この記事では、「ゼロサムゲーム」の意味やゲームの例、株取引や勝ち方について考察します。

ゲームやマンガなどで「ゼロサムゲーム」という言葉を見たことはあるはずです。
しかし、具体的にその意味を問われると悩まれる方も多いのではないでしょうか。

「ゼロサムゲーム」は単なるゲームの名前ではありません。この記事を通して、意味や使い方を理解し、社会人としての知識を広げてください。

ゼロサムゲームとは

「ゼロサムゲーム」は、参加者の得失点の総計がゼロになるゲームのことです。「サム」は英語で「合計」の意味で、合計してゼロになるというゲームという意味になります。

経済学における「ゲーム理論」の一つ

「ゼロサムゲーム」は、経済学の用語で「ゲーム理論」のひとつです。
参加者が選択する行動に関わらず、一方が利益を得れば、その分他の人が損失を出す構造になっているゲームのこと。

一般的にはゲームやゲーム形式のものに使われます。

例えば、3人でそれぞれ100円を出してジャンケンをして、最後まで勝ち残った人がお金をもらうとします。この場合、勝った人は、300円がもらえますが、そのうち100円は自分が出したお金ですから、200円の儲けです。

負けた人は、それぞれ100円の損失になり、損得の合計はゼロになります。

このような構造になるのが、「ゼロサムゲーム」です。

ゼロサムゲームの反対語は「非ゼロサムゲーム」

「ゼロサムゲーム」の反対語は「非ゼロサムゲーム」です。これは、参加者全員の総和がゼロにならない得点方式のゲームのことで、ゲーム理論の概念のひとつ。

一般的に、ゼロサムゲームよりも非ゼロサムゲームの方が難しくなります。

例えば、ゼロサムゲームの場合、相手を倒せば必ず得点が得られますが、非ゼロサムゲームでは必ず得点になるとは限りません。
非ゼロサムゲームは複数の人が参加するため、他の人の状況を考えながら戦う必要があります。

ゼロサムゲームの例

では、具体的にゼロサムゲームの例を見てみましょう。

将棋や囲碁などのゲーム

もっともわかりやすい「ゼロサムゲーム」は、将棋や囲碁などのゲームです。
将棋は、8種類の駒で双方が20枚ずつ持って戦います。つまり、合計40枚の駒の取り合いで、多くの駒を取った方が勝ちになります。

囲碁は、黒の石181個と白の石180個を使って、相手より陣地を多く取った方が勝ちになるゲームです。
このように、1対1の対戦ゲームのほとんどはゼロサムゲームです。

また、麻雀のように4人でプレイするゲームでもゼロサムゲームがあります。
麻雀は、まずそれぞれ2500点分の点棒が配られます。得点は、上がった人の「役」によって変わり、振り込んだ人はその役の分の点棒を差し出すのです。

つまり、25000点の4人分である10万点のなかで勝敗が決まります。つまり、勝った人と負けた人の点数を合計すれば、「ゼロサムゲーム」になります。

競馬やパチンコなどのギャンブル

競馬は、レースに出場する馬にお金をかけるゲームで、「オッズ」というものがあります。

「オッズ」は、総払戻金額÷その馬の販売金額で算出され、その販売金額が多ければ、オッズは低くなります。
つまり、人気の高い馬よりも人気の低い馬が勝った方が払戻金は多くなるのが競馬です。

総払戻金の中で分配されるので、「ゼロサムゲーム」になりますが、公営ギャンブルの場合は、払戻率があります。これは、胴元の取り分のようなものです。

競馬の払戻率は約74%。これは宝くじの払戻率約45%に比べると競馬の方が割の良いギャンブルと言えます。

パチンコの場合は、店が台の調整や設定を甘くすることで、勝ち負けが出るギャンブルです。台の選び方で勝ち負けが決まってしまうゲームと言えるでしょう。
但し、パチンコの場合、店によって調整なども異なり、店の経費や手数料なども差し引かれるので、完全な「ゼロサムゲーム」とは考えにくいでしょう。

外国為替証拠金取引(FX)

投資方法としてよく耳にするのがFXです。FXは元々「外国為替取引」の意味ですが、外国為替取引を「拠出金」でおこなうことから、「外国為替拠出金取引」と呼ばれるようになりました。

「外国為替取引」とは、異なる通貨の売買のことで、円やドル、ユーロなどの通貨の価値の差額で利益を狙う取引です。

例えば、1ドル100円の時にドルを買い、1か月後に1ドルが120円になれば、20円の利益になります。逆に1ドルが80円なったら20円の損失になります。
世界中の通貨の価値は相対的に決まっているので、上がる通貨があれば下がる通貨もあるのです。このように取引は、まさに「ゼロサムゲーム」と言えます。

ちなみに、FXが一般的な外国為替取引と異なるのが「拠出金」ですが、FXには「レバレッジ」という仕組みがあります。この仕組みを使うと、手元の資金が10万円だとしても、レバレッジを10倍かけると100万円の取引が可能になります。

このように少ない資金で大きな取引が出来るのがFXの魅力です。しかし、高リスクであることも忘れないでください。

株式投資はゼロサムゲームか?

株式投資も、儲かる人がいれば損する人もいるので、「ゼロサムゲーム」のように思えるかもしれません。

株式の場合、市場が変化しなければ、「ゼロサムゲーム」になりますが、実際の市場は激しく動いています。

株価が上昇すれば新しい価値が創造され、株式が下がれば価値が減少するのです。例えば、株式を買いたいと思う人が多ければ、株価は上昇し市場全体の価値も増えますが、逆に、売りたい人が多ければ、株価は下がり市場全体の価値も下がってしまいます。

このような観点から、株式投資は、「ゼロサムゲーム」でない「非ゼロサムゲーム」と断定できます。

さらに、株式の売買においては証券会社に手数料を支払います。負けても勝っても必ず手数料は発生します。常に第三者が介入している仕組みであることも「ゼロサムゲーム」ではない理由として考えられます。

ゼロサムゲームの勝ち方

では、「ゼロサムゲーム」で勝つためには、どうすれば良いのでしょうか?

例えば、あなたがボクサーで試合に出たとします。右ストレートに絶対的な自信があるので、右ストレートだけで勝負したとします。
右ストレートだけでは、相手はストレートのタイミングがわかり、きっとカウンターを決められてしまうでしょう。

つまり、自分の都合の良い考え方や自分が得意な方法だけではゲームには勝てません。

「ゼロサムゲーム」で勝つためには、「自分が得になるのではなく、相手に損をさせる」ことが重要です。

相手がいる場合は、自分のことだけ考えていては上手く立ち回れません。「自分が勝てば相手が負ける」ことを意識して、「自分ができるだけ損をしない」という戦略を考えることがベストです。

また、複数の人が参加するゲームの場合は、「自分より劣っている人が圧倒的に多い」ことも勝つ秘訣です。ゲームでは強い人が多くの利益を獲得するので、自分と同じぐらいの実力の人が多いようなケースでは、勝つ可能性が少なくなります。

自分よりも劣っている人が圧倒的に多いようなゲームに参加するのも、「セロサムゲーム」に勝つ秘訣です。

まとめ この記事のおさらい

  • 「ゼロサムゲーム」は、参加者の得失点の総計がゼロになるゲームのこと。
  • 「ゼロサムゲーム」は、経済学の用語で一方が利益を得れば、その分他の人が損失を出す構造になっているゲームのことです。
  • 参加者全員の総和がゼロにならない得点方式のゲームは、「非ゼロサムゲーム」。
  • ゼロサムゲームには、「将棋や囲碁」「競馬やパチンコ」「FX」などがあります。
  • 株式投資は、「ゼロサムゲーム」でない「非ゼロサムゲーム」。
  • 「ゼロサムゲーム」で勝つためには、「自分が得になるのではなく、相手に損をさせる」ことが重要。