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ビジネスシーンでときどき登場する言葉「お目汚し」は、初めて聞いた方はどんな意味でどんな風に使うのだろうと疑問に思ったかもしれません。
「お目汚し」は日常的に使う言葉ではありませんが、意味がわかっているのと知らないのでは、ビジネスでのコミュニケーション力に大きくかかわってきます。
今回の記事では「お目汚し」について特に下記の点について解説いたします。
・お目汚しの使い方
・お目汚しの類語、例文
「お目汚し」の読み方と意味
「お目汚し」は『おめよごし』と読み、目を汚す、見苦しいものを見せる、恐縮しながら披露する、という意味をもっています。自分のことやものを相手に見せるときに使う謙譲表現です。
自分の作ったものに対して、「あまり出来がよくありませんが」、「つたないもので申し訳ありませんが」という謙遜の意味を込めて使います。
しかし本当に人に見せられないほどの未完成品を提出することではありません。あくまで、謙遜して遠慮や恐縮している気持ちを表すために使います。使う相手は目上の人や取引先などが多いでしょう。
恐縮に関連した記事は以下の通りです。
「お目汚し」は謙遜を表している
「お目汚し」のビジネスシーンでの使い方
「お目汚し」はビジネスにおいて、相手に対して謙遜していることを表現しており、「見苦しいものや恐縮してしまうような出来のものを披露します」という意味で前置きで使ったり、後から付け加えたりして使います。
前置きでお目汚しを使うときには以下のようにして使います。
「お目汚しでございますが、よかったらこちらの作品もご覧ください」
また、後からお目汚しを付け加えるときの例は以下の通りです。
お目汚し失礼いたしました
「どうにも乱筆なものでして、お目汚し失礼いたします」
「まだ人様にお見せできるレベルではなく、お目汚し失礼いたしました」
「お目汚し」は、自分の作品や芸事、ものなどに対して、謙遜の態度を示したいときに使える表現です。
また、以下の記事では、お目汚しに関連して「謙虚」の意味と謙虚な人の特徴について解説しています。
「お目汚し」を使う際の実践例
以下ではビジネスの実際の場面で、お目汚しを使用する際のいい表し方について解説します。
■若い社員が上司に企画書を提出する場合
自分がまだ入社してから年数が浅いときに、企画書を提出することになったとします。
自分としては渾身の出来だったとしても、ベテラン社員からすると大したことのない企画書かもしれません。
また、よくできたと思っていても、提出するときにアピールするのは日本のビジネス文化では適していません。
しかし、提出する際に「まことにお目汚しではございますが、企画書を作成しましたのでよろしくお願いいたします」ということで、謙遜しながら堂々と成果を披露することが可能です。
■自社のパンフレットを顧客に送る場合
ものづくりを主としている会社で働いている場合、新製品を顧客に知ってもらい、購入してもらいたいと思うでしょう。
しかし相手に向けてただ発信するだけでは、街の客引きのような押しつけがましさを感じさせてしまうこともあります。
新製品のカタログを先方に送るときも、お目汚しが使えます。
「お目汚しではございますが、ご覧いただけますと幸いです」といったように、自社の新製品を謙遜しすることで、押しつけがましさを減らして相手に見てもらうことが可能です。
「お目汚し失礼しました」への返し方とは?
自分が上司や先輩など目上の立場になった場合、部下や後輩などから「お目汚し失礼しました」のように言われることは十分あり得ることです。例えば「この企画書の中には不備なども少なからずあるかと存じます。お目汚し失礼しました」のように言われることがあるかもしれません。
このようにいざ自分が言われると、どんな返し方をしたら良いのか迷ってしまう人も多いことでしょう。しかしながら、特に難しく意識する必要はありません。
先ほどの例に対してであれば、「確認しましたが、内容は概ね良かったと思います」のように普通に受け答えをするだけで問題ないでしょう。「お目汚し失礼しました」は目上の人に対して使う言葉なので、それにわざわざ反応する必要はないということです。
ただしあまりにも何度も使用するとかえって失礼になることがあるので、その時には使い過ぎには気をつけるようにアドバイスをしてあげても良いかもしれません。
「お目汚し失礼しました」のメールでの使い方とは?
「お目汚し失礼しました」は口語だけではなく、メールでも使われることがある表現です。「お目汚し失礼しました」のメールでの使い方として、例文を以下に2つ取り上げました。
長文メールを最後まで読んでくれたことに対するお礼と、簡単にへりくだっていることが読み取れる文末の表現です。この表現を入れることにより、文章が長くなってしまったことへのお詫びの気持ちを表すことができます。
以前送信したメールの内容に不備や誤りがあった場合、その内容を正してメールを送り直すのが一般的です。その際には正しくない情報を送信してしまったことへの謝罪の言葉も加えます。
この例文では、「お目汚し失礼しました」がその謝罪の言葉に当てはまるでしょう。
「お目汚し」の使い過ぎには注意
「お目汚し」は謙虚でへりくだった姿勢を示せるためビジネスシーンなどでよく用いられますが、使い過ぎには注意する必要があります。なぜならそれがかえって失礼になったり、言葉が軽く感じられたりすることがあるからです。
例えば上司に何度も修正してもらっている書類をその都度「お目汚しですが〜」と提出するのは、その上司に対しても失礼になってしまいます。そのためこのようなケースでは最初の一回だけに留めておいた方が良いでしょう。
また全力で取り組むことを求められるビジネスシーンでは、「自信のない書類を提出しているのか」というようにマイナスの印象を持たれてしまうことまであり得るのです。したがって「自分なりに精一杯取り組んだのですが」のように前向きな言葉を使うと良いでしょう。
このように、時には謙虚さよりも努力や実直さを表現した方が良いこともあります。
「お目汚し」の類語
自分の作成したものや芸を披露するときに使うため、類語としては以下のものがあります。
- お披露目
- 公開する
- 見ていただく
- ご覧に入れる
- 目に入れる
- 見せびらかす
また上記の類語の中で、今回は「公開する」と「見ていただく」の例文を以下に取り上げました。
自分が執筆した小説をより多くの人に見てもらうための手段として、インターネット上で公開することが挙げられます。身近な人に見てもらうだけでは人数にも限界がありますが、インターネット上では誰にでも見てもらうことが可能です。
先輩に書類を見ていただくのは、その分先輩の時間を割いていただくということです。その時間を無駄にしないためにも、見ていただく前に不備がないかセルフチェックをすることが望ましいでしょう。
「お目汚し」を実際に使う際の例文
「お目汚し」についてのまとめ
- お目汚しは、「おめよごし」と読み、見苦しいものを他人に見せる、恐縮しながら披露する時に使う
- 「お目汚し失礼いたします」は披露する前、披露後には「お目汚し失礼いたしました」というように使う
- 自分の作品や芸は未熟であるけれども披露する、と謙遜しているので、多くの場合は目上の人に対して使う表現である
- ビジネスシーンでは企画書や自分の案を発表する時に使える
- 部下などから「お目汚し失礼しました」と言われても、特に何も返さなくても良い
- 「お目汚し」の使い過ぎはかえって失礼になったりするので、気をつける必要がある