要否とは?意味やビジネスでの使い方や例文などを解説

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この記事では「要否」について解説しています。要否は決して難しい言葉ではありませんが、使用頻度は低く認知度もあまり高くありません。そこでこの記事では要否の意味や可否との違い、ビジネスでの使い方や英語表現などについてくわしく解説いたします。

要否とは


要否は日常生活ではあまり使われない言葉です。インターネットで検索すると、辞書サイト以外は官公庁や地方自治体、大手企業などのWebサイトしかヒットしないことがわかります。このことから要否は行政用語に近い言葉で、一般にはほとんど使われないことがわかります

要否の意味や読み方

要否は「ようひ」と読みます。意味は「必要か、それとも不必要か」。「要」は扇の骨をとめる「かなめ」という金具が語源で、訓読みで「かなめ」と読みます。扇はかなめを失うと分解してしまうことから、要は物事を支える重要な存在という意味の漢字となりました。

次に「否」は「同意しない」「賛成しない」という意味をあらわす漢字で、訓読みは「いな」。この「いな」がやがて「いえ」になまって、現代語で拒否をあらわす「いいえ」になったとされています

「否」は「~か否(いな)か」という表現で、「~か、もしくは~でないか」という相反する条件を並列する意味をあらわす言葉になります。たとえば「生きるべきか死ぬべきか」というハムレットの有名なセリフは「生きるべきか否か」と言い換えることも可能です。

「要否」は「要」の否定で「不要」と同じ意味だと解釈するのは間違いです。「要否」は「要を否定する」のではなく「要か否か」。つまり「『かなめ』と同じように無くてはならないものか、あるいはそうでないか」という肯定と否定の意味をあわせ持つ言葉です。

「否」を含む熟語には「拒否」「否定」「否認」などのように「~ではない」と単純に打ち消す言葉と、「要否」をはじめ「安否」「合否」「賛否」「認否」のように「~か、それとも~ではないか」という相反する意味をあわせ持つ言葉があるので注意が必要です。

要否と可否の違い

「可否」とは「物事の良し悪し」や「賛否」のこと。「可」は「良い」「許す」「できる」などを意味する漢字です。「可否」=「可」+「否」で「物事が良いか、あるいは良くないか」 「賛成か、あるいは反対か(可決か否決か)」という相反する意味をあらわします。

「要否」は前述のように「必要か否か」を意味しますが、「可否」には「必要か不要か」というニュアンスはありません。「可否」の「可」も「否」も必要性という意味では対等の関係にあることが「要否との」違いです。

要否のビジネスでの使い方や例文


要否は日常生活ではほとんど使われない言葉です。ニュアンスが堅苦しく、ビジネスシーンでも会話で使うことはほとんどありません。法律の条文や学術論文、官公庁や自治体が発行する申請書、会議や審議会における発言などで用いられるケースがほとんどです。

「要否」を使う場合は、「要否が問われる」「要否を問う」「要否を判断する」「要否を決する」などと表現するのが一般的です。また「要否」は「要か否か」という意味ですので、単純な否定の意味と誤解したり誤用したりしないように注意しなければなりません。

たとえば「領収書は金額によって印紙の要否がある」という文章は「金額によって印紙が必要だったり不要だったりする」という意味をあらわします。「金額によっては印紙が必要になる」という意味ではありません。

また「要否」には「よし悪し」や「有無」といった意味はありません。したがって「学力のよし悪し」の意味で、「学力の要否」と表現したり、「経験の有無」のつもりで「経験の要否」と表現したりするのは誤用です。

誤用例をもうひとつあげると「事業部別組織の要否」という表現では、事業部別組織の何が要否なのかわかりません。このような場合は「事業部別組織再編の要否」というように要否を問う条件(この例では「再編」が必要かどうか)を明記しなければなりません

要否のビジネスでの例文

敷地内における避難区域設定の要否を判断するために専門家による調査検討を開始する。

当該建物の緊急補修工事を行うにあたっては、テナント入居者に対する休業補償の要否が問われる可能性がある。

要否の言い換え表現


要否の言い換え表現としては、「必要か否か」「要不要」があげられます。会話の中で「ようひ」と言っても相手には意味が伝わりません。前述のような誤解を招く可能性もありますので、「必要か否か」や「要不要」に言い換えた方が良いでしょう

たとえば「追加工事の要否は現場の判断で決してよい」という場合、「追加工事の要不要は現場の判断で決めてください」または「追加工事が必要かどうかは現場で決めてください」などと耳になじむ言葉に換えたほうが意味が伝わりやすくなります

ちなみに「追加工事が必要か否か」という表現も可能ですが、「か否か」もまた口頭では伝わりにくい表現です。特に日本語の苦手な外国人労働者には通じにくく、「いなか=田舎」などと誤解されたりして、話がチンプンカンプンになる可能性が高くなります。

要否の英語表現

英語
要否を英語で表現する場合は「必要」もしくは「必要性」を意味する「need」や「necessity」を用いるのが一般的です。

「necessity 」の例文

No matter what they say, there’s no absolute necessity to get that.

彼らがなんと言おうと、それを入手すべき絶対的な必要性などありません

蒸気の例文のように「necessity 」を使った英語表現は一般的ではありますが、厳密には要否のように「必要かどうか」を問うニュアンスにはなりません。

「必要かどうか」を問う場合の英語表現としては「whether」か「if」に「need or not need」「need or not」「necessary or not」などを加えたセンテンスがよく使われます

「whether」に「Need or not 」を加えた例文

I want to know whether you need it or not.

それが君に必要かどうかを知りたい。

When you know you really want it, whether you need it or not doesn’t even matter.

何かが本当にほしくなってしまうときは、それが必要かどうかは関係ない。

「if」に「necessary or not」を加えた例文

I judge if it is necessary or not.

それが必要かどうかは私が決める。

まとめ

  • 「要否(ようひ)」は「必要か、それとも不必要か」を意味する言葉です。
  • 「可否」は「物事の良し悪し」や「賛否」を意味する言葉です。
  • 「可否」には「必要か不要か」というニュアンスはありません。
  • 「要否」をビジネスで使う場合は「要否が問われる」「要否を問う」「要否を判断する」「要否を決する」などの表現がよく使われます。
  • 「要否」を英語で表現する場合は「必要」もしくは「必要性」を意味する「need」や「necessity」を用います。
  • 「必要かどうか」の英語表現は「whether」か「if」に「need or not need」「need or not」「necessary or not」などを加えたセンテンスが使われます。