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この記事では、「傀儡」の意味、読み方と正しい使い方などについてご紹介します。
普段あまり見聞きすることのない「傀儡」という言葉ですが、普段から使う言葉とはいえないため、
ビジネスの場で、曖昧に理解して間違った使い方をすると評価が下がる危険性もあります。
傀儡の正しい意味や使い方をわかりやすく説明します。
傀儡とは?
傀儡は、「かいらい」と読むのが一般的ですが、「くぐつ」という読み方もあります。
傀儡(かいらい)は、元々中国の「あやつり人形」という意味の漢字が日本に伝わったと言われています。
平安時代以降、あやつり人形を使った芸人が登場し、「傀儡回(くぐつまわし)」と呼ばれました。また、傀儡回の女たちが売春をおこなっていたことから、傀儡回には「遊女」や「舞妓」などの代名詞にもなっています。また、江戸時代には、箱の上で人形をあやつる「傀儡師(かいらいし)」が家々を回り門付けをしていました。
傀儡の意味は「あやつり人形」ですが、派生して「他人の手先になって思いのままに使われる者」という意味もあります。一般的に使われる「傀儡政権」は、まさに権力者の思いのままに政治がおこなわれている政権のことです。
傀儡を使った例文
傀儡の本来の意味は「あやつり人形」ですが、現代ではあやつりの意味で使われるケースはほとんどありません。江戸時代の「江戸繁昌記」では、「車上の傀儡造り得て新たなり」と、あやつり人形つくりを謳っていますが、江戸時代から「他人の手先になって思いのままに使われる者」という意味でも傀儡は使われていたそうです。
日本を代表する文豪は、その作品の中で傀儡を以下のように使っています。
では、今の一般社会では、どのように傀儡を使っているのでしょうか?
このように傀儡は、相手を非難したり揶揄する場合に使われることが多くなっています。
傀儡という言葉を使う時には、批判的な意味があることを考慮してください。
傀儡の類義語
傀儡の類義語ですぐに思いつくのが「あやつり人形」です。
私はあなたのあやつり人形ではありません。
まさに、あやつり人形は「言いなり」の代名詞として使われています。
もうひとつ人形のイメージで使われるのが「木偶の坊(でくのぼう)」です。
木偶の坊は、「役に立たない」という意味でよく使われますが、もともとは「人形」や「あやつり人形」のことで、「他人の言いなりになる人」という意味もあります。
あいつは所詮部長の木偶の坊だから話してもムダだよ。
このように傀儡と同じ意味で使うことがあります。
また、ストレートに「言いなり」や、「手下」「追従」「盲従」なども傀儡の類義語としてあげられます。
また、「唯々諾々」も逆らわずに他人の意見に従う意味なので、傀儡の類義語です。
部下には厳しい部長でも、社長には唯々諾々だ。
まさに傀儡の雰囲気が感じられますね。
傀儡の対義語
傀儡は基本的には名刺なので、明確な対義語はありませんが、類義語から対義語を調べると「率先(そっせん)」「諫言(かんげん)」「不承不承(ふしょうぶしょう)」などがあげられます。
彼は率先してプロジェクトを推進させた。
他人の言いなりではなく、自ら行動するという意味では傀儡の対義語になります。
上司の判断に危機感を感じ諫言しました。
「諫言」とは目上の人の過失などを指摘して忠告することで、言いなりになる傀儡とは反対の意味になります。
クライアントとは長い付き合いなので、今回の仕事は不承不承ながら引き受けた。
「不承不承」は、「気が進まない」「いやいや」「しぶしぶ」などの意味があり、本意ではないが引き受ける状態を表します。
言いなりではないという意味では傀儡の対義語と解釈できます。
また、「是々非々(ぜぜひひ)」も傀儡の対義語として考えられます。是々非々は、「是を是として認め、非を非として反対し、公平的な立場で判断して事を行う」の意味です。
彼はどんな場合でも「是々非々」でズバズバと発言する。
このような人物なら傀儡になる可能性は少ないですね。
傀儡の英語表現
傀儡は「あやつり人形」ですから、英語では「puppet」になります。このpuppetは日本語と同じように傀儡の意味もあります。
(信長の傀儡でしかなかった義明はやがてその立場に不満を持つ)
また、英語では傀儡政権を「puppet government」と表現します。
(彼らはそこに傀儡政権を樹立しようとした)
英語の場合、日本語の「言いなりになる」というニュアンスで訳した方が自然な英語になります。「言いなりになる」の英語は「beck and call」です。
(彼女は先生の言いなりだ)
また、「under one’s thumb」という言い方も「支配されている」、「言いなりになる」という意味で、傀儡に近い英語表現になります。
(彼は会社の言いなりです)
このように、日本語の傀儡という言葉も英語にするとさまざまな表現になります。
傀儡についてのまとめ
・「傀儡(かいらい)」は「あやつり人形」の意味ですが、転じて「他人の手先になって思いのままに使われる者」の意味で使われ「くぐつ」とも読みます。
・「傀儡政権」は権力者の思うままにされている政治のことで、「部長は経営陣の傀儡で信用できない」のようにビジネスの現場でも使われます。
・傀儡の類語は「あやつり人形」や「木偶の坊」「言いなり」「手下」「追従」「盲従」「唯々諾々」などがあります。
・傀儡の対義語はないですが、類語から対義語を調べると「率先」「諫言」「不承不承」「是々非々」などがあげられます。
・操り人形の「puppet」が傀儡の英訳になりますが、「言いなり」の意味である「beck and call」や「under one’s thumb」を使うとより日本語の傀儡の意味に近くなります。