「すべからく」の意味と類語、注意したい誤用と正しい例文5選

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日本語の中には、多くの人が本来の意味を正確に認識していない言葉があります。「すべからく」も日常的な会話では使用されないため、誤用されやすい言葉のうちのひとつです。意味を理解して正しく使えるようにしておきましょう。

すべからくの意味と使い方

「すべからく」とは、「当たり前ですが~」「是非にも~」という意味があります。基本的に会話で使うことはなく、書き言葉として使う言葉でしょう。

使い方としては、ある行為を「~べき」「~べし」で受けます。たとえば、「すべからく勉強すべき」などとします。意味は、「当たり前に(ですが)勉強すべき」となります。
使い方は、「すべからく」+「~べき」と覚えておきましょう。

「すべからく=全て」は誤用

「すべからく」の多い誤用が「全ての~」という意味との取り間違いです。発音や文面の持つ雰囲気が似ているので、すべからくを「全ての~」という意味であると勘違いしやすいようです。
本来の「すべからく」は理想的な意味や模範的な意味を込めて使用するものなので、意味合いが少し異なります。

すべからくの語源・由来

すべからくを漢字で書くと、「須らく」となります。
もともとは、漢文の訓読みに由来していわれています。「須」は”すべからく”と読め、そこから今の漢字表記に変化したのです。

【例】上司はすべからく部下の失敗にも寛容であるべきだ
間違った意味:上司は皆、部下の失敗にも寛容であるべきだ
正しい意味:上司は当然ながら部下の失敗にも寛容でるべきだ

発音が似ている「すべからく」と「すべからず」の違い

すべからくに発音が似た言葉で「すべからず」がありますが、これは「~してはいけない」という、ある行為を禁止する時に使う言葉の文語体です。発音は似ていますが、すべからくと意味が全く異なるので注意しましょう。

「すべからく」の類語・言い換え表現

すべからくの類語は「当然」「必ず」「ぜひ」です。「当然~するべき」「必ず~した方が良い」「「ぜひ~してもらいたい」などに言い替えることができます。
文章の意味が分かりづらい場合は、そのような言葉に置き換えて考えると意味が通じやすいでしょう。

誤用の意味「全て」の類語

先に紹介した誤用される「すべからず」の意味である「全て」は、類語が「全体」「総体」などになります。「すべからく」とは類語をみても、意味の違いがはっきりわかるでしょう。

「すべからく」を使った例文5選

■資格を取得したお祝いメールに対しての返答として
資格試験前は、すべからく勉学を優先すべきだと、大好きな飲み会の誘いも断り頑張ってまいりました。
■退職後の生活について報告する手紙として
退職後はすべからく何かしらのコミュニティに参加すべきだと、目下趣味を探しております。
■企業の姿勢に対して意見を述べる文面として
企業としては、すべからく問題が起きる前に対策を講じておくべきだと考えます。
■スキルアップの方法を語る時
自身の視野を広げるためには、すべからく自ら様々な人との出会いに積極的に参加すべきです。
■企業イベントでの方向性を話し合う時
今回の展示では、すべからく見ている人が未来に対して希望を持てるような映像を作り上げるべきなのです。

「すべからく」の意味と使い方のまとめ

「すべからく」の意味を「全て」であると勘違いしている人が多くいます。「すべからく」は「当然~すべき」や「ぜひ~してほしい」という言葉に言い替えることができ、模範的で理想的な物事を語る時に使用します
「すべからく」は会話に登場することがない言葉であるため誤用しやすい言葉ですが、意味を理解して正しく使えるようにしましょう。

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