「大往生」の意味は?正しい使い方と類語・対義語

※本サイトはプロモーションを含んでいます。

この記事では、大往生の意味や正しい使い方をご紹介します。
「あの人は大往生だった」という言葉をよく耳にしますが、遺族に対して言って良い言葉なのか迷いますね。

ビジネスの関係でも葬儀に参列する機会は多くあるでしょう。この記事を通して、正しい「大往生」の使い方を覚えていただければと思います。

大往生とは?

大往生の意味は「(天命を全うして)安らかに死ぬこと。また、立派な死に方」や「少しの苦しみもなく安らかに死ぬこと」です。

読みは「だいおうじょう」です。

「往生」は、仏教用語で「現世を去って仏の浄土に生まれること。特に、極楽浄土に往 (い) って生まれ変わること」の意味で、大往生は、まさに極楽浄土で生まれ変わる理想的な死に方ともいえるでしょう。

ただし、遺族に対して「大往生でしたね」というのは禁物です。自分の親にはいつまでも長く生きて欲しいものです。そんな時に「大往生」と言われると、「亡くなって仕方ない年齢でしたね」のようなニュアンスで受け止められる可能性があります。

大往生だったのかは遺族が決めることですから、お悔やみのつもりでも大往生という言葉は使わないでください。

かつては80歳は長寿でしたが、今では90歳でも元気で暮らしている老人は少なくありません。遺族にとって80歳でも大往生という感覚はならないでしょう。

「大往生」は、基本的には身内が個人に対して使う言葉で、他人が遺族に対して言う言葉ではありません。

大往生のビジネス上での使い方

クライアントや取引先の葬儀に参列する場合、たとえ親しかった方でも遺族に対して「大往生でしたね」と言うのは失礼になります。葬儀の受付や親族に直接言葉をかける場合は、「この度はご愁傷様です。」と簡単な言葉で挨拶するのがベストです。

また、葬儀では「忌み言葉」があるので、注意が必要です。

不吉な言葉
「消える」「大変」「落ちる」「とんでもない」「数字の4(死)や9(苦)」など死や不幸を連想させる言葉はNGです。
繰り返す言葉(重ね言葉)
「たびたび」「重ね重ね」「ますます」「いろいろ」「たまたま」などの繰り返す言葉は、
不幸が重なることを連想させます。

大往生を使った例文

大往生は、他人が使う言葉ではないので、大往生を使う場合は、身内の死に対して使います。

ただし、葬儀の礼状などの比較的に硬い文章には、大往生はあまり使いません。大往生は、葬儀などで参列者にお悔やみを言われた際に、故人が長寿であれば「大往生でした」というのが一般的です。

大往生を使った例文は以下のようなものです。

・祖母は92歳で安らかに他界しました。まさに大往生でした。

 

・99歳で大往生した祖父の安らかな顔は、いまだに脳裏に残っています。

 

・祖母は眠るように大往生を遂げました。

大往生の類語は?

大往生以外に死ぬことを意味する言葉には「死去・逝去・没・他界・斃死・崩御・薨去・入寂・入滅・遷化」などがあります。

死去(しきょ)
人が死ぬことの意味で、一般的によく使われる言葉です。

・作家のAさんが自宅で死去しました。

逝去(せいきょ)
人を敬ってその死をいう語。

・お父様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申しあげます。

没(ぼつ)
没には原稿などを採用しない意味もありますが、死ぬことの意味もあり、「昭和60年没」などのように死んだ年を示す場合に使います。

・父の没年には、いろいろなことがあった。

他界(たかい)
他界は、死後の世界の意味で死ぬことを婉曲に言う言葉です。

・祖母は昨年他界しました。

斃死(へいし)
行き倒れて死ぬこと、「野垂れ死に」の意味。

・逃避行の果て野山に斃死した。

崩御(ほうぎょ)
天皇・皇后・皇太后・太皇太后を敬ってその死をいう語。古くは、上皇・法皇、また、国王などにも用いられます。

・タイ国王が崩御した。

薨去(こうきょ)
親王または三位以上の人が死ぬこと。

・博恭王は、昭和21年8月16日薨去した。

入寂(にゅうじゃく)
煩悩の世界から悟りの境地(寂滅)にはいること。特に、僧侶が死ぬことを意味します。

・延年寺の和尚様は入寂した。

入滅(にゅうめつ)
高僧が死んで涅槃(ねはん)に入ること。

・法然入滅後、弟子の勢観房源智は賀茂の河原屋をついだ。

遷化(せんげ)
大乗仏教で,菩薩が身体を他の世界に移して衆生を教化することをいう。転じて、「高僧 の死」の意味

・上人はこの地で遷化された。

また、「大往生」を言い換えた表現には「天寿を全うする」や「天に召される」があります。

天寿を全うする
天から授かった寿命をすべて使う意で、病気などによるものではない自然死を意味しま
す。

・愛犬のチャッピーは、人間なら90歳を超える年齢で天寿を全うした。

天に召される
「天に召される」はキリスト教で「亡くなること。死ぬこと」の意味で、「天国に召される」という意味合いがあります。

・昨日、祖母が天に召されました。

大往生の対義語は?

大往生の明確な対義語はありませんが、死ぬことの意味では「生まれる」「誕生」「生誕」などは対義語と考えられます。しかし、「天寿を全うする」意味の対義語として浮かぶのは、「早世・早逝・夭逝・夭折」があります。

早世(そうせい)
若くして死ぬこと。早死にの意味。一般的には30代40代で亡くなった場合に使います。

・天才はえてして早世する

早逝(そうせい)
早世と同じ「若くして死ぬ」意味ですが、「逝」には尊敬する意味があるので、亡くなっ
た人への尊敬の気持ちが強くなります。

・あんなに人に優しい人が、早逝するなんて信じられない

夭逝(ようせい)
夭逝も若くして死ぬことの意味で、10代や20代で亡くなる場合に使います。

・高校時代、親友だった友人が17歳で夭逝した。

 

夭折(ようせつ)
夭折も夭逝と同じ「若くして死ぬ」意味ですが、特に将来を期待されていた人が若くし
て死んだ場合に使くことが多い表現です。

・天才ギタリストとして注目を浴びた彼は、不運にも20歳で夭折した。

 

大往生の英語表現

大往生の英訳には、「peaceful death」「calm death」です。

・He died a peaceful(calm)death.
彼の最後は大往生だった
また、「大往生を遂げた」の意味では下記があります。

・He died peacefully at the age of ninety.
彼は90歳で大往生を遂げた

・He died in peace.
彼は大往生を遂げた

「天寿を全うした」の意味合いで、以下のような表現もあります。

・She lived a full life and died calmly
.彼女は天寿を全うして穏やかに亡くなった。

まとめ この記事のおさらい

  • 「大往生(だいおうじょう)」は「(天命を全うして)安らかに死ぬこと。また、立派な死に方」の意味です。
  • 大往生という表現は、故人の身内が使うもので、他人が使うと失礼になるので注意が必要です。
  • ビジネスで葬儀に参列した場合は、「この度はご愁傷様です」と簡潔に言うのがベスト」です。
  • 大往生の類語には、「逝去」がありますが、崩御・薨去・入寂・入滅・遷化」など皇室や僧侶に関係した表現もあります。
  • 明確な対義語はありませんが、「若くして死ぬ」という意味の「早世・早逝・夭逝・夭折」があります。
  • 英語では「peaceful death」「calm death」の名詞があります。