【実は間違い?】揚げ足を取る人とは?日常からビジネスまで、言い換えやその意味、使い方・例文を解説検収前 

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この記事では、「揚げ足を取る」の意味や使い方、「揚げ足を取る人」の特徴などについて考察します。

日常会話の中で「あの人、揚げ足を取るのが得意だよね」と、「揚げ足を取る」という表現はよく耳にします。

文化庁令和3年の国語に関する世論調査でも言及されている言葉のようですが、「揚げ足を取る」の正しい意味をご存じでしょうか?

「揚げ足を取る」は、ビジネスでも使う表現ですから、間違った使い方には注意が必要です。

この記事を通して、「揚げ足を取る」の正しい使い方や「揚げ足を取る人」の特徴を理解し、社会人としてのスキルアップにつなげてください。

そもそも「揚げ足を取る」の意味って?

「揚げ足を取る」とは、「相手の言い間違いや言葉じりをとらえて批判したりからかったりすること」の意味です。

ちょっとした言い間違いなどは、だれでもあるはず。多くの場合は笑って済まされるでしょう。

しかし、「揚げ足を取る」のが好きな人は、小さなミスも言質をとって見逃しません。

責められるほどではなくても、いちいち指摘してきます。そんな人が上司や同僚にいたら気分が悪く、ストレスもたまってしまいます。

そんなネガティブな意味がある「揚げ足を取る」ですが、本来の意味ではなく間違った使い方をしている人も少なくありません。

「揚げ足を取る」の正しい使用例|間違った具体例も

「揚げ足を取る」は、一般的によく使う表現ですが、本来の「相手の言い間違いや言葉じりをとらえて批判したりからかったりすること」ではない意味で解釈している人も多いようです。

文化庁が実施した令和3年度の「国語に関する世論調査」では、「揚げ足を取る」の意味を「(ア)言い間違いや言葉じりをとらえて責めたりからかったりする」「(イ)失敗ややり損ないを見て責めたりから かったりする」「(ア)と(イ)の両方」の三択で年代別に調査。

70歳以上では、本来の意味である(ア)が63.6%、(イ)が9%、(ア)と(イ)の両方が18.9%と、正しい意味で理解している人が圧倒的に多くなっていますが、年代が下がるにつれてその比率は変わっています。

16歳から19歳では、(ア)が46.9%、(ア)と(イ)の両方が40.0%、(イ)が12.3%で、「失敗ややり損ないを見て責めたりから かったりする」の意味でもあると思っている人が多くなっています。

よく見る間違った使い方と誤解を避けるポイント

文化庁の「国語に関する世論調査」の結果でわかるように、年代が若くなるほど「揚げ足を取る」の意味を誤解している人が多くなっています。

「揚げ足を取る」は、「言い間違え」や「言葉じり」をとらえて批判したりからかったりすることで、ヒトの行動に対するものではありません。

つまり、ミスなどを責めたりからかったりする表現として使うのは誤りです。

文化庁の「国語に関する世論調査」において指摘しているように、「言い間違いや言葉じりをとらえて 責めたりからかったりする」が本来の意味です。

間違った使い方の例
  • 部下がミスをするたびに揚げ足を取るのが、部長の趣味のようです。
  • 揚げ足を取るような行動は慎んでください。

また、「揚げ足をすくう」と間違った表現をしているケースも見られます。

これは、「足をすくう」と混同した結果です。「揚げ足をすくうのは良くないですよ」と言いたくなる気持ちもわかりますが、正しくは「揚げ足を取る」ですので、きちんと理解してください。

日常会話における使用例

「揚げ足を取る」は、「ミスをせめる」の意味と混同して使われやすい表現ですから、本来の意味をきちんと理解して使うことが大切です。ここでは、日常会話での使用例をいくつか紹介します。

例文
  • 若い人がしゃべっている言葉の揚げ足を取っているといつか嫌われますよ。
  • ディベートは論理的な思考には有効ですが、相手の揚げ足を取っている気もします。
  • あの男は揚げ足を取るのがうまいから、よく言葉を選んでから話した方がいいよ。

ビジネスシーンでの使用例と注意点

「揚げ足を取る」は、ビジネスシーンでも使われる表現ですが、ネガティブなニュアンスが強いので、使い方には注意が必要です。

軽い気持ちで「揚げ足を取るのが上手ですね」と言ったとしても、侮辱されたと感じる人もいます。

ビジネスで使用するときは、「揚げ足を取る人」に対する批判的な意味が含まれていることを念頭においてください。

例文
  • 昨日の会議は、揚げ足を取るような議論ばかりで時間の無駄でした。
  • 部長は、他人の揚げ足を取るのが趣味のような人だから、言葉遣いには注意が必要です。
  • 揚げ足を取るような指摘をする前に、まずはトラブルの原因を明確にするべきです。

揚げ足を取る人ってどんな人?

だれでも人生で一度は揚げ足を取られたり、揚げ足を取ったりした経験はあるでしょう。

仲の良い関係なら揚げ足を取られてもそれほど悪い気はしませんが、知らない人や上司などに揚げ足を取られると嫌な気持ちになるものです。

では、この「揚げ足を取る人」とは、どのような人でしょうか?

正直うざい?揚げ足を取る人の特徴・行動

毎回言い間違いや言葉じりをとらえて批判されてはストレスも溜まるし、正直うざいですよね。

少しでもダメージを少なくするためには、揚げ足を取る人の特徴や行動パターンを知ることが大切です。

プライドが高い

揚げ足を取る人の特徴のひとつが、「プライドが高い」ことです。

学力が高く人よりも上に立ちたいという気持ちが強い傾向にあります。完璧主義で融通がきかない人が多く、近寄りがたいタイプです。

自分の論理性に自信を持っているので、上から目線の行動になりがちで、他人が言い間違えたらすぐに指摘して批判します。

他人よりも自分の方が上位にいることを承認させたい欲求が強いようです。

空気が読めない

「空気が読めない」のも、揚げ足を取る人の大きな特徴のひとつ。

自己中心的でまわりの状況や人の事情に対する配慮がない人です。悪意がないのは救いですが、悪意がないがゆえ、自分では気づきにくいのが大きな欠点です。

行動パターンとしては、自分が興味のある話にはすぐに首を突っ込みますが、興味がなくなると無言になってしまうタイプです。

コミュニケーションが一方的で、会話のキャッチボールができません。

ネガティブ

揚げ足を取る人の中には、ネガティブなタイプも存在します。

職場などで劣等感が強く、ストレスが溜まって心の余裕がなくなっている人です。常に周りの言動を気にし、他人の肯定的な発言も悪くとらえるクセがあります。

行動パターンとしては、言い訳が多く行動しないことが多いタイプです。

また、劣等感が強い分、相手の悪いところばかりを見る傾向が強くなります。

その結果、鬱積したストレスのはけ口として、揚げ足を取ってしまうのです。

執着心が強い

「執着心が強い」のも、揚げ足を取る人のタイプに見られる特徴です。

執着する対象は人それぞれですが、対象に対して「強いこだわり」を持っています。

こだわりのあるものに関しては「しつこい」ので、まわりからは敬遠されがちと言えるでしょう。

執着心の強いタイプの「揚げ足を取る人」は言葉に対して強いこだわりを持っているので、言質をとってでもしつこく指摘します。

なぜ言葉に執着心を持つのかは、人それぞれ背景は異なりますが、思い込みや不安などが要因とも考えられています。

このように揚げ足を取る人にはさまざまな特徴があるので、すべてに良好な関係を築くのは難しいでしょう。

しつこいと感じたら、距離をおくことも必要です。また、相手の気分を損ねないように、あえて肯定したり、指摘をほめたりするのも効果的です

「揚げ足を取る」の語源は?言い換えると?

「揚げ足を取る」の意味や「揚げ足を取る人」の特徴は紹介しましたが、そもそも「揚げ足を取る」という表現の由来はなんでしょうか?

また、言い換え表現にはどのようなものがあるのでしょう?

言葉の語源

「揚げ足を取る」は、「相撲や柔道などで相手が技をかけようとして足をあげたときに、その足をとらえて倒すこと」が語源です。

ちなみに「揚げ足」には、「上げ足」「挙げ足」などの漢字表現がありますが、「揚げ足を取る」で使う場合は、「揚げ足」です。

ちなみに「あげあし」には、「柔道などで宙に浮かび上がった足」の他に、「鳥獣が休むために片足をあげること」の意味もあります。

また、株式の世界では、「株価が上昇基調で推移していく動き」のことを「上げ足」と呼びます。

類似する表現や言い換えの紹介

「揚げ足を取る」の類似表現や言い換え表現としては、「重箱の隅をつつく」「ケチをつける」「些事にこだわる」「粗探しをする」などがあげられます。

重箱の隅をつつく(じゅうばこのすみをつつく)
  • 意味 
    ささいなことを問題にして文句をいうこと。ことわざの「重箱の隅を楊枝でほじくる」が変化した表現。
  • 例文 
    彼女は、姑の重箱をつつくような小言に毎日悩まされていました。
ケチをつける
  • 意味 
    欠点を見つけて悪く言う。縁起の悪いようなことを言う。
  • 例文 
    あいつは自分の腕は半人前なくせに、道具にケチをつけるのは一人前だね。
些事にこだわる(さじにこだわる)
  • 意味 
    取るに足らないささいなことを気にすること。
  • 例文 
    些事にこだわることも必要ですが、大局を見誤っては本末転倒です。
粗探しをする(あらさがしをする)
  • 意味 
    他人の欠点や過失を、ことさら詮索すること。
  • 例文 
    他人の粗探しをする前に、少しは自分を磨くことを考えたらどうですか?

まとめ この記事のおさらい

  • 「揚げ足を取る」とは、「相手の言い間違いや言葉じりをとらえて批判したりからかったりすること」の意味。
  • 「失敗ややり損ないを見て責めたりから かったりする」の意味で解釈している人も多い。
  • ネガティブなニュアンスが強いので、ビジネスシーンでは使い方に注意が必要です。
  • 揚げ足を取る人の特徴には「プライドが高い」「空気が読めない」「ネガティブ」「執着心が強い」などがあります。
  • 「揚げ足を取る」の語源は、「相撲や柔道などで相手が技をかけようとして足をあげたときに、その足をとらえて倒すこと」。
  • 「揚げ足を取る」の言い換え表現には、「重箱の隅をつつく」「ケチをつける」「些事にこだわる」「粗探しをする」などがあります。