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この記事では「知見」の意味、由来、使い方、例文。類似表現や反対語、英語表現などを幅広くご紹介します。
「今回の担当者には、さすがに両分野について知見のある方でなければ。」「今後とも知見を広げていきたいと考えております。」など、「知見」という言葉は、ちょっと耳にしただけ。目にしただけでは、いくつか似たような意味が連想されてしまう言葉でもあります。
この記事をご覧いただければ、これまで自信が持てなかった「知見」の言葉をしっかりおさえることができ、正しくスムーズに使いこなせるようになります。
知見の意味と使い方
「知見」は「ちけん」と読む2文字の熟語表現です。
漢字では「智見」ともあらわされますが、現代一般語としてはあまり浸透していない書き方です。この「智見」はもともと、仏教用語の「智見や智賢」から来ているといわれ、それが転じて「知見」となったといわれています。
仏教用語としてはもともと「物事に対して行う正しい認識」や「知識から得られた見解」などのことを表し「正智見」などとしてよく目にします。
現代語の「知見」としては、2義ありますが、いずれもこの仏語とほぼ同じような意味。
知見の意味
1つ目は「実際に事物を見て、何かを知ること」「周りから、あるいは事物から、見聞きすることで得た知識」のこと。
2つ目は「見識」「見解」のことをあらわします。
知見の例文
「知見」は使われるシーンによって、それぞれの話者や表現者、読む人の間で、多少違和感を感じるポイントが異なっています。
言い換えれば、それぞれの分野やシーンで、意味するところや自然な語の接続の流れに差があるということです。
一般日本語の会話や文章として、仏教用語として、俗にいう科学系文章(研究関連文書や説明書、教科書類などの表記)として、例を見てみましょう。
1:一般日本語の会話や文章として
出典 福沢諭吉「小学教育の事」/書き言葉
出展 倉田百三「学生と教養 」/書き言葉
この4文で登場する「知見」は、2文ごとに文章構造が似ています。
はじめの2例が「複数人から、あるいは複数人に対して蓄積された、見ての判断や動作などの傾向などの集合体」を
終わりの2例が「単独の人に蓄積あるいは備わった見ての判断や動作などの傾向など、分析蓄積されたもの」をあらわしています。
また慣用句的、言い回しとして使われているものとしては、次のようなものが良く用いられることが多いでしょう。
- 一流の知見
- 知見のある
- 知見を広める
- 知見を深める
- 知見を異にする
- 知見の限りでは
- 知見をお借りする
- 知見を拝借
- 知見をお持ちでしたら
- 知見を試す
これらは誰が見聞きしてもスムーズな語同士の接続関係にあるため、このまま、文章の中に入れ込めるなじみやすい表現です。
知見の類義語
「知見」には次のような類語表現があります。
「見識」「智見」
「理解」「把握」「見聞」「見分」
「知識」「情報」「データ」
知見の英語表現
一般語となっている現代日本語の「知見」を英語にすると、knowledgeもしくはinformationが妥当な表現です。
knowledge は一般的に会話やその他でも用いられますが、直訳では「知識、認識、知見」などをあらわし、単にみて覚える、暗記することではありません。
そこに自分が事物を観察したり眺めること、用いること、計測することなどからくる経験を重ね合わせた統合的な認識などをあらわすことが一般的です。
That’s now common knowledge.
それは現在では、一般的な知見です。
知見を表意するシステム。
informationというと多少違和感を感じる方もあるかもしれません。
例えば、製品説明や実験結果、論文や説明書、分析書などにおいては、知られているデータや計測上の情報などだけではなく、使用した他の人たちによる認識などを含めた情報を「知見」としてあらわすことがあります。
この知見は、過去のレポートのものと一致する。
This information is quite far removed from then.
今回の知見はこれまでのものとは大きくかけ離れている。
知見のまとめ
- 「知見」の意味はデータや実存とその理解をあらわすもの。
- 「知見」の類義語は知識、データ、見識などがある。
- 知見の英語表現は「knowledge」や「information」であらわせる。