょう。
  • 裁量労働制には、専門業務型と企画業務型の2種類があります。
  • 裁量労働制のメリットは、会社は人件費の予測・計算がしやすい、それゆえに労務管理の負担も減ること、個人には拘束時間が短縮されること、自分のペースで仕事ができることにあります。
  • デメリットは、会社は導入手続きに手間がかかること、個人は長時間労働になる可能性があることでしょう。
  • 裁量労働制に遅刻はありませんが、残業はある場合があります。

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