滑舌|意味・滑舌が悪い人の原因・トレーニング方法などを解説

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ここでは「滑舌(かつぜつ)」について解説いたします。

皆さんはテレビを見ていてタレントや俳優のセリフが聞き取りにくいと感じたことはないでしょうか。

その原因は滑舌の悪さにあります。滑舌の善し悪しは日々の会話にも影響するのでアナウンサーや芸能人だけでなく、一般の人にとっても重要です。

自分の発声に自信のない方や、滑舌に興味のある方はぜひこの記事をお読みになり、今日から声のトレーニングをはじめましょう。

滑舌とは

滑舌とは、本来は専門的な訓練によって発音や発声を改善することをあらわす言葉です。もともとはアナウンサーや俳優といった人前でしゃべる職業に従事する人々が使う専門用語のひとつでした。

それがやがて一般にも広がり、「滑舌が良い(または悪い)」というように発音や発声を評価する意味で用いられるようなりました。

滑舌が悪い人のおもな原因

滑舌が悪い人にありがちな原因は、大きくわけて4つあります。

舌の筋力が弱い

日常生活で「舌の筋力」を意識することはあまりないと思いますが、舌の組織はすべて筋肉でできていると言っても過言ではありません。その重さは成人で約200g。意外なほど大きく重い器官です。しかも骨がありません。

舌の筋力が弱いと自重で垂れ下がり気味になり、文字通り「舌足らず」な発声になって、滑舌が悪化する要因になります。

口の動きが小さい

「あ」と「お」、「い」と「う」など、母音の発音が明瞭でない方は、口の動きが小さい傾向があります。

呼吸の仕方や姿勢が悪い

声は肺で吸った息を吐きながら声帯を震わせることで発生します。しかし声帯の長さは男性でもせいぜい2cmほど。それでも大きな声を出せるのは、喉や肺、鼻の奥の鼻腔という空洞などに声帯の音が反響するからです。

逆に言えば、喉、肺、鼻腔に声がじゅうぶん反響しなければ、聞き取りやすい発声になりません。大切なのは、お腹でしっかり呼吸すること。息を吸うときは鼻から、吐くときは口から出すことを意識しましょう。

口呼吸では息が浅くなり、鼻腔にも声が響きません。姿勢も大切です。姿勢が悪いと声の通りが悪くなったり、背中や肩、喉の周辺の筋肉に負担がかかり、声帯の動きを悪くします。

早口で話している

発声練習には早口言葉が効果的ですが、ふだんの会話が早口になるのは逆効果です。早口でしゃべる人は、自分が思っている以上に発音が混濁して聞き取りにくい声になっています。

また聞き手にとっても早口で話されると理解が追いつかず、ストレスになってしまう欠点もあります。緊張すると無意識に早口になってしまうという人は、話の合間にゆっくり深く呼吸することを意識しましょう。

舌小帯短縮症

「舌小帯(ぜつしょうたい)」とは、舌の裏側の中央にある細い帯状のひだのこと。赤ちゃんのころは舌の先端についていますが、成長とともに薄くなり、だんだん後ろに下がっていきます。

それが下がらずに短いまま舌先の直下についているのが「舌小帯短縮症」です。舌小帯短縮症の人は舌の動きが制限されるため、ラ行やサ行、タ行などがうまく言えない傾向があります。

滑舌を改善するメリット

トレーニングで滑舌を改善すると次のようなメリットが得られます。

話す内容が相手にしっかり伝わる

滑舌が良くなれば発声が明瞭になり、話の内容が相手にしっかり伝わります。滑舌が悪いと聞き取りにくいので、相手のストレスになるだけでなく、聞き違いや誤解が生じる可能性も高くなります。

話すことが楽しくなる

滑舌が悪いと話の途中で噛んでしまったり、相手に何度聞き返されたりして、話すことに苦手意識を抱くようになります。そこで滑舌を改善すれば、話し相手が聞き入ってくれるようになり、話すことが楽しくなります。

表情が豊かになる

人の顔には表情を生み出す筋肉があります。その名もズバリ「表情筋」。腕や足の筋肉と同じように、表情筋も鍛えないと動きや力が衰えて表情が乏しくなってしまいます。

滑舌を鍛えると、口のまわりの口輪筋といった表情筋も鍛えられます。すると口角が上がり、自然な笑顔が生まれます。表情筋が引きしまれば顔のたるみがなくなって二重顎も改善され、小顔効果も期待できます。

滑舌を良くするためのトレーニング方法

滑舌は簡単なトレーニングを毎日続けることで改善できます。

①舌の筋肉を鍛えるトレーニング

舌の筋肉を鍛えるには、まず口をできるだけ大きく開き、舌を思いきり前に出します。そして舌先で大きく円を描くように、時計回りと反時計回りに、それぞれ10回ずつ回しましょう。

次に舌先であごをなめるように思い切り下に伸ばしたまま10秒維持します。次は鼻をなめるように舌先を上げたまま、10秒維持します。同様に左右に伸ばして10秒ずつ。最後は正面に舌先を突き出して10秒維持しましょう。

②表情筋を鍛えるトレーニング

表情筋のトレーニング方法はたくさんありますが、滑舌を良くするには、口の周りの口輪筋を中心に鍛えるのが効果的です。

まず口を大きく開いて、母音の「い」と「う」をゆっくりと交互にくり返して発音しましょう。「い」の発音では口を思い切り左右に広げ、「う」では唇を力一杯すぼめましょう。

慣れてきたら、「う」の時はすっぱいレモンをかじったように顔全体を思い切りすぼめて発音してみてください。逆に「い」のときは思い切りおどろいたように目を見開いて発音しましょう。

「い・う」のあとは「え・お・あ・お」と、他の母音も口を思い切り開き、顔全体を動かすように発音してみてください。これを毎日くり返すと、口の動きがなめらかになり、表情が豊かになります。

③正しい発音を身につけるトレーニング

まず「んーまーんーまーんーまー」と、ゆっくり発声してください。「んー」で鼻から抜ける声を維持したまま「まー」では口を開きます。

こうして鼻の中で声を響かせること意識して、次は「あおいいえをおいおいうる」と、大きくゆっくり発声しましょう。口はできるだけ大きく開き、鼻に声を響かせます。

慣れてきたら、「なまむぎなまごめなまたまご」のように、おなじみの早口言葉を練習しましょう。はじめは早く言うことよりも一音一音をはっきり発音することを心がけてください。慣れたら徐々に早口にしましょう。

滑舌の悪い人が、普段の会話から意識するべきポイント

自分は滑舌が悪いと感じている人は、普段から次のようなポイントを意識して話しましょう。

口全体をしっかりと動かす

母音を発声するときは口の開き方と形に気をつけながら、口全体を大きくしっかり動かすつもりで発音しましょう。

1音1音を丁寧に発音する

自分自身の話し声は骨伝導ではっきり感知できます。でも相手の耳に骨伝導は届きません。自分自身が話しながら聞いている声と、相手が聞いている声は全く別物です。それを常に意識して、1音1音を丁寧に発音しましょう。

少しだけ高めの声を意識する

人前に出るとうつむきがちになってボソボソと話す癖がある人は、背筋を伸ばして、少しだけ高めの声で話すことを意識しましょう。そうすると声がよく通るようになって聞き取りやすくなります。

ただし、高い声を意識しすぎるとかえって声帯の周りの筋肉が緊張し、ひきつったような声になりがちです。緊張を解くために呼吸を深くして、ゆったりと話すように心がけましょう。

まとめ

・滑舌とは、発音や発声の善し悪しをあらわす言葉です。

・滑舌が悪いと、相手に話が伝わらず、誤解や聞き違いが生じます。

・滑舌が良いと、話が伝わりやすくなり、話すこと自体が楽しくなります。

・滑舌は簡単なトレーニングで改善できます。