【どう使う?】御意はビジネスで返事OK?了解との違いやその返事の意味を解説

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この記事では「御意」について解説いたします。どこかしらで一度は見聞きしたことはあっても、日常的に使う言葉ではないのでその意味や使い方についてはよく分かっていないという人も少なくないかもしれません。

そこで今回は「御意」の意味や読み方、「了解」との違い、類語や英語表現なども交えてピックアップしました。この記事の内容が少しでもお役に立てば幸甚です。

「御意」とは

「御意」はその意味から、日常生活において使うことがほとんどない言葉だといえます。そのため一度も使ったことがないという人もいることでしょう。

そこでこの項目では、「御意」の意味や読み方について中心に取り上げました。それでは順に確認していきましょう。

「御意」の意味や読み方|返事として使える?

「御意」は「ぎょい」と読み、「目上の人や高貴な人の考え」という意味です。「目上の人や高貴な人の考え」を「御意」というわけですから、「意見」や「考え」の尊敬語が「御意」だと考えて差し支えないでしょう。

なお「身分が高い人からの指図・命令」という意味もありますが、それは今日ではほとんど使われていません。そのためこの意味は特に覚えておかなくても差し支えないでしょう。

また「御意」は返事をする際にも使用されることがあります。返事をする際に使用される「御意」は「御意の通り」の略で、平たくいうと「仰る通りです」という意味です。

それ以外にも「(目上の人からの)指示や命令に対して従います」という意味の返事として使われることもあります。これは時代劇や歴史ドラマなどで見聞きしたことがあるという人もいるかもしれません。

これには理由があり、実は「御意」は鎌倉時代から江戸時代にかけて武士が使っていた言葉なのです。将軍や主君など身分が高い人の考えそのものや、命令に対する返事として「御意」が使用されていました。

そのためこの時代の人であっても用いているのは主に武士で、商人や農民などは使っていなかったとされています。このため武士が登場する時代劇や歴史ドラマにおいて「御意」が使用されることがあるというわけです。

上記のような背景があることから日常会話ではまず使われることがなく、何となく見聞きしたことはあってもその意味や使い方は曖昧だという人が少なからずいるということでしょう。もし日常会話で使用するとすれば、気の置けない間柄で冗談まじりに「御意」と返事をするケースなどです。

以下にはそれらも踏まえて「御意」の使用例を並べました。その意味や背景を思い返しながら、一つひとつ確認していきましょう。

例文
  • 主君の御意に従い、武士たちは戦に明け暮れる日々を過ごした。
  • 主君から遠征を命じられた彼は、「御意」と一言言い残しすぐに去っていった。
  • 主君からの命令に対しては、それが無謀であっても「御意」と答えるようになっている。

「御意」と「了解」の違い

「御意」とよく混同されがちな言葉として「了解」が挙げられます。「了解」とは「はっきりとよく分かること」や「理解して承認すること」という意味です。

「御意」と「了解」の大きな違いは、「御意」は目上の人に対して敬意を表して使うのに対し、「了解」にはそのような意味はないという点です。したがって「了解」という言葉を目上の人に対し使用する場合には「了解しました」や「了解いたしました」のようにするのが良いでしょう。

同僚や部下など目上の人ではない相手に対しては敬意を示す必要がないので、そのまま「了解」と使うことが可能です。「了解」と使えば「あなたの言っていることを理解しました」や「あなたの言っている内容について承認しました」ということを伝えられます。

「了解」は日常会話でもよく使われる言葉なので、日頃から使っているという人も多いかもしれません。使用する場面も多いので、非常に使いやすい言葉の一つだといえるでしょう。

「御意」はビジネスシーンで使える?

「御意」という言葉は目上の人に対して使う言葉であることからビジネスシーンでも使用することができると感じる人がいるかもしれません。しかしながら、基本的に「御意」はビジネスシーンで使わない言葉です。

これまで繰り返し述べてきたように、「御意」は時代劇や歴史ドラマなどで武士が使っていた言葉だという性質があります。したがって今日では日常会話はもちろん、ビジネスシーンにおいても使用されるような言葉ではありません。

実際にビジネスシーンで「御意」という言葉を見聞きしたことはないという人がほとんどでしょう。それは「御意」の意味や使い方が分からないからだけではなく、誰もビジネスシーンで使っていないからだということも関係しているかもしれません。

もしも取引相手や上司など目上の人に対して敬意を表するためであっても、実際に「御意」を使用してしまうと変な人だと思われてしまう恐れがあります。なぜなら誰もやっていないようなことをあえてやるというのは、人と感覚がずれていると認識される危険性が高いからです。

また他意はなくとも、真剣なビジネスの場でふざけている人だと思われてしまうかもしれません。茶化されていると解釈されてしまう可能性も十分にあるでしょう。

ビジネスシーンにおいて「御意」を使うのは、それだけのリスクがある行為だといえます。少なくとも「御意」を使用することによって悪い印象を与えることはあっても、良い印象を持たれることはまずありません。

決して悪気はなくとも、言葉とは相手がどのように解釈するかが非常に重要になってきます。そのため「御意」は日常会話だけではなく、ビジネスシーンにおいても使わない方が無難です。

「御意」の類語、言い換え表現

「御意」は上記の通り、「目上の人や高貴な人の考え」や「仰る通りです」といった意味がある言葉です。したがって「「御意」の類語や言い換え表現は、そのような意味がある言葉が当てはまります。

その点を踏まえて「御意」の類語、言い換え表現は「思し召し」や「承知しました」などが適切だといえるでしょう。

まず「思し召し」は「おぼしめし」と読み、「目上の人のお考えやお気持ち」という意味です。「思し召し」は「思う」の尊敬語である「思し召す」を名詞化したもので、古典の授業などで習ったという人も多いかもしれません。

「思し召し」は「御意」と異なり、今日でも使われることがある言葉です。この際に合わせて覚えておくと良いかもしれません。

また「承知しました」は「引き受けます」や「相手の考えを理解しました」といった意味があります。「承知しました」は「御意」と違いビジネスシーンでも使用することができる言葉です。

そのため目上の人の考えを理解した場合や何か依頼を受けた際などに「承知しました」と返事をすることができます。より丁寧な表現にしたいなら「承知いたしました」とするのが良いでしょう。

「思し召し」と「承知しました」の具体的な使い方については以下にそれぞれ列挙しました。それぞれ一つずつ確認していきましょう。

思し召し
  • 迷った時はいつでも、神様の思し召しに従うようにしている。
  • 「せっかくの思し召しですが、今回は予定があるので遠慮します」と提案を断った。
  • 天の思し召しだと錯覚してしまうような出来事が身の回りで立て続いた。
承知しました
  • 彼はどんな難題でも「承知しました」と引き受けるように努めているそうだ。
  • 上司からの指示に対してはまず「承知しました」と答えるように意識している。
  • 取引先からの依頼に対し、「承知しました」と返事をした。

「御意」の英語表現

英語は日本語のように敬語表現が存在しないため、「御意」をそのまま英語表現にすることはできません。そのため「御意」に近しい意味を持つ言葉が「御意」の英語表現として適切です。

その点を踏まえた上で、「御意」の英語表現は「your will」や「as you wish」といったものが考えられます。「your will」は「あなたのお考え」、「as you wish」は「御意のままに」という意味です。

どちらの意味として使いたいかによって、上記の表現から適宜使い分けると良いでしょう。また「yes , my lord」も「御意のままに」という意味があるので「御意」の英語表現として該当します。

「lord」とは「貴族」や「主人」という意味ですが、どちらも今日の日本ではまず使われることがない表現です。ただし洋画などでは使用されることがあるので、合わせて覚えておくと良いかもしれません。

また「your will」と「as you wish」を使った例文としては、下記のようなものが挙げられます。それぞれ一つずつ確認しておきましょう。

your will
  • I respect your will because we are best friends.
    (私たちはベストフレンドだからあなたの考えを尊重します。)
  • I want to confirm your will about this case.
    (本件についてのあなたの考えが知りたいです。)
  • May I ask your will to work hard ?
    (懸命に働くことに対するあなたの考えを聞かせてもらえますか?)
as you wish
  • You can play the piano anytime as you wish.
    (いつでも御意のままにピアノを演奏いただけます。)
  • ‘Shall we go to Kyoto next week ?’ ‘As you wish.’
    (「来週京都に一緒に行きませんか?」「御意のままに」(そうしましょう))
  • You can use this pen as you wish.
    (このペンは御意のままに使っても良いですよ。)

まとめ この記事のおさらい

  • 「御意」は「ぎょい」と読み、「目上の人や高貴な人の考え」や「仰る通りです」という意味がある
  • 「御意」と「了解」の大きな違いは、「御意」が目上の人に対して敬意を表して使うのに対し、「了解」にはそのような意味がないという点が挙げられる
  • 基本的に「御意」はビジネスシーンでは使わない
  • 「御意」の類語、言い換え表現は「思し召し」や「承知しました」などが適切
  • 「御意」の英語表現は「your will」や「as you wish」といったものが考えられる