ビジネスメールや対面でのやり取りで、ふと目にする「お目汚し」という言葉。初めて聞いたとき、その読み方や意味が分からず戸惑った方も少なくないでしょう。
「お目汚し」は日常会話ではあまり登場しない表現ですが、知っているだけで相手への印象が大きく変わる、ビジネスシーンで役立つ謙譲表現です。この記事では、読み方・意味・具体的な使い方・類語・注意点までを体系的に解説します。
「お目汚し」って、どういう場面で使えばいいの?メールでも使える?
企画書の提出やパンフレットの送付など、自分の作ったものを相手に見せるときに使う謙譲表現です。メールでも使えますし、使い方のパターンを押さえれば、すぐに実践できます。
「お目汚し」の読み方と意味
「お目汚し」は『おめよごし』と読みます。文字通り「目を汚す」、つまり「見苦しいものを見せてしまう」という意味を持つ日本語の謙譲表現です。自分の作品や成果物を相手に披露するとき、「拙いものですが」「恐縮ですが」という気持ちを込めて使います。
使う相手は主に上司・先輩・取引先など目上の人や立場が上の相手です。自分のものを見てもらう際に、アピールするのではなく謙遜して差し出す姿勢を示す言葉です。
「お目汚し」はあくまで謙遜の表現です。本当に未完成・粗雑なものを提出することを意味するわけではありません。一定の完成度を保ちながら、へりくだって差し出す際に使う言葉です。
恐縮に関連する記事もあわせてご参照ください。関連記事:謝罪や感謝を伝える言葉「恐縮です」の意味、類語、ビジネスでの使い方
「お手数ですが」「恐縮ですが」の英語でのビジネスメール例文12選
「お目汚し」はビジネスで使える謙遜表現


ビジネスシーンでの基本的な使い方
「お目汚し」は、披露する前の前置きとして使う場合と、披露した後に付け加える場合の2パターンがあります。それぞれの使い方を整理しておきましょう。
| タイミング | 定型フレーズ | 用途 |
|---|---|---|
| 披露する前(前置き) | 「お目汚しでございますが、よかったら〜」 | 見てもらう前に謙遜の意を示す |
| 披露した後(後付け) | 「お目汚し失礼いたします/いたしました」 | 見せた後のお詫びと感謝を示す |
前置きとして使う場合の例文です。
「お目汚しでございますが、よかったらこちらの作品もご覧ください」
後から付け加える場合の例文は以下の通りです。
「どうにも乱筆なものでして、お目汚し失礼いたします」
「まだ人様にお見せできるレベルではなく、お目汚し失礼いたしました」
また、謙虚さに関連する表現についてはこちらの記事もご参照ください。ビジネスにおける「謙虚な人」の特徴と「謙虚」の言葉を解説
「卑屈」と「謙虚」の意味の違い、性格の特徴と改善法の解説
シーン別の実践例:企画書・パンフレット
「お目汚し」が実際にどのような場面で役立つか、具体的なシナリオで確認しましょう。
入社して日の浅い社員が、渾身の企画書を上司に提出する場面。自分では出来映えに自信があっても、ベテランの目には未熟に映ることもあります。また、成果をアピールするのは日本のビジネス文化になじみません。
そこで「まことにお目汚しではございますが、企画書を作成しましたのでよろしくお願いいたします」と一言添えることで、謙遜しながらも堂々と成果を差し出せます。
新製品を顧客にアピールしたいときも、一方的に送りつけるだけでは押しつけがましい印象を与えかねません。
「お目汚しではございますが、ご覧いただけますと幸いです」と添えることで、謙遜の姿勢を示しながら自然に製品情報を届けられます。
「お目汚し失礼しました」と言われたときの返し方
上司や先輩の立場になると、部下や後輩から「お目汚し失礼しました」と言われる場面が出てきます。たとえば「この企画書には不備も少なからずあるかと存じます。お目汚し失礼しました」のようなケースです。
返し方は難しく考える必要はありません。「お目汚し失礼しました」は目上の人に対して使う謙譲表現であり、それに対して特別な決まり文句で返す必要はないからです。
「確認しましたが、内容は概ね良かったと思います」のように、内容に対して普通に受け答えするだけで十分です。謙遜の言葉に対して大げさに反応すると、かえって場の空気が気まずくなることもあります。
ただし、相手が何度も「お目汚し」を連発している場合は「使い過ぎるとかえって失礼になることもありますよ」と柔らかくアドバイスしてあげると親切です。
メールでの「お目汚し失礼しました」の使い方
「お目汚し失礼しました」は口頭だけでなく、ビジネスメールでも使われる表現です。どのような文脈で使えるか、2つの場面を確認しましょう。
長文メールの文末に添える場合
長々と上記の内容をご確認いただきありがとうございます。お目汚し失礼しました。
長文のメールを最後まで読んでもらったことへのお礼と、文章が長くなってしまったことへのお詫びを同時に示す表現です。メールの締めとして自然に使えます。
誤送信・不備のあるメールを再送する場合
先ほどのメールには不備があったため再送いたします。お目汚し失礼しました。
不正確な情報を送ってしまったことへの謝罪と、再送の旨を伝える文脈で使います。「お目汚し失礼しました」が謝罪の言葉として自然に機能する場面です。
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「お目汚し」の使い過ぎに要注意
謙遜を示せる便利な表現ですが、何度も繰り返し使うことで、かえって相手に失礼な印象を与えてしまうリスクがあります。
- 修正のたびに「お目汚しですが〜」と繰り返す(上司の時間を軽く扱っている印象になる)
- 仕上がりに自信がない書類に毎回使う(「自信のない成果物を出し続けている」と受け取られる)
- 同じメールの文中で複数回使う(言葉が軽く感じられ、誠意が伝わらなくなる)
- 初回の提出時や特別な場面でのみ使う(一回の重みが増す)
- 「自分なりに精一杯取り組みました」など、努力や前向きな姿勢を示す言葉と使い分ける
- 謙遜が必要な場面と、自信をもって提出すべき場面を判断して使い分ける
ビジネスでは謙虚さよりも実直さや努力が求められる場面も多くあります。「お目汚し」は効果的な一言ですが、使い所を見極めることが重要です。
「お目汚し」の類語と使い分け
自分の作品や成果を相手に見せるという文脈で使える類語は複数あります。それぞれニュアンスが異なるため、場面に応じて使い分けましょう。
- お披露目
-
正式に公開・発表すること。謙遜のニュアンスはなく、むしろ晴れがましい場面で使う。
- ご覧に入れる
-
「見せる」の謙譲語。丁寧さを保ちながら、相手に見ていただく姿勢を示す。
- 見ていただく
-
相手に確認・閲覧してもらうことへの敬意を含む表現。日常的なビジネス場面で広く使える。
- 公開する
-
広く一般に見せること。不特定多数を対象にした発表・公表の場面で使う。
以下に類語の例文を2つ示します。
これまでに執筆してきた小説を多くの人に見てもらうため、インターネット上で公開することにした。
先輩に書類を見ていただく前に、不備がないかセルフチェックするようにしている。
「お目汚し」を使った例文まとめ


実際にどのような文脈で使えるか、代表的な例文を整理しました。
- お目汚し、失礼いたします。
- これはほんのお目汚しですが、企画書を提出させていただきます。
- お目汚し失礼いたしました。
- お目汚しすみませんが、これから一発芸を披露させていただきます。
- お目汚し失礼しますが、このような絵を描いております。
- お目汚しですが、よろしければ新製品をご覧ください。
- お目汚しですが、お目通しください。
「お目汚し」に関するよくある質問
- 「お目汚し」の読み方と基本的な意味は何ですか?
-
「おめよごし」と読みます。目を汚す、つまり見苦しいものを見せてしまうという意味の謙譲表現です。自分の作品や成果物を目上の人に披露する際に、「拙いものですが」という謙遜の気持ちを示すために使います。
- 「お目汚し失礼いたします」と「お目汚し失礼いたしました」の違いは?
-
使うタイミングの違いです。「いたします」は披露する前の前置きとして使い、「いたしました」は披露した後に付け加えて使います。それぞれ「これからお見せします」「今お見せしました」という時制の違いに対応しています。
- メールで「お目汚し失礼しました」を使うのは適切ですか?
-
適切です。長文メールの文末に「長々とお読みいただきありがとうございます。お目汚し失礼しました」と添えたり、不備のあるメールを再送する際の謝罪として使ったりと、ビジネスメールでも自然に活用できます。
- 部下から「お目汚し失礼しました」と言われたとき、どう返せばよいですか?
-
特別な返し方は必要ありません。「確認しましたが、内容は概ね良かったと思います」のように、提出物の内容に対して普通に応答するだけで十分です。「お目汚し失礼しました」は目上の人に向けた謙譲表現なので、それ自体への反応は必須ではありません。
- 「お目汚し」を使いすぎるとどうなりますか?
-
頻繁に使うと、言葉が軽くなり誠意が伝わりにくくなります。また、修正のたびに使うと「自信のない書類を繰り返し出している」という印象を与えかねません。初回の提出など特別な場面に絞って使い、普段は「自分なりに精一杯取り組みました」などの表現と使い分けることが望ましいです。
まとめ:「お目汚し」の正しい理解と活用
- 「お目汚し(おめよごし)」は、見苦しいものを見せてしまう・恐縮しながら披露するという意味の謙譲表現
- 披露前は「お目汚し失礼いたします」、披露後は「お目汚し失礼いたしました」と使い分ける
- 主に目上の人や取引先に対して、自分の作品・企画書・パンフレットなどを提出・送付する際に使う
- ビジネスメールの文末や誤送信の再送時にも活用できる
- 使い過ぎると言葉が軽くなり逆効果。場面を選んで一回の重みを持たせて使うことが大切
- 「部下から言われた場合は内容について普通に返答すればよく、特別な返し方は不要

