「お送りします」のビジネス上での正しい使い方と言い換え

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「送る」の敬語表現である「お送りします」は、日常生活ではもちろんビジネスシーンでもよく使われる言葉です。使用する機会は多いものの、イマイチよく意味を理解せずになんとなく使っているという人も多いでしょう。

今回は「送る」の敬語表現について、正しい使い方と例文、言い換えについて解説していきます。

「送ります」「お送りいたします」との違いとは

「送ります」「お送りいたします」というのは同じ「送る」の敬語ではありますが、この2つは敬意の度合いが違います。

「送ります」の方が敬意としては弱いので同僚などに使う分にはいいですが、ビジネスシーンでは少々使いにくいかもしれません。「お送りいたします」の方が敬意が高いので、普段はこちらを使うようにするといいでしょう。

「送ります」は「送る」の丁寧語、「お送りいたします」は謙譲語になります。謙譲語は自分側の行為や行動に対して使うものです。相手の行為に対しては尊敬語を使うので「お送りいたします」は間違いとなるので注意しておきましょう。

謙譲語は2種類に分かれる

謙譲語は2007年より、謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱの2つに分かれています。旧来の使い方をする謙譲語Ⅰと、丁重語と呼ばれる謙譲語Ⅱです。謙譲語Ⅰは自分側の行為をへりくだることで向かう先の相手を立て、謙譲語Ⅱは相手に自分側の行為を丁重に述べて敬意を表します。

「お送りいたします」は謙譲語Ⅰに該当します。謙譲語のパターンとしては付け足し型と言い換え型がありますが、「お送りいたします」は「送る」に「お〜いたす」をつける付け足し型になります。

付け足し型の謙譲語は型によって敬意の大小が変わる

「送ります」では敬意が足りず「お送りいたします」では堅苦しすぎる、という場合には「お送りします」を使うといいでしょう。「お送りいたします」の敬度をさらに高めたいのであれば「お送り申し上げます」を使うようにします。

「送ります」→「お送りします」→「お送りいたします」→「お送り申し上げます」の順に敬意が高くなると考えれば問題ありません。相手に応じてうまく使い分けましょう。

「お送りします」の例文と言い換え

「送る」はメールや契約書を送るときや、荷物を送るとき、目的地まで送るときなど、様々なシーンで使いますよね。すべて「お送りします」や「お送りいたします」で意味は通じますが、言い換えをすることでシンプルに相手にも伝わりやすくなります。

ここで「お送りします」の例文と言い換え例をみていきましょう。

手紙やメールを送る場合

・お疲れ様です。営業部の田中です。
○日に開催するバーベキューの出欠リストをお送りします。

・お疲れ様です。営業部の田中です。
○日に開催するバーベキューの出欠リストを送付いたします。

「お送りします」は「送ります」同様に敬意が弱いので、取引先や目上の人に使う場合には「お送りいたします」または「お送り申し上げます」を使いましょう。同僚であれば「送ります」や「お送りします」の方が、堅苦しすぎず自然です。

何か手紙やメールなどを送信するような場面では、「送付」と言い換えることができます。

「送付いたします」「送付させていただきます」はビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、使い勝手がいいのは「送付いたします」の方です。「させていただきます」は依頼されたり許可が必要な場面で使わないと違和感を感じやすいので、使いどころに注意しましょう。

荷物を送る場合

・○日にご依頼いただいた商品をお送りいたします。

・○日にご依頼いただいた商品を発送いたします。

荷物を送る場合は「お送りいたします」を「発送いたします」に言い換えることができます。「お送りします」でも問題ありませんが、「お送りいたします」の方が敬意が高いので丁寧なイメージを与えます。

相手を目的地まで送る場合

・駅までお送りいたします。

・駅まで送迎いたします。
・会議室までお連れいたします。

どこか目的地まで送る場合は「送迎いたします」「お連れいたします」と言い換えることもできます。送迎は車などで送り迎えをするときは「送迎」、室内を案内するときは「お連れする」を使います。

敬意がシンプルに伝わりやすいので、基本的にビジネスシーンでは「します」より「いたします」を使うことをおすすめします。

まとめ お送りしますの使い方のおさらい

・「お送りいたします」は謙譲語Ⅰの付け足し型
・(敬意弱)「送ります」→「お送りします」→「お送りいたします」→「お送り申し上げます」(敬意強)
・取引先や目上の人には「お送りいたします」「お送り申し上げます」を使う・手紙やメールを送る:「送付」に言い換え可能
・荷物を送る:「発送」に言い換え可能
・目的地まで送る:「送迎」「お連れ」に言い換え可能