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近年、様々なハラスメントが職場で起こっています。その中でモラハラと言う言葉を聞いた事があるでしょう。
ここでは、職場におけるモラハラについて以下のような点を取り上げ解説します。
・モラハラの意味
・モラハラの具体例
・職場でモラハラが起こった場合の対処方法
そもそもモラハラとはなにか?
モラハラとはモラルによる精神的な暴力、嫌がらせのことです。目に見える暴力ではなく言葉や態度による暴力と定義付けられています。
モラハラとパワハラの違い
モラハラとよく似た言葉にパワハラがあります。パワハラとはパワーハラスメントのことです。
職場におけるパワハラは、上司から部下へのいじめや嫌がらせのことをさします。
職場内における地位を利用したハラスメントのことで、最近では、部下から上司に対しての逆パワハラというものも存在します。逆パワハラとは、学歴や専門的知識を身に付けている後輩が先輩に対して行ういじめや嫌がらせのことです。
職場にあるモラハラの例
職場で実際にあるモラハラには以下のようなものがあります。
モラハラで一番多いのは暴力暴言
モラハラで1番多いのは暴力暴言です。モラハラの特徴として実際に手をあげる事はありません。しかし言葉による攻撃が最も多く、相手を精神的に追い込んでしまいます。
相手の容姿や仕事の能力についての話題を何かと持ち出したり、相手の家族や恋人のことけなしたりする場合はモラハラと考えられるでしょう。
「こんなに太っていたら、動けないだろう」「今日からお前のあだ名はトドだな」「お前の顔骸骨みたいだな」
「大学を卒業しているお前より、高卒の〇〇の方がよっぽど仕事の能力があるな」「こんなことも出来ないのか、小学生でもできるぞ」
相手が傷つくことがわかっていて発言することがモラハラです。怒っているときについ口から出てしまったと言うことではなく、日常的に暴言を吐いている場合は、特にモラハラだと思ってよいでしょう。
人格の否定など精神的な攻撃もモラハラ
失敗談を話したときに、「そんなこともできないのか、やっぱりお前はだめな人間だな」
「今日のミーティング疲れた」
「ミーティングで疲れるなんて、人とのコミニケーションが苦手な社会不適合者じゃない?みんな普通にできているのに。」
相手のことを思って叱責するのではなく、明らかに相手の人格を否定している場合はモラハラです。
しかし、モラハラの特徴として、いってる側には自覚がない場合が多いです。
さらに同じようなことを日常的にいわれることで、いわれる側は本当に自分は社会不適合者なのではないかというネガティブな感情を抱きます。
困難な仕事の割り当てや仕事の妨害もモラハラ
どう考えても、期限に間に合わないようなボリュームのある仕事や、自分の能力よりもはるかに難しい仕事を押し付けてくることもモラハラの特徴の1つです。
部下に成長してもらいたいから少し難しめの仕事を振るというのは仕事ではよくあることです。しかし他の人でも対応できないような解決困難な仕事を与えてくる場合は、わざとやっている場合もあります。
また、わざと与える指示をコロコロ変えて混乱させるのもモラハラと考えられるでしょう。仕事の妨害をする例としては以下のものがあります。
指示を出されたことを行い、資料提出したところ、「どうしてこのような資料作ったのか?」と怒られる。
やり方を相談すると「自分で考えて作れ」と突っぱねられ、自分で考えてことを勧めると「ホウレンソウは仕事の基本だ。そんなこともわからないのか。新入社員でもきちんと報告してくるぞ。」などと、毎回いっていることが異なる。
低レベルの仕事の押し付けもモラハラ
普段はまともにコミニケーションを取らないのに、明らかに低レベルと思われる仕事だけはきっちり頼んでくる場合もモラハラと考えてよいでしょう。
低レベルの仕事でもしなければならない事はするべきです。しかし、他の仕事は頼まずに、コピーやお茶くみだけを毎回頼んでくるような場合は、わざとやっている場合が多いです。
無視をするいじめのモラハラもある
明らかに聞こえているのに無視をするいじめがあります。
例えば、自分が新入社員として入社した会社にすでにアルバイトとして長年働いている学生がおり、自分は正社員で現場を指揮、監督しなければならない立場だったとします。
アルバイトの学生に色々と指示を出しますが、聞こえないふりをして、こちらのいっていることを無視するといった場合もモラハラの1つです。
プライベートに立ち入るモラハラ
職場での付き合いにもかかわらず、私生活に過剰に介入するのは職場のモラハラ行為の1つです。
休日や夜11時過ぎても電話がかかってきたり、家族や趣味休日の過ごし方などを根掘り葉掘り聞き出した上で誹謗中傷したりする人がいます。
女性の場合は、服のセンスやメイクの方法、恋人との関係など、完全にプライベートの領域に口を出してくる同僚や上司の行動もモラハラと呼んでよいでしょう。
職場でモラハラがあったときの対処法
実際に職場でモラハラが起こったときの対処方法は以下の通りです。
記録をとっておく事で対処できる
モラハラは手をあげる暴力ではなく、言葉による暴力がメインであるため、なかなか証拠が残りにくいというのも特徴です。
しかし、何かしら、今の状況を改善するのであれば、第三者にその事実を判断してもらう必要があるため、記録をとることは必須でしょう。
例えばどのようなことをいわれたのか、ノートやメモ帳に書き記すのも1つの証拠になります。しかしベストなのはレコーダーです。
モラハラの実態をレコーダーに録音しておけば、相手の言葉の雰囲気もそのまま記録することができます。相手の前で聞かせて弁明することで、いい逃れがしにくい状況を作ることができます。
医師の診断を得て対処する
モラハラによって精神的にダメージを受け、精神科や心療内科などの受信をしなければならないほど追い詰められた場合、医師による診断書が大切な証拠となります。
ただし、医師の診断書があれば必ずしもモラハラが立証できるわけではありません。鬱や精神的な症状についての立証ができますが、その原因がモラハラであるとは断定できないためです。
とはいえ、実際に体に症状が出ているため、前述したようなメモやボイスレコーダーなどによる証拠と一緒に提出することで、より信憑性が出てきます。
モラハラを相談する場所
職場でモラハラが起こっている場合には、まずは職場いじめの実態を申告しましょう。
人事労務の部署に相談するのがよいでしょう。労務の扱う労働契約法第5条には、労働者の安全への配慮という項目があります。具体的には「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮するものとする」というものです。
法律がある以上、モラハラを受けているという事実を従業員が雇い主に訴えることは何の問題もありません。雇用側も社内のモラハラ防止策を考え、実行しなければなりません。
同僚や上司、人事労務系の部署に相談しても全く解決しない場合は、国の機関である労働局に申し立てを行うことができます。
労働局は、各都道府県に設置されています。労働者と雇用主との間で紛争が生じた場合、もしくはいずれか一方から援助の申し立てがあった場合には、解決に力を課さなければなりません。
実際、その会社がモラハラの実態を知りながら放置をしていた場合は、労働局から会社側に指導が入ることもあります。指導は法的な罰則があるわけではないため、どこまで有効的であるかは分りません。しかし、労働局側に会社のネガティブなイメージがついてしまうため、会社としては正さなければならない課題となるでしょう。
職場でのハラスメントに悩んでいる場合、簡単に問題が解決しないことが多いです。問題が長期的に続きそうだと思う場合、職場を変えることも一つの手です。一度転職エージェントに相談してみましょう。転職エージェントについては以下の記事を参考にしてみてください。
転職したい!その思いに答える16のエージェント解説と、効率的な転職の仕方
業種&年代など経歴特化型転職エージェントの紹介と比較
マイナビエージェント 転職活動のはじめ方
モラハラについてのまとめ
- モラハラとは、モラルハラスメントのことであり、言葉による暴力をさす
- 人格を否定したり、仕事に支障が出るほどの無視やいじめなどはモラハラの一種である
- モラハラの対処法として、会社の同僚や上司、人事労務の部署に相談することが大切である
- 社内でモラハラに対して何も対処されなかった場合は、労働局に訴えることもできる
- モラハラを立証するための消耗揃えておくとよい