パワハラとは何か、パワハラのパターンや対処法について詳しく解説

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パワハラという言葉が使われるようになって、すでに長い時間が経っています。病気や死まで追い込む深刻な職場問題のパワハラは、今でも問題になっています。

ここでは、パワハラの定義、その6つのパターン、パワハラの具体例、裁判例や対処方法を紹介いたします。

以下の記事では、パワハラだけではなく職場の環境に疲労感を覚える理由や対処法を紹介しています、この記事と合わせて、不当な状況の改善を目指しましょう。
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パワハラとは何か?

「パワハラ」とは、2001年から使われている和製英語です。「パワーハラスメント」の略語で、powerharassmentの英単語から成ります。

パワハラの定義

パワハラの明確な定義は、法律には存在していません。

東京都の円卓会議WG報告においては、職場のパワハラを平成24年に以下のように定義しています。

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。

 

パワハラのパターン6種類

厚生労働省は、職場のパワハラの6種類の典型例を以下のようにまとめています。

1.身体的な攻撃
暴行・傷害
2.精神的な攻撃
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
3.人間関係からの切り離し
隔離・仲間外し・無視
4.過大な要求
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5.過小な要求
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
6.個の侵害
私的なことに過度に立ち入ること

パワハラの具体例

では、パワハラには具体的にどんな例があるのでしょうか?

一番多い例は、職場での優位性のもとでパワハラをする例です。

一般的には、上司から部下など職務上の地位をいい訳にして、たくさんの人を叱責することや、人格を否定する事が上げられるでしょう。また、肩たたきといわれる退職を促す・脅す行為も職場でのパワハラです。

職場での優位性は、地位だけでなく、先輩、後輩、同僚などの人間関係や職務経験や知識に関わる優位性も含まれます。たとえば、同僚同士でも、盛業成績のよい人が悪い人を公開叱責するようなことがあれば、それも職場でのパワハラです。

他に、業務の適正な範囲を超えた指示や注意を受け、それに不満や不快感を持つのであれば、それも職場でのパワハラです。

たとえば、上司から過剰なノルマを与えられたり、無理難題を押し付けられて、それを達成できないことで評価が落とされることもパワハラに当たります。

また、部下からパワハラの訴えや指摘があったときに、それを聞き流したり、無視したりする事もパワハラです。

パワハラが認められた裁判例

パワハラには、法による定義がありませんが、パワハラの結果が刑法に触れる場合には、裁判になるケースがあります。

平成22年に京都であった裁判は、精神病の発症は職場のパワハラが原因として療養補償給付不支給処分を不服としておこされました。

裁判では、職場のトラブルの類ではあるものの、その陰湿さと執拗さから、悪質ないじめはパワハラと認定され、精神疾患はそれが原因と結論付けられました。

また、同じ年に愛知であった裁判は、うつ病から自殺に至った市役所職員の妻がおこしたもので、上司からの過剰な指導や公開叱責が典型的なパワハラとして認定されました。

パワハラを受けた場合の対処方法

パワハラを受けた場合には、実際にはなにもできない人が多いです。しかし、現実には病気や死に至るほど、悩んでしまうケースも少なくありません。パワハラを受けていると感じたら、我慢するのではなく、対処をするべきです。

パワハラの記録をとる

5W1Hを基本に、どんな小さなことでもパワハラと思われる行為を記録しておきましょう。
裁判には至らないとしても、あとで事実確認をするときに重要な資料になります。書き留める記録だけでなく、ボイスレコーダーや画像などの記録手段もあります。

パワハラを受けていることを周囲に相談する

まずは、上司や同僚など周りの人に相談してみましょう。

我慢しているだけでは、状況は何も変わりません。人によっては、無意識のうちにパワハラをしていることもあるので、周囲がパワハラに気がついて変わることによって、パワハラをする本人も気がつくこともあるでしょう。ただし、相談する際には、信頼できる人を選んで相談しましょう。

会社の相談窓口、人事担当者に相談する

上司がパワハラをする本人だったり、周りの人に相談しにくい環境の場合、会社のパワハラ相談窓口や人事担当者に相談してみましょう。

そこでは、個人情報はしっかり守られ、社内で不利益を被ることはありません。パワハラの相談にのり、解決のために行動するのは、会社の義務ともいえます。

外部の相談窓口を利用する

社内で相談することに、抵抗がある人も少なくないでしょう。そんなときには、会社以外の相談窓口を探しましょう。

労働局などに窓口があります。直接相談に行くのは気が引けるのであれば、電話でパワハラ相談できる窓口もたくさんあります。相談するだけでも、事態がよい方向に動くことがあります。

パワハラについてのまとめ

  • パワハラは、パワーハラスメントの略で和製英語です。
  • パワハラは、法律で明確な定義をされてはいませんが、一般的に「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」とされています。
  • パワハラの6つのパターンは、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害があります。
  • 具体的には、職場での優位性のもとの公開叱責やいじめ、業務の適正な範囲を超えた指示や注意などがあります。実際にあった裁判でも、同僚のいじめや上司の過剰な指導などがパワハラと認定されています。
  • セクハラを受けていると感じた場合には、記録をとること、周囲に相談すること、会社の窓口や人事に相談すること、外部に相談することなどがあります。