後塵を拝するとは

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後塵を拝する(こうじんをはいする)の意味

「後塵」とは、人や車馬が走った後に立つ土ぼこりのことです。「拝する」は拝むという意味ですが、ありがたく受ける、という意味もあります。

上記の事から「後塵を拝する」とは、車馬が立てる土ぼこりを浴びながら、通り過ぎていくのを見送るという意味で、人に先を越されてしまうという意味のことわざです。

土ぼこりさえもありがたく受けるということから、地位が高くて権力のある人に追従すること、こびへつらうことも意味してます。

「後塵を拝する」の出典は中国の晋王朝(西晋・東晋)について書かれた歴史書で、二十四史の一つである『晋書(しんじょ)』であるといわれています。

似た意味を持つ表現には、「先を越される」「後れをとる」「後手を踏む」「後手に回る」などがあります。

後塵を拝するのビジネスシーンでの意味

「後塵を拝する」はビジネス用語ではありませんが、ビジネスの場で使いやすい表現の一つです。

出世の上で同期に遅れをとったときや、力のある上司にこびへつらって出世しようとする人に使われることが多いです。

ビジネスでは、社内での出世競争も気になりますが、他社の動向をしっかりと見極めて、ライバル会社の後塵を拝することとならないように注意が必要です。

後塵を拝するの使い方と例文

彼は同期の中では出世が遅れていた上に、昨年から失敗続きで、とうとう後輩に先を越されてしまったよ。同期ばかりか、後輩の後塵を拝することになって、悔しいだろうな。
曾ては封侯をも得たその老将がいまさら若い李陵ごときの後塵を拝するのがなんときょうどしても不愉快だったのである 。
出典:中島敦『李陵』