「心労」とは?使い方や例文、ストレスとの違いなどを解説

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自分が何かに思い悩んでいる時に使う「心労」や、相手やその家族の状態を心配する時に使う「ご心労」は、文章のみならず、目上の人との会話の中にも比較的頻繁に出てくる言葉です。相手の状況や気持ちに寄り添い、失礼のないように使いたいものです。ここでは、「心労」の正しい使い方や、他の言葉での言い替えの仕方、「心労」を用いた例文をご紹介します。

「心労」の意味は「気を病んでいる状態」


「心労」とは、気を病んでいる状態、心配や悩みが多い状態を意味します。特に、心の状態だけでなく、心の状態から体にまで疲れが出てしまっているような状態を指します。単純に心配が多いというよりも、もっと状況が深刻で重篤な状態に使います。

「心労」はあまり自分に対して使わない


心労は、自分が思い悩んでいる時に使う言葉ですが、自身で使用する場合は少々大げさな印象を与えてしまいがちです。そのため一般的には自分に対してはあまり使うことはありません。
「心労」に接頭語の「ご(御)」を付けた「ご心労」と「~お察しします」「拝察します」を合わせて使用するのが一般的な使い方です。特に、上司など立場が上にある人や目上の人に対して、相手の心や体の状態を心配する意味で使用します。
相手の心労が、自分が想像しているよりもずっと大きい可能性もあるので、慎重に使いたい言葉です。

「心労」の使い回し・言い回し


「心労が重なる」「心労が絶えない」「心労をかける」「心労を察する」「心労がたたる」「心労がつのる」「心労で倒れる」などと使うことができるでしょう。あとに紹介する例文も参考にしてください。

「心労」の類語・言い換え表現


相手の状況や心の内を察するという意味で、「心労」は心配と同じタイミングで使います。しかし、類語としては、心配よりもより深刻な意味を持つ「心中」や「心痛」、「気苦労」の方が適しています。

「心労」の例文集


実際にビジネスシーンで使う場合、どのような文章になるか例文を挙げてチェックしてみましょう。

【例】天災で取引先の施設に損害が出た状況を案ずる時
先日の災害におきましては、貴社の施設にも多大な影響が出たとのこと、ご心労いかばかりかと拝察申し上げます。
【例】製品を作っている国で事件が起こり、素材の調達が困難であった時
今回の騒動につきまして、商品開発に携わる皆様におかれましては、大変ご心労の多かったこととお察し申し上げます。早急な事態の収束を心よりお祈りいたしております。
【例】就任のお祝いを述べる時
ご就任おめでとうございます。弊社社員一同、心からお慶び申し上げます。新しいお立場でのご心労もあるかとは存じますが、ご健康にご留意の上、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
【例】訃報を知った時
・皆様のご心痛を拝察申し上げますとともに、お元気な頃のお姿を偲び、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
・ご家族の皆様におかれましては、さぞお寂しくお過ごしのことかと心中お察しいたしまして、申し上げる言葉もございません。

「心労」と「ストレス」の違い


「心労」と混同されやすい言葉として「ストレス」が挙げられます。「ストレス」とは「外部から刺激を受けた際に生じる緊張状態のこと」です。

外部からの刺激には天候や気温などの環境的要因、体調や病気などの身体的要因、悩みや不安などの心理的要因、そして人間関係の悩みなどの社会的要因があります。

つまり心労は、ストレスの中の心理的要因の一つだということです。心労の結果ストレスが生じるとも言えるでしょう。

適度なストレスはある程度必要だとされていますが、過剰なストレスは人の身体にも心理にも少なからず悪影響を及ぼします。しかしながら現代はストレス社会と言われるように、あらゆる場面でストレスから逃れることはできません。

ストレスを0にすることはできないため、自分なりのストレス解消法を見出すと良いかもしれません。

「心労」の英語表現


「心労」は、”anxiety”または”care”と表現できるでしょう。

彼女は心労に打ち勝てなかった。
・She could not cope with anxiety.

心労で彼は年老いた。
・Care had aged him.

「心労」のまとめ

・自分の時にはほとんど使用せず、接頭語の「ご」を付けた「ご心労」として相手の状況を思いやる時に使用する
・「心配」よりも状態が深刻で重篤な場合に使用する
・相手の胸中を考え慎重に使う

「心労」とは、相手の疲れが心だけでなく身体的にも症状として現れているような状態を指し、「~お察しします」「拝察申し上げます」等と合わせて使うことで、相手の状態を心配していることを伝える時に使用します。相手の心身の状態によって、受け取り方の印象が異なるので慎重に使うことがポイントです。