嗜好品という言葉を聞くと、「趣味」や「趣向」など、似ている言葉もあるため、正しい使い方を自分がしているかどうか自信が持てない人も少なくありません。

ここでは、嗜好品の、由来や使い方と例文、「嗜好品」の「嗜好」と似ている言葉「趣味」「趣向」との違い、「嗜好品」の英語表現や類義語などをご紹介します。

この記事を読むことで、曖昧に使われがちな言葉を正しく使い回せるようになります。

嗜好品の意味は高揚感をたのしむこと

「嗜好品」は、「嗜好」と「品」からできている言葉です。「嗜好」は、たしなみ、好むことで、特に飲食物についての好みをさしています。

「嗜好品」は栄養のためではなく、味覚や嗅覚などを刺激され、心身の高揚感などを楽しむためのものを意味しています。

嗜好品の由来は森鴎外の短編小説

「嗜好品」は、比較的新しい言葉で、1912年の雑誌「太陽」に掲載された、森鴎外の短編小説『藤棚』で使われた事がきっかけです。

『藤棚』では「嗜好品」を、人生において必要ではあるけれども、毒になるものも多いとあらわしています。

嗜好品を正しく使うためには定義を確認する

「嗜好品」の正しい使い方のためには、対象のものが一般的に嗜好品といわれるものか判断する必要があります。

「嗜好品」の特質は、1999年に京都で行われた国際シンポジウム「楽しみと嗜好品を科学するシンポジウム QOLの向上をめざして」で以下のように定義されました。

1. 普通の飲食物ではない。栄養・エネルギー源を期待しない。
2. 普通の薬ではない。:病気治療を期待しない。
3. 生命維持に強い効果はない。
4. ないと寂しい感じ。
5. 食べると精神(心)にいい効果がある。
6. 人の出会い意思疎通を円滑にする。
7. 植物素材が多い。

嗜好品は、一般的には飲食物に対して使われますが、タバコや葉巻なども含まれます。

「嗜好品」は、大きくいうと習慣性の強いものと薬理学的に依存性の強いものに分かれます。お菓子や飲み物などは、食べたり飲んだすることは習慣になりえますが、依存にはなりません。

しかし、アルコール飲料やタバコなどは習慣だけにとどまらず、依存してしまうこともあるという特徴があります。

嗜好品を使った例文

食品の嗜好品には、スナック菓子だけでなくチョコレートなどがあります。
嗜好品の飲料には、コーヒーや紅茶、炭酸飲料だけでなく、お酒などのアルコール飲料もあります。
飲食物以外の嗜好品ではタバコが代表的ですが、一部の国や地域ではマリファナも嗜好品のひとつとしてたしなまれています。
嗜好品は必ずなくてはならないものではありませんが、ないとさみしい感じがします。
家計の節約を考えれば、まずは嗜好品を切り詰めていくのもよいでしょう。

嗜好と趣味との違いは計画性があるかどうか

「趣味」とは、専門としてではなく楽しみにすることや、ものがもつ味わいや、おもむきをさす言葉です。「趣味」を楽しむためには、計画的に行動することが前提です。

「嗜好」はほぼ無意識に欲するものであり、「嗜好」と「趣味」との違いには計画性があるかどうかという点があります。

例としては、「趣味に時間を費やす」といいますが、「嗜好に時間を費やす」とはいわない事があげられます。

嗜好と趣向との違いは受動的か能動的か

「趣向」には、おもむきや趣旨、おもしろみや趣を出すための工夫などという意味があります。「趣向をうかがう」や「趣向を凝らす」などと使うことができるでしょう。

「趣向」は無意識に欲する嗜好とは違い、能動的に好んで親しむことを意味しているため、「嗜好」と「趣向」は似ている言葉ですがることが大切です。

嗜好品の英語表現は「luxury grocery item」

「嗜好品」を英語表現にすると、「luxury grocery item」などと表現することができます。

1999年の国際シンポジウム『楽しみと嗜好品を科学するシンポジウム QOLの向上をめざして』では、「嗜好品」の英語表現として、日本側から「pleasure products」を提案していました。

しかし、実際のシンポジウムで多くの欧米人は、日本語のローマ字表記である「shikohin」を使ったといわれてます。

「luxury grocery item」を使った例文は以下の通りです。

Alcohol, coffee, tea, and tobacco are luxury grocery items.
アルコール、コーヒー、紅茶、タバコは嗜好品です。

嗜好品の類義語にはぜいたく品などがある

「嗜好品」の類義語には、「ぜいたく品」などがあります。

「嗜好品」は「嗜好」+「品」に分けることもできるため、「嗜好」の類義語に「品」をつけて表現する事もできます。

「嗜好」の類義語には、「好み」「愛好」「偏愛」「偏好」「好尚(こうしょう)」「心酔(しんすい)」などがあります。「好みの品」や「愛好の品」などを「嗜好品」の類義語表現として使う事もできます。

嗜好品の類義語を使った例文

前述した「嗜好品」の例文を類義語で置き換えた例文は以下の通りです。

食品のぜいたく品では、スナック菓子だけでなくチョコレートなどもあるでしょう。
愛好の品としての飲料には、コーヒーや紅茶、炭酸飲料だけでなく、お酒などのアルコール飲料もあるでしょう。

嗜好品についてのまとめ

  • 「嗜好品」とは(しこうひん)と読み、栄養のためではなく、味わうことやたしなむことを目的に摂取するものを意味します。
  • 「嗜好品」という言葉は、1912年の雑誌「太陽」に掲載された、森鴎外の短編小説「藤棚」で使われました。
  • 「嗜好品」の使い方としては、対象のものが一般的に嗜好品といわれるものか判断する必要があります。
  • 「嗜好品」の「嗜好」と似ている言葉「趣味」、「趣向」とは違いがあるため、注意して使いましょう。
  • 「嗜好品」を英語表現にすると、「luxury grocery item」などとすることもできるでしょう。
  • 「嗜好品」の類義語には、「ぜいたく品」などがあります。