大使館で働くには?大使館の役割と就業の仕方・必要な資格の解説

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海外に行く機会が多い人にとっては馴染み深い場所と言える大使館。

パスポートを紛失したり何か事件に巻き込まれた時など、海外でのトラブル時に助けになってくれる存在ですが、そこで働く職員の方は普段どのような仕事を行なっているのでしょうか?

この記事では、大使館職員の仕事内容やなるための方法、給与面などについて紹介いたします。

大使館職員の仕事内容・役割・種類

大使館職員は日本国内もしくは諸外国の大使館において、各種書類の証明や申請を請け負うスタッフのことです。

大使館職員は次の2つの種類に分かれます。

  • 在外日本大使館・・・海外にある日本の大使館で働く
  • 在日大使館・・・日本国内にある諸外国の大使館で働く

大使館職員の主な仕事内容の一つとして「大使館で働く外交官や書記官のサポート」があげられます。

大使館で働く外交官や書記官は、国を代表して政治や経済面における海外との交流・交渉などを行なっている職業です。その外交官や書記官のサポートとして、大使館職員は庶務や会計などの事務手続きなどを担当しています。

外交官や書記官のサポート以外では、大使館へ訪れた人の対応も大使館職員の主な仕事の一つです。大使館での各種手続きの説明や問い合わせに対応したり、観光に関する情報提供を行うこともあります。

このように、大使館職員は事務的な仕事や窓口業務が中心となってきますが、場合によっては各国のリサーチ業務を行うなど、専門的な業務を任されるケースもあります。その場合は専門的知識や経験を持った人材を新たに採用し担当させることになるため、もともと大使館で働いていた職員がそのまま専門的な業務を行うことは多くありません。

それ以外では、ほぼ全ての大使館に「日本企業支援窓口」が設置されており、これは日本企業の海外展開を支援する役割を持つものです。大使館の持つネットワークや各国に関する幅広い情報を活用し、海外進出を目指す日本企業をバックアップするのも大使館職員の業務に含まれているのです。

以上のように、大使館のやるべき業務は非常に幅広く、海外事業の絡む様々な分野において大使館職員は欠かせない存在となっているといえるでしょう。

大使館職員になるには

「在外日本大使館」で働く大使館職人になるには公務員試験を突破する必要がありますが、「在日大使館」でスタッフとして働く場合は各大使館に直接応募する流れになります。

このように、どちらの種類の大使館で働くかによって道のりが違ってきますので、一つずつ分けて見ていきましょう。

大使館で働くために必要な学歴・資格

在外日本大使館で働く場合

在外日本大使館で働く場合、基本的には外務省の職員などが出向し大使館職員として働いています。

そのため、まずは公務員になるために公務員採用試験に合格しなければいけません。該当する公務員としては、「国家公務員(総合職・一般職)」「外務省専門職員」などがこれにあたります。国家公務員と外務省専門職員を受験できる年齢要件は、ともに30歳までとなっています。

また、在外日本大使館で働く場合は英語力も必要です。求められる英語力のレベルは、従事する仕事内容によって異なるため一概には言えませんが、事務的な業務が多くなるため「英文の書類が問題なく読解できるレベル」は最低限求められると考えましょう

在日大使館で働く場合

在日大使館で働く場合であれば、各大使館の募集に応募して選考を通過すればその大使館で働くことが可能です。こちらは公務員試験を受験する必要はありません。

募集については各大使館のHP上で情報公開されているケースが多いです。基本的には「欠員が出たタイミングで補充」という形であり、定期的な採用活動は行われていません。

応募の基本条件としては、「大卒以上」「その国の公用語でコミュニケーションが取れる人」「英語力」「社会人としての基礎的能力」などが求められています。

大使館職員の年収

「外務省の職員が大使館に派遣されている」というケースであれば、その大使館職員は国家公務員であるため年収も基本的には国家公務員と同様になります。

国家公務員の世代ごとの年収モデルは以下の通りです。

  • 25歳(係長)    309万円
  • 35歳(係長)    448万円
  • 50歳(地方機関課長)668万円

出典:内閣官房内閣人事局:国家公務員の給与(平成30年版)

上記の公務員としての給料に加え、在外の日本大使館で働く場合であれば、その国の経済状況などに応じた手当も別途支給されます。

一方、公務員としてではなく、各大使館の募集に応募して採用されている場合はそれぞれの大使館の規定次第です。
この場合はそれぞれの国の経済事情や業務レベルによって年収は大きく変動すると考えましょう。

勤務体系と休日

勤務体系と休日についても、給与面と同様に「どの立場で採用されているか」で大きく変わるといってよいでしょう。

公務員として採用されているのであれば、基本的には公務員の勤務体系に準じて働くことになります。

各大使館から直接雇用されている場合は、その大使館が定める勤務条件に従って働くことになるため、年収同様に「どの国で働くのか」「何の職種で働くのか」によって勤務体系は大きく異なっているのが実情です。

ただし、一般的には「大使館の仕事は残業が多い」という意見が多くみられます。

大使館で働くにはその他どんな職種があるのか

大使館で働きたい場合、公務員として派遣される以外には以下のような職種が挙げられます。

  • 秘書、事務系スタッフ
  • 通訳
  • 警備
  • 清掃
  • ドライバー

これらの職種については、基本的には欠員が出たときのみ不定期で募集がかかります。雇用形態も正社員だけでなく、有期雇用やアルバイトなど様々です。

また、それぞれの職種によって求められる英語力に差があり、通訳であれば当然高い英語力が必要となりますが、清掃や警備などの職種についてはそれほど高い語学力は求められていないケースが多いです。

大使館で働く魅力とは

大使館と聞くと「VISAの発給」など事務的な仕事が一番にイメージされますが、冒頭の仕事内容の部分でも話した通り、実際には政治や経済、貿易・文化など、日本と海外の交流活動において幅広い業務を担当しています。

大使館は「その国での日本を代表する機関」と捉えることもでき、その中で各国との様々な連携業務に携わることができるのは大使館職員の大きな魅力と言えるでしょう。

例えば、在外日本大使館の職員であれば「現地国の開発事業」に協力することも大使館職員の仕事です。

世界全体で見渡せばまだまだ教育や医療、道路などのインフラが整っていない国は多く、そのような発展途上国の現地開発に大使館職員が携わることもあるのです。

「日本国内のことだけでなく、世界的な視野で世の中に貢献していきたい」と考えている人にとって、大使館職員は非常に魅力的な職業だといえますね。

まとめ この記事のおさらい

  • 大使館職員は「在外日本大使館(海外にある日本の大使館で働く)」と「在日大使館(日本国内にある諸外国の大使館で働く)」の2つに分かれます。
  • 大使館職員の仕事内容は幅広く、「外交官・書記官のサポート」「大使館での各種手続き対応」「各国のリサーチ業務」「現地国の開発事業」など多岐に分かれます。
  • 在外日本大使館、在日大使館のどちらも英語力が必要ですが、清掃や警備など職種によってはそれほど高い語学力は求められていません。
  • 年収や休日については、各大使館が定める勤務条件、国、職種などによって大きく異なります。