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ビジネスシーンで「引き合い」という用語が使われているのを良く耳にするのではないでしょうか。けれども、新卒などでビジネスの世界に初めて入った方や、営業畑に転職した方など、ビジネスシーンで使われている「引き合い」の意味を知らないまま使ってしまっている事も少なくありません。
それに加えて、「引き合い」には元々色々な意味があり、使われ方も多岐に亘ります。それぞれの意味を理解した上で適切に使う必要があります。
ここではなかなか周りに聞けない「引き合い」についてシーン別に解説いたします。
「引き合い」の意味と用法を知ろう
「引き合い」とは結びつきやつながり
「引き合い」とは物事と物事や人と人が、お互いが引っ張り合っている、または結びつきや繋がりがある状態を表した言葉です。
ビジネスシーンでは過去の事例と比較して説明をする時だけでなく、売買条件や取引依頼、その問い合わせの意味、人同士の仲を取り持つこととしても使用されます。
対応する動詞を付けて使用する
「引き合い」は名詞ですので、比較の時や条件を出す時には「引き合いに出す」、ビジネスシーンでの最初の取引依頼が来た時には「引き合いが来る、受ける」など、対応する動詞と一緒に使用します。
また、人と人との仲を取り持つ、紹介を受けるなど「引き合う」の動詞形として使用する時もあります。
ビジネスシーンで覚えておきたい、3つの「引き合い」の用法
過去の事例を参考として出す
ビジネスシーンで、説明を行う時などに過去の事例を参考、または証拠として出す際、「引き合い」を使用します。この時には比較対象として使用しますので「引き合いに出す」「引き合いにする」と表現します。
問い合わせの確認や取引の依頼をする
人と物を繋げる状況を「引き合い」を使って表現します。ビジネスシーンでは、ビジネス用語として、実際の発注が入る前の問い合わせや前注文などの、取引に入る前の段階の事を「引き合い」と呼びます。
また、人気のある商品に注文が殺到している様も「引き合い」と呼びます。
両方とも、人と物事が結びつくさまを表しているさまを表現しており、実際に使用する時には「引き合いが殺到する」「引き合いが来る」「引き合いが受ける」などと表現します。
仲を取り持つこと
人と人、会社と会社の仲を取り持つ事も「引き合い」と言います。この場合は「引き合い」自体に紹介する、仲を取り持つ、結びつけるという意味がありますので、「引き合わせる」と動詞形で使用します。
実際に「引き合い」を使う場面や例文
ここからはシーン別での引き合いの意味とその例文を解説いたします。
物事と物事を説明や検討の為に比較する時
会議などの時に、過去の資料と今回の資料を比較して説明を進める時に使用します。今回の資料の内容の真偽のほどを見極めるために、過去の資料を証拠として使用する、今回の計画を説明する為に類似する前例を参考にして説明する、といった場面で使用します。
過去の資料を引き合いにして、今回の資料の再検討を行います。
今回の工程が有効である事を説明する為に、前回の工事計画を引き合いに出す。
(悪い意味で)比較を行う時
主に悪い意味での比較の際に「引き合い」を使う事があります。例えば、夫が妻に対して家事の仕上がりに文句を言った事が原因で夫婦喧嘩が起きたとします。双方で言い合っている内に、妻が過去に夫が浮気した事をいう事を「引き合いに出す」と言います。また、他の人と比べて能力が劣っているなど、悪い比較を行う対象としても使用します。
今回と関係のない話を引き合いに出すな!
「どうして君はできないんだ、A君ならできるぞ」と引き合いに出される。
交換条件を出す時
取引や儲け話などの交換条件を出す時にも、「引き合い」が使われます。
「おもちゃの片づけを行うなら、お菓子を食べても良い」と引き合いに出す。
儲け話の引き合いを出す。
商品の注文や問い合わせが殺到している時
人気芸能人が愛用しているブランド商品など、人気のある商品の注文が殺到している状態でも「引き合い」が使用されます。
また、ブランド商品に対する注文だけでなく、その商品の問い合わせが殺到している状態も指します。
人気の商品の引き合いが殺到しているため、工場の生産が追い付いていない。
人気芸能人がブログで紹介した商品への引き合いが殺到しています。
取引の最初の段階の呼び方
まだ取引のない会社から、新規取引の為の問い合わせや前注文などのオファーが来た時を、ビジネスシーンでは「引き合い」と呼びます。主に営業マンが使用する言葉です。
A社からの引き合いを、受けるべきかどうか決めかねている。
海外の企業からサービスへの引き合いが来ている。
訴訟・事件などの証人・参考人になること
訴訟・事件などの証人・参考人になることを「引き合い」と言います。
〇〇事件の引き合いを請け負う。
両者を取り持って対面させる場面
両者を取り持って対面させる時に「引き合い」を使います。お見合いなどの機会を設けてくれた方に対して「お引き合わせいただいた」などと使用します。また、人だけではなく会社同士、物事を紹介する事に対しても使用します。
以前お見合いの席を設けて、引き合わせたA君とBさんの結婚が決まり、とてもおめでたい。
「あなたが〇〇社とお引き合わせいただいたおかげで良い取引ができました。ありがとうございました」
霊的な物の巡り合わせに対して使う
幽霊や運命など、目に見えない存在や事象による巡り合わせを感じた時にも「引き合う」を使用します。
憧れだった仕事に就けたのも、亡くなった父が引き合わせてくれたのだと思います。
ここであなたと出会ったのも、運命が引き合わせたのかもしれません。
金融業界での使い方
「引き合い」は金融業界でも使われることがある言葉です。金融業界における「引き合い」には「(株式や債権などの)注文・取引」や「注文や取引の前に条件などを問い合わせること」という意味があります。
例えばある会社の株式を注文するためには、その株式を売買できる証券会社で証券口座を作り入金することが必要です。その後取得株数や希望の取引金額などを任意で設定し、注文を出します。
つまりこのように注文・取引をすること、あるいはそのための条件などを問い合わせることを「引き合い」と表現するわけです。
「引き合い」の類語
「引き合い」は上記のように様々な意味がある言葉ですが、その中で類語を探すなら「引っ張り合い」や「仲介」、「参考」といったものが考えられるでしょう。
「引っ張り合い」とは「お互いに引っ張りあっていること」を指します。「仲介」は「ちゅうかい」と読み、「両者の間に入って取り次いだり、話をまとめたりすること」です。
また「参考」とは「何かをする時に他人の意見や資料などを確認し、自分の考えを決める手がかりにすること」を意味します。あるいはその時の材料のことを「参考」ということもあるので、この際に覚えておくと良いでしょう。
まとめ
・参考や証拠として比較する時、悪い意味で比較対象に出す時に使用する。
・ビジネスシーンでは、取引の前注文や問い合わせ、新規のオファーなど、取引の最初の段階の事を「引き合い」と呼ぶ事が多い。
・注文や問い合わせが殺到している状態も「引き合い」と言う。
・人と人、会社と会社との仲を取り持つ、紹介の意味もある。
・霊的な物、運命など目に見えない存在からの巡り合わせを受けた時も「引き合わせ」と呼ぶ。
営業マンとしては、「引き合い」が取引のスタートとして肝心となります。人と人、物事と物事とを結び付けられる良い引き合いができる様に取り計らいましょう。