この記事では、「プロパガンダ」の意味や使い方、類語、英語表現などについて考察します。

「プロパガンダ」という言葉を聞いて、どのように思われるでしょうか?「騙されるのでは」「勧誘される」など悪いイメージを浮かべる人が多いかもしれません。しかし、プロパガンダの意味を正しく言えるでしょうか?

プロパガンダはビジネスでも使われる言葉です。この記事を通して、プロパガンダの正しい意味や使い方を学び、社会人としての知識の幅を広げてください。

プロパガンダの意味とは

エスタブリッシュメント
プロパガンダは、広く伝えること、宣伝の意味で、主に思想や教義などの宣伝に関して使われます。プロパガンダという言葉自体は古くからありましたが、特に第二次世界大戦中にナチスの宣伝行為に対して使われるようになったようです。

戦時下のナチスは、ヨーゼフ・ゲッベルス博士率いるナチス宣伝省が徹底的に情報を管理し、ドイツ系市民に愛国心と政治的忠誠心を植えました。戦後のアメリカでは、このナチス宣伝省がおこなった行為を嫌悪して、プロパガンダと呼ぶ風潮があったようです。

このようなことから、日本においてもプロパガンダという言葉は、悪いイメージとして定着しました。

「政治的意図を持った宣伝」に使われることが多い

ナチスの宣伝活動に対する言葉として知られるようになったプロパガンダは、現在においても政治的な意図を持った宣伝に対して使われることが多くなっています。特に、独裁政権での自国民に対する報道内容などはあきらかにプロパガンダと言わざるを得ません。

しかし、元来のプロパガンダという言葉には、悪い意味合いはなかったのです。

プロパガンダの由来

プロパガンダは、ラテン語の「繁殖する」「種をまく」の意味である「propagare」が語源で、1622年に創設されたカトリック教会の布教聖省(Sacra Congregatio de Propaganda Fide)に由来します。

その目的は、非カトリック諸国にカトリックの信仰を広めることでした。カトリックの思想を広く宣伝手段として、プロパガンダという概念が定着し、現在のような悪いイメージはなかったのです。

しかし、カトリックに対抗するプロテスタント教会にとっては、カトリックのプロパガンダは、大きな脅威でした。そのため、プロテスタントには、プロパガンダは偏った考え方を押し付ける洗脳と解釈され、侮蔑する言葉として使われるようになりました。

プロパガンダの使い方と例文

ストライキ
一般的にプロパガンダが使われるのは、政府や団体の宣伝活動に使われるのが多くなっています。大きく「ホワイトプロパガンダ」と「ブラックプロパガンダ」に分類。ホワイトプロパガンダは情報源があきらかで事実に基づいた宣伝活動です。

ブラックプロパガンダは、情報源が不明で真偽がわからない宣伝活動で、特にSNSなどが普及した現代では惑わされないよう見極めることが大切です。

例文

  • あの政治家のプロパガンダに乗るのは危険です。
  • 今や情報源のわからないプロパガンダがネットには蔓延しています。

芸術分野におけるプロパガンダ

プロパガンダが具体的なものとして表現されるのが芸術分野です。戦時下ではさまざまな芸術がプロパガンダに利用されました。戦意高揚をはかる映画やポスター、音楽などが数多く製作されたのです。

日本では、あたかも常勝しているかのような日本軍を描いたドキュメンタリー映画や愛国心を煽るポスターなどに多くの国民が洗脳されたのです。これは、日本だけのことではありません。戦時下では欧米諸国においても芸術がプロパガンダに利用されました。

これは過去の話ではありません。現代でもプロパガンダに芸術が利用されています。人間の五感に入り込む芸術は、まさにプロパガンダには最適な表現手段なのです。また、プロパガンダは政治や宗教だけでなくビジネスの世界でも使われています。

例文

  • 彼の作品がプロパガンダに使われていたなんて胸が痛みます。

コーポレートプロパガンダ

ビジネスで使われるプロパガンダのことを「コーポレートプロパガンダ」と呼びます。企業イメージや商品・サービスなどを広く普及させるには、市場や消費者を操作することが不可欠です。

この企業におけるプロパガンダのパイオニアと呼ばれているのが、アメリカの「エドワード・バーネイズ」という人物です。精神分析の創始者として名高いフロイトの甥である彼は、広告に心理学を取り入れ大衆操作の手法を生み出しました。

例えば、ある食肉加工会社から依頼されたベーコンの宣伝では、医師5000人にアンケートを実施。「朝食にはより高栄養・高カロリーの食事が適している」との回答を4500人から得ました。

従来の広告であれば、「ベーコンは高栄養・高カロリーで朝食に最適」のようなコピーを作るかもしれませんが、彼は、「4500人の医師が推奨、朝食にはベーコンエッグを中心にすべき」と大々的に新聞広告を掲載したのです。

この心理学と社会科学を駆使した宣伝でベーコンの売上げは大幅にアップしました。また、バーネイズは、一般大衆の稚拙さにも言及し、有名な俳優などを多用することで一般の人々が自ら買い求めるように仕向けることに成功したのです。

以来、多くの企業CMなどには、有名な俳優やタレントなどが起用されています。また、ネットなどでは権威者や有名人が推奨する商品やサービスなどが数多く見られますが、中には真偽が疑わしいものも存在するので注意が必要です。

例文

  • ステルスマーケティングは、企業や製品のコーポレートプロパガンダと言えます。

プロパガンダの類義語と例文


プロパガンダの類義語としては、「宣伝活動」「世論誘導」「アジテーション」「マインドコントロール」が考えられます。

宣伝活動(せんでんかつどう)
組織や団体を広く知らしめたり、商品の販売を広くおこなったりすること。

例文

  • この商品の良さを多くの人に知ってもらうためには、大々的な宣伝活動が必要です。
世論誘導(よろんゆうどう)
社会集団の意見を一定の方向に導くこと。

例文

  • 国家の世論誘導に惑わされずに、その情報の真偽を見極めることが重要です。
アジテーション
強い調子の演説や文章によって人々の心を煽り、ある行動に向かわせること。

例文

  • あんなアジテーションにひっかかるなんて、彼はどうかしています。
マインドコントロール
他人を思い通りに操ること。

例文

  • マインドコントロールされている彼女には、なにを言ってもムダです。

プロパガンダの英語表現


プロパガンダは、元々英語ですから、英語においても「propaganda」です。

例文

  • Ninety percent of the press in this country is government propaganda.
    この国の報道の90パーセントは政府のプロパガンダです。
  • To counter the propaganda, a new social networking site needs to be built.
    プロパガンダに対抗するためには、新しいSNSの構築が必要です。

まとめ この記事のおさらい

  • プロパガンダは、広く伝えること、宣伝の意味。主に思想や教義などの宣伝に関して使われます。
  • 政治的な意図を持った宣伝に対して使われることが多い。
  • プロパガンダの由来は、1622年のカトリック教会の布教活動を目的とした布教聖省(Sacra Congregatio de Propaganda Fide)。
  • 戦時下ではさまざまな芸術がプロパガンダに利用されました。
  • 企業や商品・サービスを広く普及させる宣伝活動が「コーポレートプロパガンダ」。
  • プロパガンダの類義語は、「宣伝活動」「世論誘導」「アジテーション」「マインドコントロール」など。
  • プロパガンダの英語表現は、「propaganda」。