日常会話ではやや仰々しく感じてしまう「ございます」ですが、改まった席や取引先等とのビジネスシーンでは良く使われる重要な敬語表現です。大事なシーンで迷わず使いこなせるように「ございます」の正しい用法を確認しておきましょう。

「ございます」の意味

「ございます」は漢字では「御座います」と書き、意味は2つあります。

(A)動詞の「在る・有る」で存在すること
(B)補助動詞の「ある・です」の意味

「ございます」は敬語?

敬語には、尊敬語、謙譲語、丁寧語があり、「ございます」は敬語の丁寧語です。
「ございます」の用法には次の2種類があります。

(A)存在を示す動詞「ある」の丁寧な言い方
(B)「だ/です/である/てある」の丁寧な言い方

「あります」と「ございます」の違い

「あります」と「ございます」には、以下の通り、2種類の同じ用法があります。

(A) 存在を示す動詞「ある」の丁寧な言い方
例)質問があります / 質問がございます
(B)「だ/です/である/てある」の丁寧な言い方
例)お手元に資料がおいてあります / お手元に資料がおいてございます

用法が同じため「あります」⇔「ございます」は言い替えも可能です。2つの違いは「ございます」の方が丁寧さの度合いが高いことです。社外のお客様や取引先に対しては「ございます」を使うことで、より丁寧な印象を与えることができるでしょう。

「がございます」と「でございます」の違い

「がございます」は、次のように「がある」の丁寧な言い方です。

(A) 存在を示す動詞「ある」の丁寧な言い方
例)質問がございます
例)詳細な資料がございます

一方、「でございます」は、次のように「です」「である」等の丁寧な言い方です。

(B) 「だ/です/である/てある」の丁寧な言い方
例)その通りでございます
例)鈴木でございます

ともに丁寧表現である点は同じです。違いは「がございます」が存在の意味を持つ動詞表現であるのに対して、「でございます」は語尾表現であることです。特に後者の場合、以下で説明する誤用をしがちなケースがあるため、注意が必要です。

ビジネス時の「ございます」の使い方と適切なフレーズ集

以下、よく使われる「ございます」の各種フレーズから使い方をマスターしましょう。

(A) 存在を示す動詞「ある」の丁寧な言い方
その点に関して詳細な資料がございます。
お問い合わせの製品は在庫がございます。
私どもの支店は東京駅から徒歩3分のところにございます。
(B) 「だ/です/である/てある」の丁寧な言い方
営業部の鈴木でございます。
お探しの本はこちらでございます。
キッチン商品を多数取り揃えてございます。
お手元に資料を用意してございます。

ビジネス時に気をつけたい「ございます」の誤用

「でございます」の誤用:「いらっしゃいます」とするべきケース

敬意を表すべき相手のことを述べる場合には、「です」「である」等の丁寧語「でございます」よりも、「です」「である」等の尊敬語「いらっしゃいます」を使う方が適切です。

× 鈴木様でございますか? [鈴木様のこと]
〇 鈴木様でいらっしゃいますか?
× お客様は、沖縄のご出身でございますか? [お客様のこと]
〇 お客様は、沖縄のご出身でいらっしゃいますか?
〇 鈴木でございます。 [自分のこと]
〇 私は、沖縄の出身でございます。 [自分のこと]
〇 こちらが、ご依頼の品物でございます。 [モノのこと]

自分や、モノのことを述べる場合は、丁寧語「ございます」を使います。

「ございます」の誤用:「おります」とするべきケース

次の例のように「ございます」の正しい用法と一見類似して見える誤用パターン「『いる』の丁寧表現」には注意が必要です。

〇 こちらに資料が用意してございます。(「用意してある」の丁寧表現)
× 資料がケースに入ってございます。(「入っている」の丁寧表現の誤用)
〇 資料がケースに入っております。
× その商品は当店で取り扱ってございます。
〇 その商品は当店で取り扱っております。

「ございます」は「ある」の丁寧表現ですが、「いる」の丁寧表現ではありません。「いる」の丁寧表現は「おります」です。

「ございます」の疑問形の誤用:「ございますか?」とすべきケース

「ございますか?」をさらに丁寧にしたくて、誤って使ってしまうケースがあります。しかし、「ございますか?」は十分丁寧な表現なので、クッション言葉などでより丁寧にするのがいいでしょう。

× ご希望のお色はこちらでございますでしょうか?
〇 ご希望のお色はこちらでございますか?

「ますか?」と「でしょうか?」の二重敬語になっています。

「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の違い

「ありがとうございます」は「ありがとう」の丁寧語で、目上の人にも使えます。

お礼をいう際に迷うのが、「ありがとうございます」と「ありがとうございました」でしょう。
「ありがとうございます」は、現在進行中のこと・直前に完了したことに対して使います。
すでに過去になっていることがらに対しては、「ありがとうございました」とします。

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