トライアンドエラーとは?意味や言い換え表現、実践のポイントも

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この記事では、「トライアンドエラー」の意味や使い方、実践するためのポイント、類語、英語表現などについて考察します。

仕事や研究開発などでよく「トライアンドエラー」という言葉を聞きます。何かを成し遂げるためには、失敗を乗り越えることが大切です。失敗を恐れていては成功をおさめることはできませんね。

「トライアンドエラー」は、ビジネスにおいても使われる表現です。この記事を通して、「トライアンドエラー」の意味や実践するポイントなどを理解して、ビジネスパーソンとしてのスキルアップにつなげてください。

「トライアンドエラー」の意味と使い方


「トライアンドエラー」とは、目標を達成するために、思いつく方法をいろいろ試し失敗を重ねることで問題点を解決していく行動様式のことです。研究開発や仕事において、さまざまな問題に遭遇することは少なくありません。

このようなときに、立ち止まっていてはなんの解決にもなりません。考えられることはなんでも試し、失敗の中から解決への糸口を見つけることが大切。「トライアンドエラー」は、まさに成功に導く必要不可欠な行動様式なのです。

「トライアンドエラー」は、あくまでも目標に向けてのポジティブな意味ですから、消極的な状況にはつかいません。状況が変わるのをじっと我慢して、好機を待つような行動形態は、「トライアンドエラー」とは言えません。

「なにごともトライアンドエラーだから、じっとしていましょう」のような表現は一見正しく思えますが、次のステップが感じられない状態で「トライアンドエラー」を使うのは不適当です。

「トライアンドエラー」の語源

「トライアンドエラー」の語源は、英語の「try and error」ですが、実はこれは和製英語で正しい英語表現ではありません。正しくは「trial and error(トライアルアンドエラー)」になります。英語で「トライアンドエラー」は、言い間違いとしか思われません。

「トライアンドエラー」のビジネス上での使い方・例文


ビジネスシーンにおいて「トライアンドエラー」は、よく使われる言葉です。但し、注意すべき点は、思いついたことをやみくもにおこなう意味ではないことです。「トライアンドエラー」=「なんでもやってみる」ではありません。

失敗した原因などを検証した上で、さらなる「トライ」を繰り返すことが「トライアンドエラー」です。このことを理解して表現することが大切です。

例文

  • 多くのヒット商品は、トライアンドエラーなしには生まれてきません。
  • 10年間のトライアンドエラーを経て、彼はこの画期的なルールを構築したのです。

「トライアンドエラー」を行う場面


「トライアンドエラー」という表現は、さまざまな分野や一般生活においても使われます。ここでは、その代表的な場面を紹介します。

仕事

仕事はまさに失敗の繰り返しだと言えます。商品やサービス、接客方法、社内体制など数多くの問題点が噴出するのが仕事とも言えるでしょう。例えば、新しい商品やサービスを提供するときに、「マーケティング」をおこないますね。

実際に人々がどのような反応を示すのかを検証するのが目的ですが、まさに「トライアンドエラー」のひとつと言える手法です。トライアンドエラーを繰り返すことで、売り上げアップにつながる商品やサービスにつながるのです。

また、接客においてもトライアンドエラーは不可欠です。日々の接客ではマニュアル通りにいかないケースも少なくありません。失敗を反省して解決策を見出すことが常に求められています。

プログラミング

プログラムの世界は、まさに「トライアンドエラーの繰り返し」。プログラムを開発する途中には、意図したものとは異なる「バグ」と呼ばれる不具合が頻繁に起こります。このバグがおこる原因を追究しプログラムを修正するのです。

IT業界やゲーム開発の現場では、より良い製品やシステムを開発するために、トライアンドエラーを繰り返しています。また、技術分野では「カットアンドトライ」というも使われています。特に電気や機械の分野で、電線などを切りながら調整を繰り返すことから生まれた表現のようです。

ゲーム

「トライアンドエラー」には、何度も繰り返して「苦労する」というイメージを持ちがちです。しかし、トライアンドエラーを「楽しむ」という状態も存在します。それが、ゲームの世界です。

今やだれもがパソコンやスマホで楽しんでいるゲーム。最初は上手くクリアできなくても、繰り返すうちにコツを覚えて先に進めるのが楽しいですよね。高度なゲームになればなるほどクリアが難しくなり、途中で断念する方も多いはずです。

逆に、ゲーム好きの中には、より難度の高いものを好み「トライアンドエラー」を楽しんでいる方も少なくありません。

恋愛

「恋愛はトライアンドエラー」と言うと反感を買うかもしれませんが、恋が実るためには「トライアンドエラー」が不可欠です。初恋の相手とそのままゴールインする方もいますが、初恋は実らないのが一般的。

多くの方は、いくつかの恋愛を繰り返してゴールインしているのです。つまり、過去の恋愛での失敗を反省して、新しい恋が成功するように振る舞うのが、恋愛における「トライアンドエラー」です。

恋愛の失敗を恐れたり、可能の恋愛を反省しなかったり、そんな心の持ち方では、恋愛を成功に導くことはできませんね。

「トライアンドエラー」を効率化する4つのポイント


「トライアンドエラー」を実践するためには、効率的な方法を取りながらおこなうのがベストです。ここでは、「トライアンドエラー」を効率化する4つのポイントを紹介します。

トライする前に仮説を立てる

「トライアンドエラー」を実践する前に、重要なのは「仮説を立てる」ことです。「トライアンドエラー」は、思いついたことをそのまま実行することではありません。「こうすれば解決するだろう」という仮説を立てて、「トライする」ことが大切です。

仮説を立てることで、仮説に対する結果が得られ、より効率的な検証が可能になります。

フィードバックはすぐに行う

「トライアンドエラー」は、「トライ」した結果を検証して、次の「トライ」を繰り返す行動様式です。ですから、結果の把握や検証が遅いのは効率的な「トライアンドエラー」と言えません。フィードバックが遅いのは、「百害あって一利なし」です。

「トライアンドエラー」では、結果や検証のフィードバックは迅速にして、次の「トライ」に進むことが重要です。

結果はできる限り数値化する

「トライアンドエラー」を効率よくおこなうためには、結果を「数値化する」ことも大切なポイントです。例えば、「やや改善した」「不具合が減少した」のような曖昧な表現では、目標達成までのステップがわかりにくくなります。

例えば、製品の不具合をなくすことが目標であれば、「不良率2%」のように数値化することで、改善経過がわかりやすくなります。業種や職種によって数値化できるものは異なりますが、できる限り目に見える数値で「トライアンドエラー」を実践しましょう。

どんな結果であれ前向きに捉える

目標を達成するまで繰り返すのが「トライアンドエラー」ですが、その道は決して平坦ではありません。「トライ」するたびに良い結果が得られないということも少なくありません。気持ちも落ち込んで「上手くいかないのでは」とネガティブになるかもしれません。

しかし、「トライアンドエラー」には、前向きに捉える気持ちが不可欠です。「エラー」を見つけることが基本ですから、ひとつひとつのエラーに落ち込むのは筋違いです。常に「エラーをどう解決するか」という前向きな姿勢がなければ目標は達成できません。

自己PRで「トライアンドエラー」を使う際のポイント


就職活動や転職活動などの面接では自己PRで「トライアンドエラー」という言葉がよく使われますが、その際には気をつけるべきポイントが2つあります。

1つ目は、それが企業の求めているものと合致していることです。例えば「私はトライアンドエラーを繰り返し、課題を解決していけます」というのは行動力や問題解決力のアピールにはなるので、そういった能力がある人材を求めている企業の面接で使うのがより効果的だといえます。

2つ目は、そのトライアンドエラーに具体的なエピソードがあることです。上記の例では話に具体性がないので、「○○の実験では100回以上の失敗をしましたが諦めなかった結果、最後には成功させることができました」のように実際の出来事を添えると説得力が増します。

「トライアンドエラー」の類義語と例文


「トライアンドエラー」の類語には、「試行錯誤」「七転八起」「暗中模索」「悪戦苦闘」などがあります。

試行錯誤(しこうさくご)
ある目的を達成するために、試みと失敗を重ねながら解決方法を追求すること。

例文

  • 長年の試行錯誤を繰り返し、やっと製品の販売にたどり着けました。
七転八起(しちてんはっき)
失敗してもあきらめずに、何度も挑戦すること。ななころびやおき。

例文

  • 七転八起で苦境を乗り越えてきた彼も、今回ばかりはダメージが大きかったようです。
暗中模索(あんちゅうもさく)
てがかりのないまま、あれこれ試してみること。

例文

  • 暗中模索しているうちに、彼の脳裏にあるアイデアが浮かびました。
悪戦苦闘(あくせんくとう)
困難な状況の中で必死に努力を重ねること。

例文

  • 娘の保育園が見つかり、ようやく悪戦苦闘の日々から解放されました。

「トライアンドエラー」の英語表現


前述したように英語で「トライアンドエラー」は、「try and error」ではありません。たまに、「try and error」という表現を聞くことがありますが、これは日本人の英語か単純に言い間違いです。

英語では、「トライアンドエラー」は、「trial and error」です。日本人にとって「トライアンドエラー」は、自然な和製英語になっているので、英語圏の人と話すときは、注意が必要です。

例文

  • After years of trial and error, this product was born.
  • 長年のトライアンドエラーの末、この製品は誕生しました。
  • To solve the problem, they went through a trial and error process.
  • この問題を解決するために、彼らはトライアンドエラーを繰り返しました。

まとめ この記事のおさらい

  • 「トライアンドエラー」とは、目標を達成するために、思いつく方法をいろいろ試し失敗を重ねることで問題点を解決していく行動様式のこと。
  • 「トライアンドエラー」の語源は「try and error」の和製英語です。
  • 「トライアンドエラー」は、仕事やプログラミング、ゲーム、恋愛など幅広いジャンルで使われています。
  • 効果的に「トライアンドエラー」を実践するためには、「トライする前に仮説を立てる」「フィードバックはすぐに行う」
  • 「結果はできる限り数値化する」「どんな結果であれ前向きに捉える」などのポイントがあります。
  • 「トライアンドエラー」の類語は、「試行錯誤」「七転八起」「暗中模索」「悪戦苦闘」など。
  • 「トライアンドエラー」の英語表現は、「trial and error」ですから、和製英語の「try and error」を使わないようにしましょう。