アセスメントとは|医療・介護、業界毎での意味・使い方、英語表現等解説

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この記事では、「アセスメント」の意味や使い方、類語、英語表現について考察します。

「環境アセスメント」や「人材アセスメント」など、雑誌の記事やニュースなどで「アセスメント」という言葉はよく見かけます。しかし、「アセスメントってどういう意味?」と問われたら、正確な意味を答えられるか不安になりますね。

「アセスメント」はビジネスでも使われる大切な言葉です。この記事を通して「アセスメント」の意味と使い方を正しく理解し、ビジネスのスキルアップにお役立てください。

「アセスメント」の意味と使い方

「アセスメント」は、「事前調査に基づいた評価や査定」の意味で、主に「○○アセスメント」という形で使われます。

アセスメント単体で使われる場合には、「環境アセスメント」の意味で使われることが多いようです。これは、1980年代に環境問題が新聞やニュースに取り上げられたことで、「アセスメント」という言葉が一般に広がったのが理由です。

以来、人事査定や企業査定などさまざまな領域で使われるようになりました。

「アセスメント」の語源

「アセスメント」の語源は、英語の「assessment」で、「評価」「査定」「判断」「分担金」の意味で、主に課税に関することに使用されます。

日本語の「アセスメント」とは少しニュアンスが異なり、日本語の方がより幅広い意味になっています。

「アセスメント」の医療や介護での使い方

「アセスメント」は、医療や介護の領域でも使われています。

ヘルスアセスメント

医療現場の看護において大切なのが、「ヘルスアセスメント」です。

「ヘルスアセスメント」とは、医師による問診や視診・聴診・打診・触診などの身体査定に加え、体温・脈拍・血圧・血中酸素飽和度などのバイタル測定、さらに心理的および社会的側面を総合的に査定することです。

これにより、看護師は必要な看護ケアの問題点を明確にでき、根拠に基づいた看護ケアができます。

介護アセスメント

「介護アセスメント」とは、ケアマネジメントの第一段階として利用者の心や体の状態を評価し査定することを言います。

具体的には、利用者の生活環境や過去に受けた介護サービス、能力の程度、利用者や家族の希望などを把握し、利用者に最適なケアプランを作成します。

アセスメントシート

「介護アセスメント」の情報を記入するのが、「アセスメントシート」です。
アセスメントシートには、主に以下のような項目があります。

・利用者のこれまでの生活の歴史
・介護の度合い
・主治医や医療機関の利用状況
・現在の生活状況(日々の生活スケジュールなど)
・家族構成と現在の人間関係
・本人および家族などが要望・希望する生活
・生活環境など

まず、最初の面接時に作成し、「ケアプランの作成→サービス担当者会議→ケアプランの確定→ケアの実施→モニタリング→評価」のサイクルで実施されます。さらに、3か月や半年ごとに利用者のモニタリングを実施し、更新していきます。

「アセスメント」のビジネス上の使い方

ビジネス上での「アセスメント」は、主に「環境アセスメント」「人事アセスメント」「リスクアセスメント」などの表現で使われます。

環境アセスメント

東京都環境局のホームページでは、「環境アセスメント」を以下のように解説しています。

環境アセスメント(環境影響評価)とは、大規模な開発事業などを実施する際に、事業者が、あらかじめその事業が環境に与える影響を予測・評価し、その内容について、住民や関係自治体などの意見を聴くとともに専門的立場からその内容を審査することにより、事業の実施において適正な環境配慮がなされるようにするための一連の手続きをいいます。

環境アセスメントの対象となる事業は、「道路・河川・鉄道・飛行場・発電所・廃棄物最終処分場・埋め立て、干拓・土地区画整理業・新住宅市街地開発事業・工業団地造成事業・新都市基盤整備事業・流通業務団地造成事業・宅地造成事業(住宅地、工場を含む)」などがありますが、都道府県によりさらに追加事業があります。

例文
・当社は、土壌汚染対策や水質保全などを考慮した環境アセスメントに多くの実績を誇っています。

人事アセスメント

「人事アセスメント」とは、従来の上司がおこなっていた「人事評価」とは異なり、さまざまなテストやグループ演習、討議、面接などで、個人の持つ能力や資質を客観的に評価するものです。これにより上司の好き嫌いや相性など、的確な判断を阻害する感情的な要素の影響を受けることなく、公平かつ効果的な人事が可能になります。

例文
・リーマンショック以降、多くの企業が昇進や昇給に関して人事アセスメントを導入しています。

リスクアセスメント

「リスクアセスメント」とは、「職場の潜在的な危険性又は有害性を見つけ出し、これを除去、低減するための手法」のことです。
これまでの労働災害どの防止策は、災害の原因を調査して再発を防止する方法でしたが、原因のない場所でも労働災害が発生する可能性はあります。リスクアセスメントは、潜在的な危険性や有害性を調査検討し、より安全で衛星な職場環境を構築することが目的です。

例文
・製品の安全性を確保するためにも、市場に出す前に必ずリスクアセスメントをおこなう必要性があります。

リスクアセスメントツール

「リスクアセスメントツール」は、「リスクアセスメント」を実施する上で「情報収集方法・潜在的な危険性および有害性の特定方法・そのリスクのアセスメントの方法・リスクの低減計画・アセスメントの記録方法」などのための支援ツールです。

事業形態により、さまざまな形態のツールがあります。

例文
・簡易リスクアセスメントツールだけでは、十分とは言えません。より詳細な分析が求められます。

「アセスメント」の類義語と例文

「アセスメント」の類語は、「査定」「評価」です。

査定(さてい)
物事を調べて、その等級や金額、合否などを決めること。例文
・営業成績が良いからと言って、勤務態度が査定されないのは不公平だと思います。
評価(ひょうか)
事物や人物の善悪・美醜などの価値を判断して決めること。例文
・彼の評価が低いのは、仕事に対する意欲が感じられないことが理由でしょう。

「アセスメント」の英語表現

「アセスメント」の英語表現は、「assessment」ですが、日本語の「アセスメント」のような「事前の調査」という意味合いはありません。主に人や物に対する「評価」「判断」や課税における「評価」「査定」の意味で使われます。

・Then what’s your assessment for the best course of action?
(では、どうすれば一番良いのか、あなたの判断は?)
・Employees receive a performance assessment once a year.
(従業員たちは年に1回、人事評価を受けます。)

まとめ この記事のおさらい

  • 「アセスメント」は、「事前調査に基づいた評価や査定」の意味で、主に「○○アセスメント」という形で使われます。
  • 医療や介護の分野では、「ヘルスアセスメント」「介護アセスメント」「アセスメントシート」。
  • ビジネスでは、「環境アセスメント」「人事アセスメント」「リスクアセスメント」「リスクアセスメントツール」などがあります。
  • 「アセスメント」の類語は、「査定」「評価」です。
  • 英語表現は、「assessment」ですが、日本語の「アセスメント」のような「事前の調査」という意味合いはありません。